6月13日(トゥールーズ・フランス)
天候:晴れ時々曇り、気温16℃
練習メニュー(試合会場のスタジアム・ムニンシパル):体操、20分の紅白戦、各自シュート練習


「舞台の感触は?」

 日本代表は午前10時過ぎに競技場に到着し、約1時間の練習を行った。
 注目されたのは、芝の状態。岡田監督は「思ったよりもやりやすそう」とコメントし、ボランチの山口素弘(横浜F)は、「これの方が滑りやすくて非常にやりやすい。これなら日本の良さを生かしたスピード攻撃もできる」と、笑顔を見せていた。
 練習後、中田とシュート練習を行った中山雅史(磐田)は、「芝が滑る。ポイントをはいていても、芝ごと一緒に持っていってしまうくらい柔らかい」と芝の感触を説明。シュート練習は、岡田監督も練習後に話していたが、「裏を取る」シュートのため。中田との会話について聞かれると「中田君は厳しいです」と笑いを誘って、「色々と教わることがあるし、話しをしてタイミングなどをはかりたい」とした。お待ちかねのゴン節、は最後。「アルゼンチン?、タンゴの手ほどきでもしてやりますよ」
 一方、DF陣では、井原正巳が芝の感触について、(横浜M)「とても滑りやすいので、DFはちょっとしたミスにも注意をしなくてはならない。本当に気を抜けない」と表情を堅くした。日本の攻撃陣にとっては、速い芝の方が、かねてから岡田監督が望んでいたようにスピードを生かしたボール回しを展開できる。
 しかし、逆にスリッピ―になるために、DFにとっては厳しいものになる。前日の会場での練習で、攻守の要は、対照的な感想を口にしており、印象的だった。
 アルゼンチンを前にすべてのセッションを終えた。
 帰り際、バスの最後尾にいた井原が、窓から親指を立て笑顔で「OK」のサインを送って来た。選手全員、ピッチにもそういう気持ちで本当の意味で「楽しんで」欲しい。それを見たい。

「カズがいないのは…」

 練習後、岡田監督が外国プレスを交えた会見に応じ、「いつもと同じにやるだけ。W杯は自分にとってただの国際試合に過ぎない。その国際試合ですごく強いチームと公式戦で戦える。それだけ」と淡々とした様子だった。さらに、外国メディアにはもっとも知名度が高いせいか、「カズはどうしてここにいないのか」という質問にも、「わたしが選ばなかったから」と応えるなど普段と変わらない様子だった。
 また試合のポイントについて、「最初の20分をいかにプレーするかにかかっている。何度も何度もシュミ―レーションしている。もし先発が外れても、だからといって戦い方に変化が出るものではない」と自信をみせた。
 まずは最初の20分、いかに相手の攻撃を封じるか、あるいは、こちらが先制点を奪うか、とにかく立ちあがりが、すべてを決めることになる。

「選手の試合前コメント」(13日午前)

井原 心の準備はできている、じたばたしてももう始まりません。岡田監督が使ってくれるのを待ちたい。

秋田 バティストゥータが出ても出なくても、あまり気にしていない。クレスポでも同じこと。この3か月、アルゼンチンを止めようと、研究をして来た。バティは身長だって3センチくらいサバを読んでるって言う話しだし。あしたの結果だけが問われるのではなく、これまでの準備すべてを含めた勝負になると思う。

中西 自分の力を信じて思い切りやるだけ。でもアルゼンチン戦のことを考えると、夜眠れるかどうかわかりませんね。(ちなみに清水のアルディレス監督は、初めてのW杯で3日くらい眠れず、監督に告白したら、大丈夫、心配するな、出場全選手が寝てないから、とあっさりいわれた、という話しを昔していた)

山口 芝がやりやすいので良かった。問題ない。これで日本のよさを十分に生かせる。

  調子はまあまあ。調子?それはあしたのぼくの動きを見てくれればわかるはず。(先日書いたが歯のかみ合わせの具合で、やはり気になっていたそうで、帰国したら、マウスピースを特注することになったそうだ。最近はFIFAもマウスピースの着用は見とめる方向になっている)

中田は海外のプレスの会見にのみ応じた

 先のことを考えてもし方ない。それにまずは自分が出場しないことには、話しにならない。まずは1戦1戦集中することだけを考えたい。クロアチアもアルゼンチンも上手いチームで十分知っている。

(バルセロナが君に興味を持っているという質問に)
「全然知らない」

(あなたは非常に個性的だといわれているが)
「個性というのは人それぞれで、自分が特別だと思ってない。金髪?個人的な質問には答えたくない」

「朗報、か焼け石に水か」

 こちらでは、市長が「キップのない日本人の観客のみなさんに、大画面を見られ場所をつくり、そこに席を設置したい」と発表。5000から7000席の準備を進めている。この日の練習にも100人以上のサポーターが詰め掛け、バスの出入りだけのために声援を送った。こちらの警察は本当に逮捕をして拘留もする。どうか無駄ないざこざや事故に巻き込まれませんように。

「問題なし」

 12日、足首の捻挫、太もも打撲など様々な情報が駆け巡ったバティストゥータ(アルゼンチン)は、公式練習に参加し、全く同じメニューをこなした。「足首は以前にやったもので、わたしにとって何も問題ないもの」と、地元のテレビにコメントした。

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