6月15日(エクスレバン・フランス)
午前:トゥールーズからチャーター便にて戻る
午後:5時間から練習。気温18℃
ピッチに円陣になってミーティング、監督の指示で車座に。体操。
14日の先発選手はフットバレー、フリーランニング。バレーの組み分けは中山・山口組対中田・城組、井原・秋田対名波、中西、相馬、名良橋。交代、サブはシュート練習、ミニゲーム。GK川口は腹筋、背筋。


 練習内容は特別なものではなかった。しかし、14日には試合直後の騒然とした中で飛び交ったコメントばかりである。一夜明けてみての練習では、アルゼンチン戦を終えて、ショックなのか、それとも気が抜けてしまっているのか、一体チームはどんな雰囲気でいるのか、それを本当の意味で知ることができる。

「俺は3本打って2本入ったのに」

 チームはクロアチア戦に向けて、少なくとも表面で悟られないほどには「気持ちを切り替えて」いるように見えた。
 岡田監督の目は充血しており、悔しくて一睡もできなかったことはコメントなくても分かった。この日、サブ組の最初の練習は、昨日の試合内容の反省点をそのまま表すかのように、「シュート」から。岡田監督自ら練習とミニゲームに参加し、「積極的」にシュートを打ってスタンドのマスコミ陣から拍手喝さいを浴びた。
 「きょう俺なんて4本で2本入れましたよ。なのに選手たちは20本打っても入れてくれないんだからなあ」と、これはもちろん、メディアにからかわれた後のジョークだが、本音もあっただろう。
 惨敗ではないが、力の差があった。何よりも大きかったのは、ゴールを狙う、という基本的な姿勢、技術ではないか。日本が放ったシュートのうち、枠の中に飛んだのは、わずかに1本だった(城)。  

 グランド上で試合を撮影していた数人のカメラマンが試合後、面白いコメントをしていた。日本選手の「アクション」(プレー中の写真)を送信しようとして写真を見ると、攻撃の際、ほとんど背中を向いていて、いい(アクション)の写真がなかった」という話しを何人かに聞いた。つまり、前を向いた迫力ある場面はなく、ほとんどが背中を向けてしまっているというのだ。

 岡田監督は「センタリングの精度とか、パスの正確さとか色々言いますが、そんなあつかましいこと(すぐに上手くなるということ)言っても仕方ない。ただ、それ以外の手段でもうちょっと攻撃をやりたいと思っている」と、基本的にはやり方は変更しないと話している。中山に裏を取らせる、としていた攻撃パターンもついに一度もなかった。また城についても昨日ほどDFの役割が大きくなってしまっては、攻撃でそれほど有効な動きができることはない。そうなると、残る修正点はMFになるのではないか。

 「練習のやり方も少し変えて行く。何をやりたいか、それは言えません」

 クロアチア戦まで中4日。1勝1敗1分けの最初の目標には十分過ぎるほど、時間も気力も残っている。15日の練習はそれを示していた。

「秋田のバティ封じは」

 秋田が15日夜に会見に出席し、アルゼンチン戦、クロアチアに向けての気持ちなどを話した。(抜粋)

バティについては?
秋田>イメージ通りでした。自分が試合中、絶対に切れまいと全神経を集中させるのは、だいた10くらいなんです。昨日はそれで大丈夫でした。身体能力とかは、やはりエムボマたちの方が上ですね。彼らはこちらの感覚の上を行きます。

結果については?
秋田>残念な結果でした。チャンスがあっても、僕自身決めることができなかったし、少ないチャンスとはいえ、それが入るか、外すかそれがアルゼンチンとの、つまりはW杯というものの実力をはかるものになるでしょう。向こうも慎重でしたが、どうしても勝てない、という気は最後までしなかった。集中力とかではなくて、むしろ、気温が(エクスレバン)ずっと低かったのに、急に上がったので最初は体が切れなかった。

クロアチア戦については?
秋田>夕べの試合は、あまりじっくり見なかった。サッカーのことは、せめて夕べくらいあまり考えたくなかったからです。でも、もう気持ちは完全に切り替わっています。じっくり崩してくるチームでアルゼンチンとはまた違う、どちらかといえばこちらの方がやりやすいと思っている。どういうチーム状態であれ、一度(昨年キリン杯)勝っているのは大きいでしょう。それと、昨日の(14日)試合を見られたのは、もっとも最近の情報なので非常に良かったと思う。

惜しい、という声もありますが
秋田>惜しかった、だけではどうにもならない。あのヘディングは(ポスト)を狙ってました。相馬が追いつかなかったのは、自分の技術がまだまだだったから。でも、中山さんは、相馬と僕に「おれが出てれば、絶対あそこで追いついていたんだよ、全く」とか言ってましたよ(笑い)Jリーグもキリン杯も、W杯もサッカーの試合をすることでは何も変わらない。そういう気持ちで残りにベストを尽くす。

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