TACバンブーロッド製作教室 6
第3章 曲がり直し
  V 曲がりの矯正     B節の出っ張りと曲がりはなかなか厄介な存在です。どうせこの飛び出た部分はヤスリで平らに削ってしまうから・・・といって      無視をしてもロッドにはなりますが・・・削り作業の基準面はスキン(表皮)面!ここを正確に矯正することによって削り作業      の容易さ、正確さのみならず見た目、極端な場合は強度!にまで影響が出るものと思ってください。       短い区間で曲げる(この場合は「押し込む」「プレスする」の表現が適切か)ので手先だけでは難しい作業となります。米国      某有名ビルダー(複数)は「テコ」を利用しているようですし、もう一人の某有名ビルダーはなにやら大掛かりなプレス機を使      ってこの作業を行っているみたいですが・・・手塚の場合はベンチバイス(万力)をプレス機代わりに使っています。下右brm24      。何のこともないただのアルミアングルのきれっぱしを一方にセットしただけ・・・。
     

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節の真ん中、くびれた部分が前後のスキン面と平らにならなくては
なりません。
バイスの端〜端あたりから見ると相当盛り上がっていますね。


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バイスの口にセットしたアルミニューム製の突起。
くわえる部分の幅8o、厚み1o。この部分を竹の
節の出っ張りを当ててプレスします。

     

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スキンとは反対側(カスの部分)、押し込みたい出っ張りの反対側を
ヤスリで削り取ります(肉厚はたっぷり余裕のはずですから削りす
ぎなど心配無用です)。
これを熱してバイスに(出っ張りをアルミの凸部に当てて)銜えプレ
スします。アルミの板厚は1ミリ・・・よほど強くプレスしない限り
、元に戻る分がありますので適当な押し込み具合になると思います。


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ただいまプレス中。右に見える薄い楔状のものは反り返り
を緩和するためのクサビです。状態によっては必要がない
場合もあります。


brm27 プレスが終わりました


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この章最後の作業です。
節にヤスリがけをし平らにしたら後はカンナの出番
となります。
ここまでの作業は地道!でしたがこれからの作業の
基礎となるもので・・・これからは幅数ミリ、長さ
1メートル超えの狭い溝にセットしてのカンナがけ
です。少しの曲がりや捩れそれに出っ張りなどあっ
ては気持ちよく削り作業などできるものではありま
せん(苦労やいやな思いを、それに仕上がり精度の
甘さなど厭わなければテキトーでも良いのですが)
・・・大切な工程と考えてください。
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