11.スタータとしての添加剤

 発酵のスタータとして薄力小麦粉を使う事が多いようです。薄力小麦粉を加えて
事前発酵を行う場合、重要なのは薄力小麦粉の蛋白質より澱粉質で、基本的に糖質
を分解消費する菌(麹菌、酵母菌等)の増殖、活動を促す為です。添加剤無しでも
発酵しそうですが、発酵の目的を考えると変な菌が蔓延するのを防ぐ意味でかかせ
ないと考えます。ただし、発酵マット本来の目的であれば、その量は必要最低限で
使用するのが望ましいでしょう。過ぎた量の添加剤は過度の発酵促進や長期に渡る
発酵を誘発する可能性があるからです。諸先輩方の処方を見ると発酵目的であれば
3〜10%の範囲で十分の様です。

 パン作りなどで酵母の活性を上げるのに砂糖を使います。確かに酵母の活性を
上げるには絶好のスタータです。でも発酵マットには刺激が強すぎる気がします。
砂糖は簡単に分解使用されてしまう為、意外に時間をかけて管理する発酵マットの
場合、あっとゆう間に酸素不足が起こりアルコール発酵に向かうかもしれません。
糖質を分解する菌の活性が低い時や温度が低い時などはイーストの添加と合わせて
有効な手段になる可能性も秘めています。澱粉質が有効なのなら、それこそ澱粉は?
って話になりますが、スタータとしては行けそうな気がします。やった事がないの
で結果が分からないのが苦しい所です。あえて言えば物によって澱粉質の粒子の大
きさが異るので、量の加減も分からないし、発酵速度や過程が変るかもしれません。


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