第4章 ラフ プレーニング (荒削り)
  T 下準備     いよいよカンナでの削り作業に入ります・・・プレーニング フォーム(削り台)に矯正の終わった竹片を セットしカンナがけをして所定の寸法にする工程ですが、竹片の断面は四角形・・・フォームの溝につけられた角度 とはまったく合いません。そこで、竹片の角の一つに60度(4角ロッドでしたら45度)をあらかじめつけておかなけ ればなりません。そのためのフォームが次のようなものです。画像1 60度・30度に面取りした20ミリ×30ミリ程度 の角材(長さ50cm〜)を2本組み合わせて使います。上下に幅(深さ)の異なる面取りを施し、トップセクション用 とバットセクション用とに使い分けます。このフォームは竹片の断面が方形の場合を考えてあり、その上、実際の断 面形状はおおむね不規則な台形ですから正確な角度に削ることはできません。画像2 とりあえずプレーニングフォ ームの溝にセットするための下地処理と思って作業します。   U 1次削り     いよいよカンナでの削り作業に入ります・・・プレーニング フォーム(削り台)に矯正の終わった竹片を セットしカンナがけをして所定の寸法にします。・・・6本の各セグメントを束ね、糸で巻き締め焼入れをする、前 段階の工程ですね。 その前にカンナの説明を・・・・この教室では道具・材料など一通り揃っている、を前提に説明していますが、カンナ の選定などのご質問なども多く、また、カンナについての思い違いなどままあるようですのでちょっとご説明をば・・。


画像4,5 プレーニングフォームの上に置かれたカンナにご注目ください。白の補助線でお分かりかと思いますが、
刃の角度が違っているのがお分かりだと思います。ここで間違えてしまう方が多いので一言!刃先の立っているのが
仕上げ用です!刃先が寝ているほうは素材を削り取るというより割り取る?のイメージ。繊細な作業には向きません
のでお間違えのないように!ついでに申せば、仕上げ用一丁で竿は作れます。
(勿論プロは両方を使いこなしますが))
前工程でできた一つの角度が60°になった竹片をプレーニングフォームにセットしてみましょう。画像3フォーム
の溝にはみ出さずにセットできししたか?
はみ出すようでしたら曲げ直し工程に戻ってくださいね。脱線するようですと「削りにくい」「角度が不正確に削れる」
「すぐに刃先が鈍くなって切れなくなる」「怪我しやすくなる」などなどいやなことがいっぱい・・・になります。
あれば荒削り用のでシュルシュルっと削ります。仕上げ用のでピーっとやってもOKですね。画像6
ただ、片側だけを削って行かず時折反対側にもカンナをかける事と根元側から先端側へと削る事をお忘れなく。
画像7のようになればOK。

ただし、まだフォームのセットをしていませんのでこれは練習!!ちゃんとやるにはまず、フォームのセットから!


      V  フォームのセットとプレーニング
 焼きいれ前のこの段階では仕上げ寸法の120〜200%ほどに削ればOKでしょう。テーパーチャートのフォーム深さの
データーからその分の数字と《フォーム面とカンナの刃が干渉しない最低限の逃げ・・・・これがないとフォームを
削ってしまうことになります》を考慮した数値をダイアルゲージで確認しつつセットしていきます。画像8〜11
 セットを終えたら削り始めます。手前から先端方向へとカンナを押して行き、60度の角を形成していきます。全長
にわたって60度の角がつけ終わったらセグメントを回転させスキン側を除く両面を交互に削ります。曲がりやねじれ
をしっかり直してあれば楽に作業を進めることができるはずです。もし、うまく行かないとすれば・・・カンナの取
り扱いがうまくできていないことでしょうか? 刃の出す分(切削量)と力加減? そもそも刃の砥ぎができていな
い・・・などのチェックが大切ですね。


画像9 ギャリソン型のディファレントピッチスクリューでのアジャストはスクリューを全体的に軽く回しましょう。
大雑把なアジャストは指だけでできたらいいですね。
 プッシュプルスクリューの場合は気楽にどうぞ。多分ネジ山が壊れてしまうことも無いでしょうから。


画像8 ダイアルゲージは使用前に必ず0点合わせを怠らずにね。これはガラス板の上にそっと置いて行っていると
ころです。


セットは一回だけの調整では難しいものがあると思います。一通りセットしたら初めから再度調整し直すとうまく行く
と思います。

ダイヤルゲージは測定子を溝に入れたままスライドさせないでください・・・・測定子の60度ポイントが磨り減っ
てはお話になりませんから・・・。そっと狙った箇所に置くようにセットしてください。

画像11 セットが完了したらセグメントをシュルシュルっとやります。トップ、バット用計12本を削りましたら
それぞれ番号順に束ねテープなどで仮止めしておきます。
 
トップページに戻ります
前ページに戻ります     続きはこちらです