ウィンザー城


 「ウィンザー城」より先に「ウィンザーガーデン32番地」という地名に親しんでいた私としては、いささか負い目のあるお城です。ロンドンから2時間ほどの、このお城は現王室の休日の居城で、エリザベス2世陛下とエディンバラ公は週末にこの城に戻ってきます。陛下が御在宅かどうかはラウンド・タワーの上の旗竿に王室旗が上がっているかどうかで判ります。この日は日曜日。早速ラウンド・タワーを仰いでみれば、あがっていました。
 城内の公式行事に用いられるスペースは、使用中でなければ、一般に公開されています。撮影禁止でしたから撮りませんでしたが、ナポレオニック・ファン必見のアイテムは「ネルソン提督に致命傷を負わせたマスケット銃弾」や「皇太子親率軽騎兵隊の軍服」、そして膨大な武器、馬具、甲冑類です。日本人としてちょっと見るのがつらいのは日本陸軍の将軍から接収した日本刀でしょうか。その他いろいろな展示が盛りだくさんで、「開かれた王室」の何たるかを見せつけてくれます。どこかの宮内庁にもエリザベス2世陛下の爪の垢でも飲ませてやりたいものです。
 そういえば、我が家には聖ジョージ旗はあっても日の丸はないなぁ……。


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ウィンザー城内

 ウィンザー城にはいると、そこは緑と石の世界。地面は石畳(か、アスファルト)でなければ芝生。そして建物はすべて石造り。漆喰や瓦、玉砂利を交えた千代田城を見慣れた目にはいささか息が詰まりそうな感じです。

ラウンド・タワー

 ウィンザー城の天守閣(キープ)に当たる円形の塔です。英国の城郭建築において円形の塔は十字軍参加以後のものです。円形に石を組む技術はイスラム文化圏から伝わったためです。このことから、このラウンド・タワーがロンドン塔やドーバー城より新しい建築であることがここから判ります。

城内を歩く近衛連隊兵士

 スコッツ・ガーズです。こういう格好をすることもあるんですねぇ……って、今時の兵隊さんなら当たり前か。現代の礼装とナポレオン時代の軍服ばかり見ている目には、迷彩服というのはなかなか新鮮な眺めなんです。

近衛連隊兵舎

 ウィンザー城の一角に兵舎があります。ここは兵舎前。兵舎前には一本の白線が引いてあって、「ここから先に進まないでください」と(もちろん英語で)書いてありました。そのぎりぎりのところまで行ってカメラをかまえると、兵隊さんの視線だけがこっちを向きました。

中庭

 衛兵の交代式場にやって来ました。画面外、右後方には先のラウンド・タワーがあります。
 この兵隊さんの警備位置はずっと奥の方なのですが、時々、こうして歩いてきます。もう2,3歩進んでから、回れ右して元の位置まで戻ります。


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