網膜色素変性症 pigmentary degeneration of the retina
遺伝性の原発性網膜変性の一つ。少数の例外を除いて両眼性。
遺伝形式は、常染色体劣性のことが多く、このため近親結婚の家系に、発生しやすい。
小児期に、進行性夜盲症と輪状の視野欠損で始まる。視野欠損は周辺及び中心に向かって進み、ついには、ごく小さい中心視野だけを残すという状態になる。中心視力は中年まである程度たもたれるが、視野狭窄のため行動は不自由となる。そして、水晶体に後嚢下白内障が併発することも多く、50-60歳までには、視力はほとんど失われる。
検眼鏡的には、動静脈の著名な狭細、視神経乳頭の黄色萎縮、多数の骨小体様色素班の出現が特徴である。病理学的には、網膜視細胞(円柱体)層の破壊、色素上皮の不規則、斑紋状の増殖性変化、色素の網膜内への移行などがみられる。
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