10月25日
イタリア・ペルージャ
天候:晴れ、気温:14度


イタリア・セリエA第6節
ペルージャ×パルマ
レナト・クーリスタジアム
(観衆:約18,000人)

ペルージャ
パルマ
2
前半 2 前半 1
1
後半 0 後半 0
11分:ラパイッチ
28分:ブッキ
キエーザ:1分

先発
GK 28 ロカッティ GK 1 ブッフォン
DF
2 ゼ・マリア
DF
4 サルトール
14 マトレカーノ 21 テュラム
15 リヴァス 17 カンナヴァーロ
3 コロンネッロ
MF
24 ヴァノーリ
MF
25 ペトラーキ 7 フゼール
4 オリヴェ 8 D・バッジオ
21 カンポーロ 15 ボゴシアン
11 ラパイッチ 11 ヴェーロン
7 中田英寿
FW
20 キエーザ
FW
9 ブッキ 9 クレスポ

交代
メッリ(ブッキ)
ソリアーノ(ペトラーキ)
テデスコ(カンポーロ)
オルランディーニ(ヴァノーリ)
バルボ(クレスポ)
スタニッチ(ヴェーロン

 「ペルージャ9位急浮上!」

 ペルージャは、初勝利をあげた前節のベネチア戦から、移籍したベルナルディーニ(ボランチ)に替えてダブルボランチにカンポロを投入。攻撃では高さのあるブッキの頭を有効に使う形を軸に、5試合で無失点の堅守を誇るパルマを迎えた。
 前半開始直後の41秒で失点。しかし、これだけ早い時間に失点したことが、逆にDFを立ち直らせ試合を動かす結果になった。
 10分には、ラパイッチが、カンポロからのパスを受けてワントラップ、振り向きざまに左足でシュートを放つ見事なゴールでまず同点に。その後も、28分には、この1週間、長い時間をさいて練習をしてきた外からのセンタリングに対して、走りながらブッキがこれに合わせてゴール。前半30分間での逆転を果たした。
 後半は完全にパルマに主導権を握られ、逆にペルージャはブッキが負傷退場。交代した元イタリア代表のメッリも2度のフリーでのヘディングを決めることができずに、専守する形になった。しかし、ヴェーロン退場後のパルマは、完全に「攻め疲れ」した格好となり、シュート15本を浴びたペルージャが逃げ切った。
 ペルージャはこの試合で勝ち点を8とし、カリアリ、サンプドリアと並ぶ9位に浮上することになった。

ペルージャ、カスタニェル監督の話
 前半開始50秒で失点した時には、きょうはこれでやられたと思った。しかしそれから選手がよく踏みこたえて、すばらしいシュート2本を決めることができた。きょうの勝ちは、いつもの3倍の価値があるといっていい。連勝で9位に上昇できたことは本当にうれしい。
 
パルマ、マレサーニ監督の話
 最初の点でどうして優位に立てなかったのかわからない。ペルージャは中盤がよく守備をしていた。ここまで5試合無失点で来たDFが、いきなり2失点とはサッカーとは怖いものだ。全責任には私にあり、選手は悪くない。

「中田、ダッシュでローマへ」

 中田は試合後、2連勝を喜び合う選手の輪からは少し離れて、日本代表や平塚で見せていた通りスタスタとロッカーに引き上げようとしていた。しかし仲間たちが次々と中田に駆けよってしっかりと抱き合う。ジョホールバルでW杯出場を決めたときでさえ、みんながはしゃぐ後ろでしゃがみ込んでいたのに、さすがにジェスチャーの大げさなイタリアに来たからだろう、不得意な? 派手なポーズにもお付き合いしていた。照れくさそうな仕草と笑顔は、スタンドからも好感を持って見られ声援と拍手で祝福されていた。
 この試合で得点は決めなかったが、ボランチで起点となっていたベルナルディーニ移籍後の、中盤の主導権をある程度握ることには成功したようだ。つまりこの試合で求められていた最大の任務はこれまでとは違い、「中盤のパスを効果的に回す」(監督)だった。同時にそれが試されていた試合でもある。
 ミスはあったが、逆に優れたキープ力を見せ、相手のマークもファールを連続して止めるだけだった。
 ほかにも、相手の攻守の要で、アルゼンチン代表でもあるヴェーロンからのパスを数回カットするなど、「視野の広さ」を定評のある守備面で発揮し、チームの勝利に貢献した。
 今週は、これまでチームの中心選手だったベルナルディーニ、経験のあったトバリエリが移籍し激動の1週間だった。現在はプレーの核をどこに置き、誰に主導権を握らせシーズンを戦い切るか、という大事な「権力移行」を監督が練っている真っ最中だと見える。決して簡単なことではないが、開幕からわずか6試合で中田にその資格があると確認されたこと、中田が試合前に話していたチーム全体の「自信」が生まれたこと、この2点が連勝の大きな副産物ではないか。
 試合後、日本代表に合流するためペルージャから高速道路を使用して約3時間半のローマ国際空港へ即移動。午後11時過ぎの関西空港直行便で26日には帰国する。合計約20時間の旅になる。連勝で、大阪でのエジプト戦には最高の形で合流することなった。

中田の話 前回(ベネチア戦)に続いてチームが勝てたことが良かったんじゃないか。自分のプレーへの不満というのはいつもあります。具体的には、沢山有り過ぎて…。フィジカルも特に問題はない。エジプト戦への抱負は、まずは新しい代表の初試合なので、なんとしても勝ちたいと思っている。

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