10月24日


ペルージャより
天候:雨、気温:14度

午前練習のみ
1.サーキット体操20分
2.3人のボ―ル回し
3.紅白戦約30分
4.PK練習(中田も)
  FK練習(中田は行わず)

GK ロッカーティ
DF ゼ・マリア マトレカーノ リバス コロンネッロ
MF ペトラキ オリーヴェ カンポロ ラパイッチ 中田英寿
FW ブッキ

 前日練習は軽めに行って終了。紅白戦は、先週までボランチにいたベルナルディーニに代わるカンポーロとDF陣の連携が主体となった。金曜日の夜から雨となり、これで開幕以来、雨が降らなかったのはサンプドリア戦だけだという。

「ここでは交換式を履く」

 練習終了後、中田にセリエに来てから、天候、ピッチなどとはどう付き合っているかを聞いた。中田は、「雨でない週末がないんだ」と苦笑している。
 ここペルージャは、どちらかというと柔らかな土壌の土地で、荒い砂のような、粘土のような灰色の土が芝の下にある。ぬかるみはあるが、日本はどちらかといえば堅い土のグラウンドに芝をのせており、感覚的にはかなりの違いがあったそうだ。
「雨だとここのホーム(ピッチ)はお手上げになる。軟弱な土壌だから、交換式のスパイクを履かないとプレーができない。でもアウエーでも、例えばサンシーロはまったく問題なくて固定式でやったんでね、こっちに来てからは、まず状況を見てスパイクを選ばないと。ポイントでプレーすることが若干多いよね」と話していた。
 日本では特に攻撃の選手は交換式スパイクを履かず、固定式でプレーをする。もちろん、軽量であること、スパイクの数が多いためにボール扱いが比較的楽にできること、これらが攻撃の選手が固定式を履く理由である。
 しかし欧州、南米では攻撃の選手であっても取り換えでプレーする。ピッチの条件が多様で、滑ったり、転倒したりと、一瞬の、1回のミスが取り返しのつかないことになることも多いからだ。
 中田は普段あまりシューズにはこだわらないタイプである。しかし今回に限っていえば、契約するFILAの担当者がすでに2か月近く、中田と行動をともにしてリクエストを聞き、研究をしている。テーマは軽量、それと天然皮革ではなく人工皮を使用する点。新天地でのミスの重みがどんなものか。中田のシューズに対する姿勢に、それが現れている。

「わたしも観たい」

 25日の試合後に中田を日本代表へ送り出すカスタニエール監督は練習後、「中田が日本代表でどんなプレーをするのか、ぜひ観たい。何とかケーブルでも引っ張ってエジプトの映像でも観られないものか」と、地元のテレビ局記者たちにも要望をしていた。代表での試合はW杯のものしか見ていないカスタニエール監督は、セリエでのプレーを経験した中田がどんなプレーをするのか楽しみだという。
 監督は「明日のパルマ戦は守備重視の非常に厳しい試合になるだろうが、何とか連勝して、いい形で帰国してほしいね」と、中田の凱旋試合に配慮を見せた。
 中田は、25日は午後2時半からの試合終了後そのままローマ空港へ車で移動し、夜半の便で関空に向かうことになっている。28日のエジプト戦後、エンポリのアウエー戦となるため、監督は「31日にペルージャで練習をしてから向こうに行くので、練習での体調を見て(エンポリ戦出場を)判断する」と話していた。
 強行軍などと表現されるが、本人は「そう心配はしていないよ。みんな(代表)にも会うし」と、肉体的には厳しい日程でも、それを楽しむ精神的な「余裕」を持っているようだ。

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