99/3/23バイアグラの院外処方箋による場合の請求方法と調剤責任・情報文書
平成11年3月23日(火)よりバイアグラが販売されます。平塚市民病院では、平成11年4月5日より泌尿器科に専門担当医を置いて、すべて院外処方箋を患者に渡して処方されます。平塚市民病院前の平塚中郡薬剤師会支援センター薬局では、下記の定価に消費税を加えた額で、会員の薬局に、小分けいたします。50mgで1365円です。
(一般の方は、処方箋が無いと購入できません。平塚市民病院の泌尿器科に4/5日以降受診して院外処方箋をもらって支援センターで調剤して購入することになります。調剤では1錠あたり1560円程度になります。これは、副作用や危険性をチェックする費用ですので、ご理解下さい。このホームページは一般の人は、検索ソフトでは、現在のところ検索できないようになっていますが、念のため記述します)
新聞報道によれば、バイアグラ錠50mgの販売価格は1300円、25mgは1100円となっていました。それに数千円から12000円程度の病院での検査料がかかるとなっています。
薬局への納品単位は、50mgは50錠包装、25mgは20錠包装。一回の処方は、頓服で2-4錠処方されるようです。
通常は50mgが処方され、25mg錠は65歳以上の高齢者や腎臓・肝臓機能の低下している方、また50mgで顔面の火照り感・めまい(低血圧症状)などの生ずる方に限られるようです。アメリカでは、100mg錠も販売されていますが、日本では許可されていません。外国人と日本人は体型や薬の代謝能力が違うので妥当な処置でしょう。米国では、鎮痛剤などは日本の2倍くらい入ったものが、市販薬で売られていますが、私が飲んだら2-3回で悪心となるでしょう。
市民病院では、バイアグラは泌尿器科が専門医をおいて処方を行い、保険適用とならないため、病院側は自由診療という形になります。現在、医療保険では混合診療は禁止となっており、保険診療と自由診療の同時併用は認められていないので、同時にはかかれないことになります。
バイアグラの処方は、市民病院ではすべて院外処方箋という形で処方されます。指示書ではないので、処方箋と同じ計算で自費扱いという方法も、調剤方法の一つになります。
つまり、50mg錠が1回1錠頓服で4回分処方されたとして、薬価が無く納入価は現在不明です。しかし、ほとんど上記の値段での納入と思われます。(薬価相当額が1300円、1100円ということです)
個人的な予想は納入価は25mgと50mgともに、ほとんど定価での納入のようです。(99/3/23現在)
米国では1錠10ドルで販売されているとの報道で、円に換算して1300円という価格が、米国患者が薬局で1錠あたりに実際に支払う価格か、薬局への卸価格かは不明です。
50mgの販売価格1300円を薬価とみなして副作用のチェックなど薬歴管理・服薬指導をすると、(情報文書料70円とらないとして、計算したものが下記)
50mg頓用4錠で6210円(1553円/錠)
50mg頓用2錠で3610円(1805円/錠)
25mg頓用4錠で5410円(1353円/錠)
25mg頓用2錠で3210円(1605円/錠)、ちなみに当薬局では25mgが頓用14錠で、16410円です。
病院の計算では、初診料や処方せん発行料で3500-4000円-12000円程度を自費で技術料を支払い、薬局で4錠で6200円程度となり全部で1万円前後、又はそれ以上。実質的には、1錠2500円の換算となります。報道の1300円とはずいぶん差があるようですが?
上記の計算方法は、保険適用とならない薬や医療用具の処方箋調剤の一方法として、県衛生部保険課に相談したものですが、計算方法の一つの参考で強制することはできないものです。
極端に言えば、自由診療・販売ですので損をして販売してもよいということです。薬をだせばだすほど損をするのでは処方箋を受けることは損失につながります。病院は技術料が入り、調剤薬局ではほとんど利益の無い調剤をして危険責任を負うのは、著しく均衡を欠きます。
おそらく、バイアグラ服用を契機として日本でも相当数の心臓死が生ずるものと思われます。私の予想では60名前後、国民性の違いがここであらわれるのでしょうか?米国では130人の死亡が確認されています。バイアグラの処方箋応需の際は、必ず併用薬(亜硝酸剤・硝酸イソソルビド等)のチェックによる薬歴管理・服薬指導の記録を残し、服薬上の注意事項の記載された「医薬情報文書」を患者に渡し、その文書記録を残すことが必要です。
(バイアグラ処方の患者用指導文書)
以下の方は、バイアグラを服用してはいけません。特に、他人に譲渡することは危険ですので絶対になさらないで下さい。
1.バイアグラの成分に過敏症の患者(まだそんな人はいないと思いますが)
2.硝酸剤・一酸化窒素供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド等)を服用中の患者
3.心臓血管系に障害を有するなど性行為が不適当と考えられる患者
4.重度の肝機能障害のある患者
5.低血圧の患者(最高血圧が90mmHg以下、最低血圧が50mmHg以下の患者)
6.高血圧症の患者(安静時最高血圧170mmHg以上、安静時最低血圧100mmHg
7.脳梗塞・脳出血・心筋梗塞の発作が最近6ヶ月以内に起きた患者
8.網膜色素変性症患者
(用法)成人1日1回バイアグラ(シルデナフィル)25mg-50mgを性行為の約1時間前に服用する。
65歳以上の高齢者、肝障害・重度の腎障害患者は血中濃度が上がりやすいので、25mgを開始用量とすること。1日1回までとし、投与間隔は24時間以上とすること。
(相互作用)
併用禁忌:ニトロールやニトロペン、ニトログリセリン錠、フランドルテープ・ニトロダームTTSなど、硝酸剤・NO供与剤
併用注意:シメチジン(胃潰瘍治療薬のタガメット)等非特異的チトクロールP450 3A4阻害薬で作用増強。
(一般的注意)服用している、他の科の薬との相互作用については、危険を回避するために薬剤師に遠慮なく、お聞きください。