![]() |
![]() |
札幌国際ハーフマラソン シドニー五輪女子マラソン代表の高橋尚子(積水化学)が、五輪前としては異例でもある国内公式レースに出場し、1時間9分10秒で優勝を果たした。自己記録は1時間8分55秒だが、5月から米国ボルダーで練習を続けており実践練習で現状を正確に把握するのが目的。2位は、南アのエレナ・マイヤーで1時間9分53秒、3位は野口みずき(グローバリー)が1時間10分36秒だった。 「マル!」
「ヨーシ、カントクこれでご褒美ですね」 レース前、監督の目標設定タイム1時間9分20秒をもし切ったら、何かご褒美でも、と監督と約束していたことを高橋は真っ先に口にした。 「お、覚えてんのか、仕方ないなあ、うまい寿司でも食いに行くか」 体感気温が30度を越え湿度も北海道らしくなく60%以上、さらにレース中のにわか雨でさらに湿度があがる悪条件のレースさえ、この師弟にとってはまさに「練習の一環」に過ぎない。ゴール直後の他愛もない「日常会話」に、このレースの位置付けと現時点での目標達成の充実感が現われていた。 1時間9分10秒という記録も、マラソン練習もまだ3〜4割程度で本格的ではない段階であることを考えれば十分な出来といえる。小出監督が予想していたのは9分20秒。これとわずかに10秒、しかも速くゴールに戻ったのだから、合格点も合格点、思わず安堵の「○」印が出たのだろう。 「きょうは、どこまで行けるか、まあ死んだら死んだで仕方ない。こうやって足さえ動かしていればいつかはゴールに着くんだからって。次の5キロは次の5キロの風が吹く、そんな気持ちで走りました」 <短信 女子10,000メートル・川上優子が日本新記録> 陸上女子長距離の川上優子(沖電気宮崎)が、1日、米国メイン州で行なわれた「ニューバランス・メイン陸上競技大会」10,000メートルで31分9秒46の日本新記録をマークした。従来の日本記録は、鈴木博美(積水化学)が96年にマークした31分19秒40で、これを10秒近く更新する好記録だった。川上は、ツル(エチオピア)らスピードランナーとともに前半の5,000メートルを15分33秒で通過した。 |