3月13日

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サッカー

日本代表メンバー発表

 サッカー日本代表のウクライナ戦(21日、キリンチャレンジカップ2002、大阪・長居陸上競技場、18:00キックオフ)と、27日に行われるポーランド代表との親善試合のメンバーが発表された。
 ヨーロッパでプレーしている川口能活(ポーツマス)、中田英寿(パルマ)、稲本潤一(アーセナル)、小野伸二(フェイエノールト)の4人については、ポーランドで合流。ウクライナ戦には22人が選ばれ、三都主アレサンドロ(清水)と小笠原満男(鹿島)が代表に初選出となった。
 日本代表は18日から合宿を行い、21日の試合を挟んで、22日から再度、ポーランド戦へ向けてのトレーニングキャンプに入る。なお、ヨーロッパへの出発は23日、帰国は29日の予定。
 代表メンバーは下記の表の通り。

代表選出についてのトルシエ監督コメント(抜粋):
「昨年最後の試合となったイタリア戦で、私たちはさまざまな試みに成功し、私も満足できる結果を手にした。もちろんサポーターのみなさんの反応にも感動し、新たな野望を抱くことができるようになった。今回のメンバーについて、故障や呼ばなかった選手もいるが、これがラストチャンスではない。5月21日、最後に23人のリストを発表する日まで、選手には夢を見てがんばってもらうためのスペースは残されている。重要なのは組織としてのバランスで個人技ではない。組織としてのバランスを見極めているので、あくまでも現在はチューニング、F1でたとえればシューマッハがエンジンを暖気するような状態である。
 鈴木(秀人)は敏捷性があり若さもある。今回、志の高さを見せてくれるだろう。大岩は、ギャランティのある(保険となる)選手だ。しかし、今回選ばなかった秋田、中澤、山口にプレーのクオリティに問題があるわけではないし、そう伝えてある。三都主、中田(英寿)は、私のラボ(実験室)を経験していないハンディがあり、順応性では問題があるかもしれない。しかし心配はないし、森岡、服部の不在も影響はない。左サイドは、本山、中村、服部、名波、三都主、小野とすでに6人のグッドなプレーヤーがいる。しかしW杯に出られるのは、少なくても3人である。タクティクス、人間性、心理面でバランスが取れていることが重要で、一緒になって代表チームを作りあげたい」

 選手  生年月日    cm/kg  所属
Goalkeeper
楢崎正剛
曽ケ端 準
1976.04.15 185/76
1979.08.02 186/78
名古屋グランパスエイト
鹿島アントラーズ
Defender
大岩 剛
鈴木秀人
波戸康広
宮本恒靖
松田直樹
中田浩二
1972.06.23 180/75
1974.10.07 180/68
1976.05.04 178/70
1977.02.07 176/70
1977.05.14 183/78
1979.07.09 182/74
ジュビロ磐田
ジュビロ磐田
横浜F・マリノス
ガンバ大阪
横浜F・マリノス
鹿島アントラーズ
Midfielder
森島寛晃
伊東輝悦
福西崇史
三都主アレサンドロ
戸田和幸
明神智和
中村俊輔
小笠原満男
市川大祐
1972.04.30 168/62
1974.08.31 168/72
1976.09.01 181/75
1977.07.20 178/69
1977.12.30 178/68
1978.01.24 173/66
1978.06.24 178/69
1979.04.05 173/68
1980.05.14 181/68
セレッソ大阪
清水エスパルス
ジュビロ磐田
清水エスパルス
清水エスパルス
柏レイソル
横浜F・マリノス
鹿島アントラーズ
清水エスパルス
Forward
鈴木隆行
西澤明訓
久保竜彦
柳沢 敦
高原直泰
1976.06.05 182/75
1976.06.18 180/71
1976.06.18 181/73
1977.05.27 177/75
1979.06.04 181/75
鹿島アントラーズ
セレッソ大阪
サンフレッチェ広島
鹿島アントラーズ
ジュビロ磐田


トルシエ監督のコメント「昨日の件について、どれくらい申し訳なく思っているか、お伝えしたい。みなさんが練習に参加できなかった、つまり会社の監督や、番組に対してもご迷惑をおかけしたことをお詫びします。サッカーは、毎晩わずか4秒だけ(スポーツニュースで)取り上げていただいていると思いますが、みなさんの仕事の内容を考えれば、大変申し訳なく思っています。
 ただ、将来的にこうした問題が起きないように、私はプロとしてのお付き合いをしたいと思うので、今後は一切の練習を非公開とすることにします。FIFAルールにのっとって試合前後の練習の12分を公開し、ほかには私の特別なはからいによって、“今日は特別に練習を見せる”ということにしたい。この件については、これで結論にする」


「厳重注意処分」

 日本サッカー協会強化推進本部は、代表が発表されたあと、臨時で会議を開き、公開するとしていた12日の練習が非公開になった点などを重視して対応を検討した。
 この結果、トルシエ監督、強化推進本部の統括となる加藤彰恒氏、プレスオフィサーの加藤秀樹氏3人に対して「危機管理の点で、メディアに対する非礼が明らかだった。公開としていながら実現できなかった」と、厳重注意処分を課すことを決めた。また、選手のインタビューなどは従来通りに行うことをあらためて確認し、トルシエ監督がこの日の代表発表で話した「FIFAルールで、一切の練習を非公開とする」というのは問題があるとした。
 ただし、選手の疲労度や熱中度によって非公開は多くなるだろう、戦術、セットプレーなど日本が勝つために協力をお願いしたい、と、これまで通りの要請をした。

 協会関係者は「練習を公開するか、しないかの権利が今回の論点ではないし、これまで4年近く、メディアには(非公開について)十分に理解、協力してもらう中で、監督の望む非公開練習を最大限に尊重してきたと認識している。今回は、さまざまな協力を紳士協定として要請しながら、こちらがそれを実現しなかった点を重要視しているし、当事者たちには厳重注意は、非常に重い処分であると受け止めてもらいたいし、協会も重大な問題であったと考えている」と、事態の収拾に対して早急、かつ慎重な対応をする姿勢をみせた。
 強化推進本部の木之本副本部長は、強化推進本部の組織作りそのものの再検討をすることも明らかにしており、監督のサポート体制と、スポンサーやメディアとの関係の接点を探る作業が行われる。



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