家計調査と税制

家計調査における消費税・所得税・住民税

深谷庄一

 今年(1997年)四月から消費税が 3% から 5% に引き上げられるので、その経済効果のシミュレーション分析がいくつか発表されています。「家計調査報告」には、年間収入五分位階級別に、消費額、所得税・住民税支払い額などが発表されています。下に添付されているのは、Excel によるシミュレーションで、消費税の逆進性の程度、所得税・住民税の減税による緩和策などを調べたときのファイルです。詳しい説明は付いていませんが、Excelを扱えれば所得税の減税(税率・課税最低限・控除額など)によって各階層別にどれくらい税金が減るかをシミュレートできます。

などの注意点はありますが、結構面白いです。

 発表されるシミュレーションは多くの場合、具体的なファイルを公開してくれないので、もどかしいものです。結果だけを見せられても、ハイそうですかで終わりです。やはりこういうことは、自分でいろいろシミュレーションを行なうから面白いのですが、確定申告していない人にはどう税金を計算したらいいのか、簡単には理解できないようです。

 そこで今回は、税金の計算までは手助けしますが、分析は各自に任せるというスタイルです(^^)

 今、確定申告の季節で、簡易給与所得表などが手元にあるので可能になりました。

  1. 消費税の逆進性は特に第I階級に偏っている。
  2. 所得税の累進性は第IV階級で低下し、第V階級で急上昇する。

家計調査における五分位階級別税負担(Excelファイル)

1997/03/03

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