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三井の、なんのたしにもならないお話 その四十一

(2015.03オリジナル作成)



 
 
 スマホを買わんの記 −わがモーバイルPC格闘史20年 その5



4-4 「最後の」Let'sNote?


2016.6記述


 実は、RZのあとに、さらにLet'sNoteを買っていたのです。もちろん新品で。

 記したようにRZは、Let'sNoteの「最新モデル」と思わせ、確かにその軽量さはじめ、魅力は多々ありました。しかし、恐怖のWin8.1にさんざん悩まされ、違和感の日々でもありました。だから、Win7に「ダウングレードできる」と知って、ぬか喜びをしたくらい、なんとも宙ぶらりんな気分のままの一年あまりでした。


 けれども、実はもっとすごいのがあったのです。そもそも、RZの「Win7ダウングレード権つき」というのを買えばよかったじゃないか、いくら高くても、という後悔の念はつきまとってきています。でもそれも過去の話、もう世の中Win8どころかWin10の時代になり、どこに行ってもそれしか売ってない、それどころか「勝手に」Win7機をWin10に「書き換えてくれる」などというテロ・破壊行為がおおっぴらに横行する今日です。そのおかげで消えたデータ、使えなくなったソフトやハードなどの数々、さらにまともに動作してくれないOS自体など、全世界で天文学的な損害が生じているわけで、これをもってマイクロソフトと永遠の縁切りをしたいという声は日に日に高まっています。しかし、そのマイクロソフトが提供したWin7などでしか、手元のPCは動いていない、まさしく究極の矛盾・ジレンマですね。



 ところが、さすがはパナソニックです。マイクロソフトとどう折り合いをつけたのか、2016年になっても堂々Win7機を売り出したのです。それだけマイクロソフトの支配力が弱まっている、もちろんパナ以外のメーカーも、こういったものを並べ出す、一方でWin10強制に狂奔するマイクロソフトも、背に腹は代えられない現実なのでしょう。過去のWINDOWSの「バージョンアップ」の際にも、そうは見られなかった事態ではないでしょうか。




 残念ながら、RZではもはやありませんが、堂々一般ユーザー向けカタログにも登場したのが、SZ5でした。RZとは違い、ドライブ内蔵の2スピンドル機、12型液晶画面等ですから、そこまで軽くはないものの、パナソニックとしてはむしろ、2スピンドル機で世界最軽量を売り出したところです。実際、なんと1kgを切る機種もあるのですから、まったくもって隔世の観、他社がもう追求していない軽量化の究極を極めています。


 それでもWin10じゃなあというところ、なんとWin7機が立派に並んでいるのですから、もう唖然、涎タラタラ状態で、我ながら恥ずかしい限りです。それも、こっそりと「Win7へのダウングレード権つき」なんていうのじゃありません。はじめから「Win7ダウングレードインストール済み」と記されているんですよ。つまり、最新ハードにWin7が堂々と載っているのです。こりゃあ手が出ないわけがありません。



 手は出したくても、寂しい老後を送る身としては、懐が許してくれないとあきらめるしかないわけですが、ここにも究極の機会がありました。実に後ろめたいことながら、昨年に他界した母の残したものの一部が手に入ったのです。その分、来年の「確定申告」が気がかりではあるものの、ともかく「期待しない」カネが手元に入ってきたわけです。

 もちろんそんな大した金額ではないうえ、「おそらくは」母は自分の産んだ子のうちで一番認めていなかった存在である私、晩年にはそんな子がいたことさえ記憶のうちから消えていたかも知れないその私が、こうしたものを受け継ぎ、自分の懐に入れること自体、究極の「反抗」なのかも知れません。それなら、公益事業に寄付でもすればいいだろ、という声も聞こえてきそうですが、私としては「最大にして最後の」親不孝として、使っちゃうことにしました。

 当然ながら生涯専業主婦であった母が残した現金など、知れた額ではあります。「清水の舞台から飛び降りた」気分で、最新のPCを買うなんざ、ひとから見ればかわいすぎかも知れませんが。










 それで、買ったのです。この「Win7ダウングレード済み」のCF-SZ5HDKRR機は最軽量ではありませんで、HD内蔵機ですが、そしてそれでもかなりで21万円余しましたが、ともかく最新機、もちろんMS-Officeインストール済みです。HD使用はちょっと古いイメージではあるものの、750GBもあるのですから、満足すべきものです。私もちょっと利口になり、店頭価格が3万円も下がったところで買いました。

 CPUはCOREi5-6200U 2.30GHz、内蔵メモリ8GB、12.1型WUXGA TFT液晶画面、DVDスーパーマルチドライブ内蔵、USB3.0ポート3個内蔵です。もちろんHDMI出力もついています。


 手にして感激なのは、Let'sNoteお得意の丸いホイールパッドに戻ったことがまず実感です。機体重量ではこれでも電池込みで1.02kg(別売のL電池パック装着だと、プラス100g)、まったく重さを感じさせないこと(ドライブレスのR9とほとんど同じなんですから)、そして何から何までLet'sNoteそのものであり、いかにもSシリーズ後継機で、全体のつくりや手触りに至るまで、違和感がみじんもないことでした。Win7機なんですから当然ですが。しかも、「古いものを無理して買ってしまった」観はありません。画面はずっときれい、おかげで表示は見やすい、動作は軽快そのもの、いくら使っても電池は減らず、使い心地というものをあらためて実感させてくれます。もちろん各ソフトも問題なくインストールできました。
 画面では、文字を最小フォントサイズにしても十分に読める、これは液晶の密度だけでなく、つくりとしてコントラストが出やすくなっているのでしょう。若干人工的な観もあるものの、私のPCの用途としては、ともかく文字がしっかり読めること最優先ですから。


 いいことずくめでもないのは世の常で、SZ5にも問題がないことはありません。おかしいのはボディ左側面にはほとんどコネクタ類がなく、一番奥に並ぶLANとRGBのほか、大きくのびる側板のみ、フラットなことです。なにか中のメカの構造の都合があるのでしょう。そのため、右側面にはぎっしりと並んでおり、3つのUSBコネクタ、電源プラグ、HDMIコネクタ、放熱窓まで開いています。さすがにヘッドフォンプラグやSDスロットなどはDVDドライブとともに前面ですが、実はこの右側面集中に、RZ4以上の問題が生じるのに気がつきました。

 RZ4でもそうであるように、私はいまもUSBスティックタイプの通信端末を用いるわけですが、これが実に適さないつくりになっているのです。一番奥のUSBコネクタに入れると、見事に電源プラグとかぶってくれます。それゆえ、事実上使えません(そとで電池駆動しているのでなければ)。しかしこんどは、手前のUSBプラグが二つ並んでいる、そのどちらに入れても、もう一つにかぶるようになっています。つまり、究極の選択として、ここにしかUSBスティック端末は入れられず、しかもそれでもう一つのUSBコネクタは死んでしまうわけです。つまるところ、RZ4以上に、こういったUSBスティック端末など使うような場面を、メーカーはもう想定もしていないということでしょう。それでも、奥のも含めて、USBコネクタがあまりに隣のと接近しているというのは、ほかにも問題を生じる恐れを感じさせ、もうちょっと考えてほしかったなという思いはぬぐえません。


 それから電源です。付属のAC電源は16V4.06A出力と記された、かなりごついものです。本体とはちょっと対照的な大きさ、重さを感じさせます。そして、当然のごとく従来のLet'sNote用の16V2.5Aの電源をつなげば警報が表示され、実際充電もされません。完全専用化です。しかも奇妙なのは、RZ4の主電源でもだめ、しかしRZ4の軽電源の方なら、SZ5にもつなぐことができるのです。こちらはRZ4でも本体起動中は充電をしないというつくりになっているので、そのへんの機能はSZ5にも持ち込まれているのでしょう。携帯持参用にはこれでいけ、という指定なのですが、かなりややこしいことになりました。


 電源がらみでもややこしいのは、設定で、外光などに応じて画面の明るさを調節する、そうした機能が入っているらしく、かなり頻繁に明るさが変化するのですな。外光の状態を見る、センサーが画像撮影用のレンズに組み込まれているのでしょうか。それはそれで大したものとすべきなのでしょうが、この変化がちょっと煩わしいほどであるうえ、外部電源を切って電池駆動にすると、とたんに画面が暗くなってしまうのです。電源系で節電モードになるようです。ありがたいようでも、それはどうも考えすぎの観もあるし、もちろん画面の明るさ調整の機能もあるものの、すぐに戻ってしまうようにも思われます。
 こうした電源系の設定は「電源プラン」で変更可能なはずであるものの、少し煩わしさも感じさせます。




 そんなこんなで、いまどきになってLet'sNoteのWin7版を買うという究極の選択は、どうやら私のモーバイルPCの歴史の「終幕」を告げることになりそうです。ただ、さすがにパナソニックで、このWin7機にはかなりのニーズがあるらしく、2016年夏のフルラインモデルチェンジでもまた新しく生き残りました。その意味、「最後の機会」と焦ることはなかったのかも。

 しかも笑えるのは、この「Win7ダウングレードインストール済み」機では、マイクロソフトのかける「Win10化」攻撃もまったく無縁という事実です。あの窓マークも置かれません。もちろんなんの「攻撃予告」も出てきません。つまり、サイバーテロ攻撃から身を守る最善策は、「ダウングレード機」を新たに買うということでした。


 ともかく、このSZ5の登場で、かぶるS9は大学に戻り、授業用を再度つとめることになりました。他方で怪しくなっていたS8は引退の運命になりました。

 それにより、現役モーバイル機はSZ5をメインに、RZ4、R9、復活した富士通Loox U/B50と、4台にもなってしまったわけですが、それぞれに使い分けをするようにしております。文字通りモーバイルとして持ち歩くのは、我慢しながらではあるRZ4です。軽さと動作の速さはやはり重要だし、20万円以上も払ったものを使わないんじゃ、我ながら自己嫌悪に陥るし、ですな。それに、これも不思議に窓マークは出現しないのですよ。どうせもうWin8.1なんだからWin10にされても同じこと、などとは言えないので、入れてあるソフトなどどれも私の常用ですから、動かなくされても困るのです。SSDも余裕ないですし。


 肝心のSZ5ですが、まだ外には持ち出していません。部屋住みの常用になりました。一番多く動いています。R9の出番は一番減ってしまいましたが、「気が向いたときに」、特に外で仕事しなけりゃならないときなどに持ち出します。RZ4で細かい仕事などするにはどうしても不安がぬぐえないのです。


 復活させたLooxU/B50ですが、大学への行き帰りなど、別にPCを車中起動したいわけじゃないが、スマホ並みにもってないと不安(復活のきっかけとして書いたとおり)、ニュースなど見たい、メイルの確認が要る等に対応させる用途のみに限定しています。なんしろ重さ600g足らずですから。Let'sNoteに比べれば、(改善したとはいえ)立ち上げの遅さ、非力さ、画面の小ささ見にくさはどうにもなりませんが。



 ともかく、これでモーバイルPC機の買いあさりも打ち止め確実でしょうね。いま手元にあるSZ5、RZ4、R9、U/B50がそれぞれちゃんと動いてさえくれれば、もう買わねばならないものはありません。Win7で動いているハード、ソフトだけでなんの不足もありません。時代がようやく歩みを止めたようにも感じます。




スマホ狂い、いよいよ最終局面に

(2016.7.26)



 いやあ、スマホ、えらいことになっているようですね。

 もちろん日本だけのことじゃなく、世界中で、スマホ片手に画面睨み、その姿勢で、時に奇声などあげながら、あちこち徘徊する異様な集団が出現、衝突、事故、犯罪、不法侵入、暴力沙汰、逮捕、射殺、なんでもありになりつつあるようです。


 なにか、ウツケモンだかホッケモンとかいうアニメキャラを使ったバーチャルゲームなのだとか。いよいよ行くところまでいった、終末の予想どおりの道をみんなでまっしぐら。世界一普及したおもちゃは、おもちゃとしての閉ざされた運命を終えようとしています。



 まあ、スマホにらんで線路に落ちようが、車にひかれようが、それは個人の自由の範囲なので、好きにやってください。しかし巻き添えを食うのはまっぴら御免なので、そのスマホにらみ集団のたむろしているところを発見するやいなや、懸命に距離をとることにしております。しっかし、車のハンドル片手で、ホッケモンを追い求め、ひとを殺すもなんとも思わない方々から逃れる方法は容易に見つからないので、どうでしょうか、スマホとホッケモン剛探知機とか、信号攪乱機というのをだれか開発提供しませんか。




SZ5トラブる

(2017.3.3)



 快調に動いてきたSZ5ですが、突然思わぬトラブルが生じました。

 
 最初の各アプリインストールののち、たまにデータ参照をさせるくらいで使うことの少なかった、内蔵DVDドライブ、ふと思い立って、これを持ち歩いてDVDなど見る、つまりDVDプレーヤー使わないというのはどのくらい可能なのかな、などと試してみたくなりました。

 それで、すぐに起動する映像ソフトPowerDVDなど動かし、映像画面を確認、その後ドライブ開いてディスクを取り出そうかと、取り出しボタンマークをクリックしても動きません。よくあることよと、ドライブ前面のボタンを押してもやはり動かず、中でカタカタいうのみです。いかんぞね、このままではとちょっと焦り、急遽説明書を見れば、このドライブでは前面の取り出しボタンの横に、エマージェンシーホールがあるとわかりました。すべてのCDやDVDのドライブにはこれが必ずついていて、万一の際に強制的にオープンするようになっています。そこを針で突っつけば、あっさりドライブは出てきましたが、それではもちろん困ります。別のディスクを入れ、押してドライブにセットし、また取り出そうと試みれば、同じ状態で、やはり動きません、開きません。完全に故障です。やれやれです。


 まだ買って一年間の保証期間内なので、翌日さっそく店に持って行き、修理に出しました。この始末かとがっかりしましたが、一週間足らずで戻ってきました。
 「症状確認、ドライブユニット交換しました」と記されています。もちろんタダです。



 一安心ではありますが、こういったメカ的な故障があるのはやはり不安材料です。当然ながら、私の扱いが悪かったわけじゃなく、そうかと言っても買った当初は各アプリのディスクからのインストールが順調にできていたので、欠陥部品ではなくてもメカのつくりに弱点があるのかも知れません。これだけ薄く、軽くしてある以上、ちょっとしたはずみでどこかが歪む、引っかかりができる、そういうこともあり得なくはないでしょう。メーカーの修理も、すでに心得ている可能性も大です。


 そうなると、このドライブを頻繁に使うのもためらわれるところです。実際、このおもちゃのように小さく華奢に見えるドライブを引き出し、ディスクのセットや取り出しを頻繁にやるのはなおのこと不安に思えてきます。だから、DVDプレーヤーの代わりなどという考えはスッパリやめましょう。




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