7月26日


Jリーグ2ndステージ第6節
横浜F・マリノス×柏レイソル
(横浜市三ツ沢公園球技場)
キックオフ:19:04、観衆:10,863人
天候:曇、気温:25.0度、湿度:82%

横浜F・マリノス 柏レイソル
1 前半 1 前半 0 0
後半 0 後半 0
13分:柳 想鐵  

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 前節のC大阪戦を4-0と完勝した柏はこの試合で上位戦線浮上のチャンスにかけたが、立ち上がり15分での課題だった先制点を奪えず、逆に13分、C大阪戦から復帰したGK南雄太のキックミスからボールをユーリッチに奪われ、これが柳想鐵に決められ苦しい展開となる。中盤での動き出しも遅いため横浜の中村俊輔、遠藤彰弘らにボールを支配されてしまった。

 後半には、FW北嶋秀朗がゴール前で粘ってゴールを奪ったかに見えたがオフサイドと判定されノーゴール。西野朗監督も試合終了までに3人の交代枠をフルに使うなど局面の打開を試みるが、結局前半13分のミスからの失点を取り戻すことができずに敗退。シュート8本を決めることができなかった。

 一方横浜はこれで勝ち点を9に伸ばし、第1ステージ大逆転優勝のメンツを少しずつ回復しつつある。

横浜・アルディレス監督「勝ってよかったが、レイソルとうちにはそう大きな差異はなかったのではないか。前節のG大阪ではいい内容の試合をしながら負けてしまったが、サッカーならそういうことはよくあることだ。きょうは気分がいいので、カラオケで歌いたい」

柏・西野監督「(C大阪からのいい試合を)継続することが大事だった。動き出しが悪かったのは事実で、そのために中盤でのボールを取っても前につなぐことができなかった。相変わらずフィニッシュするための課題が残ったが、きょうの問題はそれだけで、守備でも攻撃でもいい部分はあった。南は致命的なミスをしてしまうなど集中力がなかった」

3試合連続13得点目の柳「怪我は95%OKだし、非常にいい状態に仕上がってきている。自分の得点が増えることが、チームの勝利とともにあること、そのときが最高の状態だといえる」

 試合を観戦した2002年強化推進本部副本部長の木之本興三氏は試合後、トルシエ監督の来日が、コンコルド機の墜落事故のために遅れたことに触れ、「27日に伸びたようで、もしかするとそのまま(空港から)強化担当者会議に(監督が)顔をだすかもしれない。最初だし、早く話し合いたい」と話した。同氏は「お金(契約金)は弁護士と協会の話し合いだからあすの話題ではないが、やはり事務局全員がバックアップする、何かあったら外に言わないでこっちに言ってもらいたい、俺たちは敵じゃないんだ誠心誠意支援するんだから、という話をしておきたい」と、全面的な支援を約束した。

 試合を観戦した山本昌邦コーチ、サミア、望月GKコーチらとも、契約期間の10月までは一丸となってともに仕事をすることを確認したという。
 また山本コーチは28日、北京に飛んで中国対韓国の親善試合を観戦する。

「気持ちよりも体を前に」

 中村俊輔を封じるために、西野監督は試合前、「彼が後ろに(ボランチの位置まで下がって)立てばこちらもやりやすい。マークをがんがんつけるよりは、ゾーンでしっかり守ること。気持ちよくプレーをさせては絶対にいけないから」と注意を促していた。

 しかし、中村はこの日、後ろに立たずに、ある挑戦をしている。
「守備の時間を少し減らしてでも──今まではチームを勝たせるっていうことなんで考えたけど、そういうことと、自分をもっとアピールするためにもちょっとでも前に飛び出してボールを受けることをやってみた。もちろん、周囲のカバーあってのことだけど、結果的にいいチャレンジができた」
 試合後はそう話して、下がらずに、前で受ける意識を90分持ち続けたことを自ら評価した。

 中村が2メートルでも3メートルでも前にボールを受けるために飛び出すことによって、レイソルの守備陣は結果的に低い位置での攻防を強いられた。
「マリノスが高い位置でしかもワイドに展開してきたことで、うちは低い位置でプレーせざる終えなかった。しかも動きだしが遅く、ボールを前に出せずに終わった」と敗因を話した。サッカーはほんのわずかなポジショニングで変わるとはよく言われるが、前節4-0で大勝したチームを苦しめたのは、中村をはじめ「少しでも前で」を徹底させた横浜の選手の意識と、実際に取ったポジショニングだった。

「前へ前へって、おれはもうセンターフォワード(本来はボランチ)かというくらい、気持ちじゃなくて本当に前に立ってないとアルディレス監督に試合中どやされる」試合後、遠藤も苦笑していた。対して、柏の南は、五輪代表候補にも復帰し、気持ちは31日からの合宿に向け、前へ前へと向かっていたのかもしれない。しかし、その気持ちが、空回りし、結局、痛恨のキックミス、しかも試合中3本も同じ凡ミスを繰り返すなど、心ここにあらずという状況だった。

 第1ステージの覇者が、どうやらバックラインからじりじりと前へ、動きだしたようだ。次節は名古屋と対戦。現在首位の鹿島との直接対決も残す。

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