オオクワガタの変態サイクルと積算温度についての一考察  (Page 4/8)

k−sugano



オオクワガタの変態サイクルと積算温度

では、オオクワガタの変態についてはどうなのでしょうか?
筆者は1991年回収の個体群について検討した結果、現時点では以下の2条件によりオオクワガタの変態サイクルは規定されていると考えています。
1992年度は前年幼虫の羽化で忙殺され採卵数を押さえましたので、1993年回収の個体群で追試をしましたが考察結果とよく合致しています。

条件1     (単位:度×月)

    有効積算温度 =Σ(t−13)  t=月平均温度 ただし、(t−13)≧ 0
    必要とされる積算温度
       若令(初令、亜終令 計) ♂♀とも約24
       終令 ♂ 約55、 ♀ 約40

条件2

    環境温度が摂氏19度以下では蛹化できない。

 つまり13度を超えるときだけ、その超えた部分が積算温度に加わり、13度以下の場合は積算温度に加えることがないのは勿論、(13−t)が積算温度から減算されることもありません。

順を追って見ていくことにしましょう。

<図−4>は東京の年間月別平均気温をグラフとしたものです。
空調(暖房・冷房)の無い室内で飼育した場合を考慮し、平均気温に2度を加えたものを飼育上での温度と想定してあります。グラフ上の紺色の太いラインがそれです。本来ならば筆者の居住している場所のデータを使いたいところですが、東京の気温で代用しております。


 

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