3月26日

「ナイキフープサミット」田臥勇太
(米国フロリダ州、オーランド、ディズニーワールド内体育館)
天候快晴、気温26度

 試合を2日後に控え、この日は午前8時から練習が行われ、フォーメーションなどの確認が行われた。
 田臥は、さすがに疲れたのかこの日は朝食も取らずにバナナを抱えて「これだけ爆睡しているのに、眠くて眠くて……」と苦笑。練習はフォーメーションの確認をするもので大きな変化はなかったが、午前の最後には、オールコートのダッシュで早い順にフリースローを与え、入れたものから練習を上がる、という「遊び」も取り入れられ、リラックスをはかりながらの試合調整に入った。

「ダッシュで勝ったのは初めて」

 オールコートを12人で一斉にダッシュで往復し、上位4人にフリースローを与える、こんな単純な練習だったが、選手たちはここまでの厳しいメニューからフッと力を抜いたように、楽しんだ表情を浮かべていた。
 オールコートのダッシュでは田臥がトップ。フリースロー権を与えられた4人のうち3人が、みんなが見つめる中でのフリースローを外し、4番目の田臥だけがシュートを成功させ、トップで練習を上がった。
 もっとも息が上がった状態でのシュート、みなが注目する中でのプレー、と、遊びの中にも重要な要素はある。監督たちもこうしたものを何気なく見ているわけで、些細なことだが、十分なアピールにはなったかもしれない。
「日本では自分より足の遅い選手なんていませんからね。初めてダッシュで1番になっちゃいました。体はちょっと楽になりました」と、時差、疲労もかなり解消され順調な仕上がりを見せている。
 ほんの少しずつだが、選手同士の会話にも加わり、ほかの選手も田臥の存在を心配し、気にかけるようになった。通訳としてこの合宿に来ているパトリックコーチも、「ユウタにとっていいゲームになるのではないか」と、期待を寄せている。

「田臥は、ジャパニーズ・サブマリン」

 ガンバ監督は、このところの練習で、田臥のプレーを絶賛するために「ユタ、ジャパニーズサブマリン!」などと表現する。彼のプレースタイルについて「深く、味方にも分からないほどに潜行し、突然上がってきて仕事をする。まるで潜水艦だね」と話しており、28日の試合で活躍することになれば、そんなニックネームも与えられるかもしれない。

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