オオクワガタの変態サイクルと積算温度についての一考察  (Page 3/8)

k−sugano


もし、有効積算温度加算分岐点tを考慮にいれない場合を検討しましょう。 <図−3>がその簡単なモデルです。


上段が加算分岐点 がある場合。そして下段が無い場合です。
STAGE1からSTAGE2への変態を考えるとき、上段のケースでは、青い部分が積算されます。それに対して下段では赤い部分が積算されます。
このように見た場合、下段では総面積Bが大きすぎて、青い部分Aに関わる変異量が全体Bの中に埋もれてしまうのが一目瞭然で理解できるでしょう。

では、加算分岐温度 が存在するとして、その温度 を下まわる部分(下段の黄色い部分)を有効積算温度から控除(マイナス)するのではないか?という考えをお持ちの方もいるかもしれませんが、次の2つの理由でわたしは採用しません。

 理由1:寒い地方ではマイナス部分が大きすぎて、有効積算温度の加算がほとんど進まない。
 理由2:ギフチョウなどは、春に急激に寒い日が続き、一気に温度が上がったとき一斉に羽化するが、このような実例になじまない。

 

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