ストラトフォード・アポン・エイヴォン市の運河



 「運河の上りの閘門を通り抜け、高い海抜に上がりきった渡し船(キャナルボート)は、気持ちよいコッツウォルド地方の連丘の間をくねり進む。ホーンブロワーは上機嫌で笑いはしゃいでいた……この三十年間で、英国の経済を大きく変えたこの運河の営みを、はじめてまのあたりに見る絶好の機会だ。それに、現在の技術の驚嘆すべき成果、サパートン・トンネルも、もうさほど遠くない。新しい科学の最大の成果だ。それだけは、ぜひ見ておきたい。舵取りが笑いたければ好きなだけ笑わせておけ。あの男は、手をなくして役に立たなくなり、解雇された船乗り上がりだろう。それが海軍の艦長をあごで使うのは、さぞかし小気味よいことだろう。」
――C.S.フォレスター『トルコ沖の砲煙』冒頭より
 コッツウォルドからそう遠くないストラトフォード・アポン・エイヴォンはシェイクスピアの生家と終の棲家がある文豪の街です。その中心部を流れるエイヴォン川はまた運河の分岐点伴っており、閘門が見られました。ホーンブロワーが通った運河そのものではありませんが、だいたいの雰囲気はつかめるのではないかということで、載せてみました。

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エイヴォン川を行くキャナル・ボート


 このキャナル・ボートはレンタルらしく、連絡先が船体に書いてありました。実際、この運河をのんびりと船で行くことが英国人の人気を集めているらしく、あちこちの運河でその姿を見ることができました。ホーンブロワーはこれでテムズ河までいっています。

開いている閘門


 開閉は現在も人力です。水面の高さが一致しないと、水圧の関係で人力ではあかないようです。水面の高さは小さな放水口を閘門の脇にあるクランクであけて調節します。

閉まっている閘門


 上とは反対側の部分です。水面の向こうに見えるのはストラトフォードの中心部……といっても、10分も歩けば通り過ぎてしまうような、小さな街です。シェイクスピアの生家やいくつもの劇場があるほか、十六世紀頃から残された町並みが魅力となっている観光の街です。


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