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三井の、なんのたしにもならないお話 その四十一

(2015.03オリジナル作成)



 
 
 スマホを買わんの記 −わがモーバイルPC格闘史20年 Tablet, is this versatile and convenient?

2017.11記述



タブレット、買ってみました


 言ってるそばから矛盾することをやるというのは、私の得意技だけでもないでしょうが、「君子は豹変す」などと涼しげに言うほどの度胸も度量もないので、まあ新しもの好きというだけでしょう。

 
 スマホやタブレットなど手は出さん、買わんと言いながら、タブレットを買ってしまいました。先にも記したように、愛用してきたUSBスティックタイプの通信端末が強制終了で、代わりにwifiルータ端末が来たので、それならUSBコネクタスロットを占領されない、タブレットも利用範囲になる、そう考えての判断だったわけです。
 
 しかし、さあと調べてみると、もう世の中、スマホどころかタブレットもAndroidばっかし、まあwebページ見る、情報検索するというのと、メイルの読み書きだけ、そうなればOSがなんだろうが同じじゃないという判断なのでしょうが、やはり私にはPCは仕事の道具、それにふさわしいアプリ等使えなくてはというところにこだわり、windowsマシンを探しました。アプリも適宜ダウンロードしてという発想になじめないこともあります。

 ところが、もうwindowsのタブレット機というのは、スマホ同様に絶滅寸前なのだということもわかりました。ひとり、MS社のみはさすがにこだわって出し続けていますが、これはバカ高いことも特徴で、そんなタブレットなどほしくもありません。それならPCだよと当然なりましょう。Winタブレットを出していた日本メーカーもほぼギブアップしたようです。じゃあ、PCとタブレットの中間的タイプ?それがRZじゃないですか。

 
 ということで、残る選択肢は中古機?でも中古でタブレットなど買いたくもありません。その隙間の援軍を見つけました。○○ぱらというところで売っているストアブランド(?)のタブレット機というのがまさしくWin機で、ほぼ期待したような機能を備えています(実はここでは、「現代のUMPC」GPD -WINも売っていたのですが、さわってはみたものの、手は出しませんでした)。そのシリーズ中の、あまり大きすぎず、また一通りのスペックを有した、Diginnos DG-D09IW2SLという機種です。Atom x5-Z8500 1.44GHzプロセッサー、メモリ4GB、ストレージドライブは64GB、画面は8.9インチ1920×1200ドット、USB3.0とmicroUSBスロットおよびミニHDMIを持ち、またmicroSDスロットもあります。AC電源はこのmicroUSBスロットにつなぐという、いまどきのモーバイルスタンダードです。このごろのデジカメもそうですな。それで本体の重さは495gとなっています。

 この本体に、MS-Office 365日ライセンスインストール、それから標準オプションのbluetoothキーボードとケースをつけ、合計39,204円でした。かなりお買い得の観です。ただ、代金を払ったら現物が出てくるのではなく、要するにBtoOで、発注とインストールに入るのだそうで。




 
 それから一週間、頃合いを見計らって店に行ったら、ちょうど私の注文品を配送の段ボールから出しているところでした。どんぴしゃですな。



 
 さて、これは当然のようにWindows10機です。今さら、数少ないwindowsタブレット機のうちからWin7機を探し出すなどというのも神業に近いので、10で我慢するしかありません。それだから買いたくないと言ってきた手前、越えてはならない一線越えた観ありです。まあ、スマホやタブレットに色目を使ったのがWin8以降とも言えますから。
 
 それから、セットアップと使いこなしへの慣れと、なんやかんやは案の定苦闘の連続になりました。なにより、あの腹立たしいWin10のトップ画面、意味ない、不愉快な「タブレットモード」なる表示と要らない機能の数々をいかにして切り抜け、デスクトップに行き着くようにするか、これが一苦労です。ただ、それも比較的単純な指先操作の繰り返し、さらには機械の学習によってか、簡単に行き着けるようになりました。そのうえで、私の常用ソフトたる一太郎、そのおまけのメイラーShuriken、英治郎英和辞書といった要るものを、ともかくインストールしていき、なんとかおさめました。アプリソフトのインストールには外付けのBDドライブを用いましたが、USB3.0への接続でなんなく動きました。ブラウザにはこれまた常用の、異端Operaをダウンロードでセットしました。こういうのは慣れたものでないと、操作に困ります。ともかく、デスクトップ画面は実にシンプルですよ。

 
 しかし、この間にやらかした失敗の一つは、Windowsセットアップ中に、パスワードを入れてしまったことです。PCより容易迅速に立ち上げられるのがタブレットの意味だと思っていたので、これはまったく余計なことでした。けれども、これを回避する修正方法がわかりません。近ごろのことで、ネット上に策を発見して、それを試みたのですが、やっぱり立ち上げ時に毎回パスワードを要求されるのです。腹立たしいことです。そのたびに、スクリーンキーボードが出てくるので、それでパスワードを入れているものの、操作には不安感もあります。これを経ないとトップ画面に行き着かないのですから。

 
 さらに、ワイヤレスキーボードはもっと面倒でした。bluetoothでつながるわけですが、そのセットアップ中に単純ミスをし、これじゃ扱えないよ状態に陥ってしまいました。ペアリングなる過程で、タブレット側に表示されるパスコードなるものをキーボードで入力する、そこでつい勢いで、コードを入れないうちにエンターしてしまったのです。以後どうにもつながらない、なんのことはないお邪魔虫かと落胆したのですが、これもネット上に同じ問題の解決策が転がっていました。その裏技のような方法で、なんとかペアリングできたのです。

 そのせいでもないでしょうが、タブレット起動時に、そのままキーボードがつながるとはいきません。これまた何度もbluetooth出力を試み、そのうち思い出したようにキーボードが使えるようになっている、どうもそういうパターンです。キーボードには電源スイッチといったものはないので、はてさてです。bluetoothにはワイヤレスキーボードが設定済みになっているのですが。ときには、いきなりキーボードがつながっていて、タブレットのパスワードがそっちから入力できてしまうこともあります。スクリーンキーボードより楽だし確実なので、そうあってほしいものですが、毎度毎度にはなりません。なんだかよくわからないものです。


 


 スマホ、タブレット的な指先タッチ動作はたしかに慣れると楽なところもあります(特に、web画面のスクロールとか)ものの、それがはなはだうまくいかない面も少なくありません。ブラウザ画面上の表示をクリックするといった操作には、指先は容易になじんでくれないし、誤操作も当然起こります。それ以上に困ったのは、Win的操作になじみやすく特化しているクリックボタン動作です。正直無理な観です。クリックボタン中心に組み立てられたアプリ、特に私の場合Shurikenメイラーで、これを指先で操作するのはほとんど無理とすぐにわかりました。

 メイル読むのはモーバイル作業の主要目的の一つなので、これは困ったことです。この際、Win10におまけでついている、ただの「メール」という名の奴、これまた設定操作のしにくさ、勝手な動作が天下一品なのですが、立ち上げると自動で新着メールを読みに行ってくれるので、そこは手間は要りません。しかしShurikenでは、ともかく「新着メール確認読み込み」などの各動作に入るためのクリックを容易にできないので、困るのみです。これに限らないでしょう。「一太郎」もそれに近いものです。「MS-Word」なども同様ですが。PC的なマウス・カーソル操作とボタンクリックというつくりのソフトは、Win10には適さないのです。

 
 それではということで、画面をタッチするスタイラスペンというのも試みました、だいぶ昔に、SHARPザウルスやW-ZERO3、はてはLooxU/B50などの画面操作用に買ってあったのも試みたのですが、原理が違うのかうんともすんとも言いません。仕方なく、新たに買ってみたものの、これの操作感は抜群に悪いのです。せめてクリックボタンをピンポイントでいじれればと思うものの、しょせんいまどきのタブレット画面は指先操作に向いているようです。正直、パナPCのようなスクロールボード部分がほしいですね。キーボードにはあるのですが。

 「メール」という奴は、前記のように黙っていても勝手に未読メールをサーバから読み込んでくれるので、その意味では便利なのですが、実はまだ、これでメイルの作成送信はやったことがありません。その操作自体がよくわからないのです。来たメイルへの返信くらいはすぐにできるのでしょうが。また、勝手に変な整理をしてくれ、来たメイルでもだいじなのが後回しにされたこともありました。またいつの間にか直りましたが。


 
 そんなこんなで、予想通りとはいえ、手軽に持ち歩くモーバイルツールとして、このDiginnos DG-D09IW2SLが重宝になるとは言えない状況です。500g以下で軽いですよとしても、キーボードとケースをつけるとRZ4を越えそうですし、すぐに立ち上げられますよというのも、前記のパスワード入力が必要になるので、すぐというほどでもありません。まあ、単体で持ち歩けばいいのでしょうが。ちなみに、指先タッチ操作中心になると、Win7の利点が多く失われるというのは、十分学習させて貰いました。やっぱりパソコン世代は、Win7と心中かな。




うーんな、WIN10タブレット

(2018年8月21日)

 てなわけで、まあものは試しで買ったタブレット機、もう9ヶ月近くにもなるのですが、あまり使えておりません。
 最大の理由は、やはり使い慣れたるWIN7PCであるRZ4、SZ5で多くの用が足りてしまっているからです。それは機能や性能以上に、自分の慣れのためでもあるわけですが(まさに究極の「慣性」)、だからといって敢えてDiginnos DG-D09IW2SLを担ぎ出し、活用しようとするにも、問題が少なくないのです。最大のものは、WIN10の勝手にアップグレードでした。過去のWINDOWSでも生じたことではあるものの、このWIN10の「大きなお世話」の特徴なのか、私が迂闊だったせいなのか、特に数ヶ月前のアップグレード(?)更新のおかげで、いろいろ使い勝手が変わってしまったのには参りました。


 まず困ったのは、従来はパスワード入力はじめ、ごく当たり前のように登場していたスクリーンキーボードが出なくなってしまったのです。これを使わないとまず立ち上げさえできないので、話になりません。それで外付けのbluetoothキーボードをつければ、なんとか起動くらいはできるものの、タブレット本体と、それ専用オプションみたいなキーボードと専用ケースをセットすると、重さも大きさもPCを持っているのとほとんど変わりがなく、なんのためのタブレットなんだとなります。しかも、前記のように私のセットアップのヘマでもありますが、パスワード入力しないと使えないため、そこで外付けのキーボードがうまく接続してくれねば、なんにもできません。

 スクリーンキーボードはどこへ行っちゃったんだと対策を検索するに、win10でのスクリーンキーボードを表示させる方法というのを探し出し、それを設定したところ、出てくるようになりました。よかったと思ったら、このキーボードというのが以前とは違う代物で、どうやらハードウェアスクリーンキーボードという、WINDOWS付属の機能らしいのです。それがまったくもって使えないのは、各キー上にデカデカとあいうえおが記され、ローマ字が片隅に追いやられています。私はローマ字でかな読み入力し、それを漢字変換しますから、こんなかな文字など邪魔なだけで、それどころか各キーを把握できなくなります。もちろん英字の入力など不可能です。いったい誰のためにこんなものをこさえたのでしょうか。いまどき、日本語をかな文字入力する人間などいるのでしょうか。完全ブラインドタッチのひとならそれでもいいのでしょうが、あくまでローマ字読みを拾って入力していく私には、まったく使えません。唖然でした。余計なお世話そのものです。


 このかな文字キーを表示切り替えでもできるのかと思い、いろいろ探し、試してみましたが、ダメでした(基本、こういった表示の代物のようです。こちらを参照確認下さい)。これじゃあもう使い物にならん、ぶん投げるのみかと呆然としましたが、この歳で人間丸くなったか、年金生活で貴重なお金を投じたものは大切にしたいか、ままよとまた検索をしたら、なんとDiginnos DG-D09IW2SLのマニュアルが引っかかってきました。細かいことはみんなwebで捜してくれよと、なんとも親切というか、いい加減というかの対応事態です。付属のマニュアルは35ページしかなく、もちろん解説書CDだのもついていませんから。

 web上のマニュアルQ&Aには「ソフトウェアスクリーンキーボードの標準キーボードを有効にする方法」というのがあって、要するに、WIN10上でもって、これを表示できるようにコントロールパネルをいじる手順というのが図入りで示されているわけです。それをたどっていったのですが、どうもWIN10の更新で、これまた若干違ってきているらしく、最後のところが図解と同じになりません。それをままよと弄っているうちに、なんと、もとと同じローマ字表示のスクリーンキーボードが立ち上がるようになりました。先のWIN付属のものとは違っており、もとのままです。ようやく、スタートラインに戻れた心境です。まことにアップグレードとはありがたいものです。


 機能と使い勝手が変わってしまったのはこれだけにとどまりません。私はモーバイルPCの頃から、作業終了時には「休止」(ハイバネーション)にして、いったん電源を切るが、再度立ち上げは迅速にという設定をもっぱら使ってきています。これはまちがいなく推奨の設定のはずです。作業中の全内容をいちどHDに保存し、そこから再度戻すのですから。「スリープ」にすると、再立ち上げはさらに早いものの、事実上動作していてずっと電気を食い続けるので、まったくモーバイル向きではありません。

 ところがこれもWIN10が更新されたら、「終了時の操作」のところから「休止状態」がなくなってしまったのです。呆れました。終わるに終われない設定ってなんですか?
 これもまた、検索のうちに「WIN10で休止を表示するオプション」というのを探し出し、その手順を実践するに、またも表示がちょっと違っていたのですが、なんとか休止に持ち込めるようになりました。終了時の操作に「休止状態」という選択肢も表示されます。電源スイッチを切っても「休止」になるように設定もしました。


 ともかく、呆れるのはWIN10の勝手に更新です。それで勝手に設定を変えてくれるのです。このほかにも、勝手にリセットないし非表示にされた機能が少なからずあるのかも知れません。どうしてこのように使いにくくしてくれるのか、目的は「脆弱性の防止対応」などの必要からともされますが、それならなんで設定まで勝手に変わるのか、まったく理解できません。タブレットなどは、そういった設定セットアップ操作や機能いじりなどなしに気軽に使えるのが目的じゃないのですか。いったいこれを誰に使わせようというのでしょうか。WINタブレットなどというのは、できるだけ使いにくくし、使わせないようにしたいのでしょうか?




その九へ