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シドニー五輪男子体操公開練習日 男子総合で、ロス五輪の具志堅幸司氏以来の金メダルを狙う塚原直也(朝日生命)らが合宿中の体育館で会見に応じた。夏バテで体調を崩している塚原も緩急をつけた練習を行いながら調整段階に入ると話し、心配された発疹の影響はないようだ。 「ゼネラリストとスペシャリスト」
塚原は男子個人総合金メダルという、月面宙返りで世界中を驚かせた父・光男氏も果たせなかったタイトルに挑戦し、「カサマツ跳び」の生みの親でもある茂氏を父に持つ笠松は、吊り輪、平行棒を除く4種目での種目別にかけている。父たちの時代、ミュンヘン、モントリオールといった70年代の日本体操陣の黄金時代から20年、ゼネラリストとスペシャリストの対比はユニークである。 塚原は万能型の選手として、恵まれた体格を持ち、さらにアンドリアノフ(ロシア)というかつての世界チャンピオンで、父のライバルに英才教育を受けてきた。父のアドバイス、アンドリアノフの指導は、かつてのサッカー少年を金メダル候補にのし上げた。 今も、父は常に傍にいる。そんな父は息子を「努力の男」と評する。 一方、笠松は父には体操を教わっていない。父は苦笑する。「私に似て、腕力がない」と。同じ年代の選手と比べても力技は見劣りする。強豪校に属さなかった高校時代には、父のクラブにあるビデオ、教則本を徹底的に読み、「人と違った技の見せ方」を独学する。圧巻なのは、300近くもある体操の技の数々を教本から学んだこと。それは同時に採点規則を学んだということでもある。笠松は審判の得点法を子供の頃から知り尽くし、非力を理論武装で補ってきた。 「器具に慣れる」 男子の合宿はほぼ2か月にも及び、その目的の重要な部分を占めたのは五輪本番の器具に慣れることだった。 |