美しい死体処理方法入門(2) 実践編   Page3/4

k−sugano

タトウ(四角紙)と脱脂綿を使った整形

ここからの処理は大きく分けて二つある。

1つは脱脂綿の上に置いて整形し、タトウに包んで保存乾燥させながら時々修正を加える方式である。これについては
オキナワビートルズさんのホームページhttp://www.cosmos.ne.jp/~oki-tc/make-speci/speci.html
で詳細に述べられているので参考にして欲しい。

簡単に紹介するとfig-20のように紙を折って中央の部分に脱脂綿を敷く。

fig-20

その上に虫を置いてピンセットで脚や触角を整形する。(fig-21)

fig-21

虫の体が水平になってることに注意する。また、クワガタムシは頭が下がると格好悪いので頭部の下に脱脂綿の枕をしておこう。

fig-22

あとはfig-22のようにタトウを包んで保管する。時々開いて整形修正する。

標本への針の刺し方

2つめは展足板を使う方式である。 この方法では最初に標本に針を刺すが、タトウと脱脂綿を使ったやりかたでも最後はやはり針を刺すので参考にして欲しい。

まず虫の背中に針を刺す。この針は前回紹介した「志賀昆虫普及社」の有頭針が品質も高く安価なのでお勧めである。
使用する針の号数(細いものほど番号が小さい)は好みの問題だが、近年は細いものが好まれているようだ。わたしはコクワガタなどでは2号、オオクワガタでは3−4号、海外のオオヒラタなどは5号を使うこともある。
志賀針はそれほど固くないので、針を刺す時先が曲がることがある。そのため、前回紹介した通称「ナイロンヘッド」という高価で固い舶来品を、ガイド穴を開けるためにだけ使うということもある。

fig-23

いよいよ標本に針を刺そう。fig-24のように左手で虫を持ち、右手で右鞘翅に針を刺す。差す位置は決められているわけではないが、大体の場所は慣行として決まってるので、図鑑などを参考にして欲しい。気をつけるべき点は、腹部に飛び出た針が中脚にぶつからない様にすることである。


fig-24

腹部に針を貫通させる前に、針が垂直であるかどうかを確認する。( fig-25, fig-26 )
貫通させた後で刺し直すと、腹部に余計な穴が空いて見苦しい。

fig-25

fig-26

垂直であることを確認したら針を腹面に貫通させる。( fig-27 )

fig-27

一体どのくらい差し込めばいいのだろう?
諸君、安心してくれたまえ(^^) そのようなグッズもあるのだ。fig-28に示す平均台がそれだ。

fig-28(平均台)

fig-29のように標本を逆さにして平均台の太い穴に入れる。この穴に一杯に入れた針の長さが、すなわち標本の背中から針の頭までの長さとなり。この長さを揃えることになる。
ついでだが、他の穴はラベルの高さを揃えるのに使うのだ。

fig-29



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