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三井の、なんのたしにもならないお話 その三十四

(2013.07オリジナル作成/2024.03サーバー移行)



 
 
私のカメラ遍歴(その五)




 
 遂にデジタル化の時代突入であります。
 ようやくそれに乗った私ですが、以下に記すように、失敗と紆余曲折の数々です。
 
 2000年代のみをとりあえずまとめました。それだけで20台も登場するので、甚だしい浪費ぶりですが、こんどは公費で買ったものも入ってきます。当然ながら、それは趣味のためじゃなく、国立大学教官としての、研究と教育用の重要な備品の購入であります。もちろん私自身はそのおかげで、「デジカメの使い方」や「問題点」を十二分に学習もしました。

 
 

D1.フジFP2300     <2001.3>
 
 前に書いた、私の転職に伴う、前前任校の卒業生たちからの贈り物です。私にとっては「デジカメ初体験」でした。


 
 もらい物とはいえ、1/2.7型230万ピクセルのCCD、F4.8/5.8mmの固定焦点レンズ(もちズームではありません)、プログラムのみのAE、単三電池4本使用の重量感(電池込みだと300g)など、時代の雰囲気が横溢としています。カメラの歴史のだいぶ昔に戻ってしまったかのような実感です。もっさりした動作、補正も絞りいじりもできません。これで撮影テクニックをいくらかでも発揮できたら、天才でしょう。ファインダーも見やすくはないので。
 
 ころころっとした外観や手触りもあり、ずいぶん落っことしたりもしました。もらい物に誠に申し訳ないけれど、潜在意識として、丁寧に取り扱う気持ちが乏しかったせいもありましょう。それでも動き続けてはくれたのですが、いまどきのスマホの足元にさえ及ばない性能です。液晶画面は1.6型5.5万ピクセルなんていう、誰も相手しないレベルでした。
 なにより、記録メディアがスマートメディア、もう絶滅した種族なのが致命的です。スマートメディアはICチップそのまんまみたいな外観で、スマートでもなく接点部丸出しのうえ、やたら薄くて扱いに悩むところです。なにより、記憶容量は1GBに届くどころじゃなかったので、絶滅は見えていたものでした。

 
 これにいかに見切りをつけるか、そこから私のデジカメ遍歴が始まったのです。それだけに、このプレゼントには大いに感謝しなくちゃいけません。

 
 
 

D2.ニコンE5000
 
 国立大学に移って、公費で買った第一号であります。せっかく研究用に買うんだからと、ふるって「あこがれのニコン」の、相当高そうなデジカメを買ったのですが、正直期待はずれでした。むしろデジカメの限界や問題を十分に思い知らされた、「学習用」でもありました。2001年の発売当時の希望小売価格15万円だったんですから、自腹じゃあとうてい買う気にもならなかった代物ですが。


 
 最大の問題は、別のところにもさんざん書いた、シャッター押すのと撮影されるのとの間に生じる相当のタイムラグでした。これがともかく半端じゃないんです。あとで説明書をさんざんひっくり返してみれば、「液晶画面を消すと、シャッター動作までの時間が短くなる」とも記されていましたが、大した改善にはならなかったですね。おまけに撮影後の書き込み時間もかかり、連写にはどう見ても向いていません。
 
 がんばって、欧州調査などにも持参しましたが、結局あれこれが災いして、「調査研究の糧」どころか、不安材料だったです、正直。相当の大きさ、重さ(360g!)、デジカメ揺籃期を反映した、もろ奇妙な外観デザインと使い勝手などなど、「よかった」と思わされる経験はほとんどありませんでした。ニコンレンズの味を実感するほどでもなかったですし。
 
 スペックは一応立派で、F2.8/4.8/7.1〜21.4mmズームレンズ、電子・メカニカルシャッター8〜1/4000sec、ASP各優先AE、コントラスト検出式5点AF、2/3型CCD撮像素子、実像式光学ズームファインダー、1.8型TFTカラー液晶画面つき、こんなところです。驚くのは記録メディアがCFなので、当時は断然主流だったんでしょう。
 
 以来10数年、大部分は研究室のキャビネットの中の「お飾り」状態で過ごしたようです。院生が自分の調査で使いたいというので、貸したこともあったのですが、図体と面倒な使い勝手とでギブアップし、持っていかなかったもようです。
 もちろん、私が定年で辞める時には「返納」申し上げました。しかし、こんな10年以上前の旧式、時代遅れのスペック、扱いにくさ、誰も使わないでしょうな。

 
 
 

D3.キャノンIXY digital 30
 
 ニコンE5000に懲り、しかし調査等にはいまやデジカメ必携ということで、もっと安くて使いやすそうなのとして買ったのがIXY30でした。これは大正解、おそらく私の人生中でもっとも多くのところに出張り、もっとも多くのショットを撮ったものと思います。購入は2003年と思われます。


 
 なにより、小さくてシンプル、コンパクトなんですね。165gしかないのです。いつでもポケットに入れて持ち歩けますし、E5000とは対照的に立ち上がりも早く、シャッターラグもあまり気になりません。それで撮れる画像は、いまなら不満もありましょうし、330万ピクセルの撮像素子ではいくら何でもとなりましょうが、当時にしては十分なものでした。むしろ、「デジカメってこんなに写せるんだ」という実感です。
 
 F2.8-3.9/5.4〜10.8mm沈胴式ズームレンズ、電子シャッター15〜1/1500sec・プログラムAE、1/2.3型CCD撮像素子、TTL9点AF、実像式光学ズームファインダー、1.5型TFTカラー液晶画面つき、SDメモリ使用、こんなスペックです。このころですからこんな小さなボディでもファインダーは付いていました。驚くのは当時から動画撮影機能を持っていたことで、AVI規格ですが、これで撮った動画も若干あります。いまから見れば貧弱なスペックでも、当時はこれだけのものが小さなボディに詰め込まれている、驚くべきものでした。
 
 相当に酷使をしただけに、一度故障しました。訪問先で撮っていたら、ピントが合わない、おかしいなといううちに、レンズ部自体が出ない、引っ込まない、これはいかんと思いました。公費で修理にも出し、かなりとられた記憶ですが、ともかく元通りになりました。
 
 このシリーズは長命です。キャノンの定番ヒット商品なのでしょう。代を重ねていまではファインダーはなくなってしまいましたが。一方、スマートな皮ケース付で、そのまま返納とおやすみの道となった私使用のIXY30は、いまはどうしていることでしょうか。

 
 
 

D4.オリンパスE300  <2005.9購入>
 
 これが実は「自前で買った」デジカメ第一号です。別のところにも書いたように、デジカメのシャッターラグに不満を感じたままの私として、「一眼レフなら大丈夫」と言われると、一も二もありません。ようやくデジタルカメラのカタログを集め、情報集めを始めて見て、デジイチはいいようだけど、高いよな、私的にはまだフィルムカメラに未練もあるしという、中途半端な心境でした。
 ところがそこで、「希望小売価格」から相当の値引き、投げ売り状態のを見つけちゃったのです。それがE300でした。だから、あんまりよく事前調査研究しないで買っちゃったのは否定できません。F3.5-5.6/14-45mmレンズ付キットで69,800円でした。またオリンパスかいという思いももちろんありましたが、まあそれだけ、「悪縁なのか」という位のものでした。


 確かに一眼レフは違うと、すぐに実感できます。ただ、このE300はいろいろ妙なところのあるデジイチでした。ともかく図体がでかい、その割にファインダー画面は小さい、操作方法にも独自のものがある、等々です。あとでわかったわけですが、これこそオリンパスの往年の「名機」、ペンFの構造を頂いたようなユニークな代物でした。ボディ内のペンタミラーとサイドスイングレフミラーを使用し、そのためカメラ上部が真っ平ら、しかしそれほど小型化はできず、また画面も小さいという問題児です。なにより、フォーサーズというレンズマウント規格は、同族系列レンズの乏しさという限界をはらんでいることを、あとになって発見しました。不勉強なことに、フォーサーズ軍はメーカーも少なくシェアも小さいので、サードパーティも互換レンズをなかなかつくってくれないのかななどと思っていたくらい。あとになって、フォーサーズの撮像素子のサイズはニコンキャノンなどのの半分近い、カメラの基本理念が違うんだと悟ったほどです。
 
 さて、フォーサーズへというのは間違った選択、デジカメ時代のあだ花だったと、見限るほどにはいまだなれません。あとで記すように、この規格のをけっこう買っているのです。ただ、そこはいろいろ考えありとしても、一つのマシンとしてのE300はかなり怪しいものでした。時にピントが合わない、画像の明るさや色バランスがおかしい、そういうのはデジカメにありがちなものと、割り切れるほどでもありません。
 
 いちばん参ったのは、大きなイベントで撮影役を仰せつかり、心して臨んだはずなのに、せっかくそのために買ったTTL制御ストロボも用いながら、えらいことになってしまったのです。
 余計な小細工で、この外付けストロボをバウンズにし、E300内蔵のを同時点灯させて、影のでない自然めの光線で撮ろうなどと考えたのですが、E300には明示されていない不思議な機能がありました。○○▽カメラの時代から、ストロボをオンにすると、AE機能は事実上切られ、絞りシャッター固定で撮られる、あるいは少なくともシャッター固定、絞りを制御変動させる、そういうモードになるものと信じておりました。ところが、このE300はそんな安易なものじゃなかったのです。外付け・内蔵両ストロボを使っていても、TTL制御のおかげか、AEの方もちゃんと働いておりまして、薄暗い室内に合わせ、シャッターは超スロースピード、絞りは大きく開き、時には露出オーバーになってくれます。屋外でストロボを補助光に使う時など、これがいいわけですが、薄暗い室内だからと気を利かせてくれもしません。大失敗でした。かなりの記念写真が、ピント曖昧、周辺ピント外れ、若干ブレあり、という代物になってしまいました。
 こうしたカメラの癖をもっと経験して知っておれば、ともかくM設定で絞りとシャッター速度を固定してしまう、それ以外に選択肢なしとすべきだったのです。まったくもってカッコばかりのドシロート的ミスで、恥ずかしい限りです。たった一度きりのイベントに、こんなことをやっていたのではどうにも申し開きもできません。
 
 皮肉にもその席上、某大手カメラ・フィルムメーカーに勤務していたひとが、かなりを「自主的に」撮っていてくれたおかげで、貴重な記念写真を大部分アウトにせずに済みました。専門家にかなうはずもありません。
 しかし因果はめぐるでありまして、このいまいましいE300を、のちに私の「弟子」の一人に譲ってしまったのですが、その人がこんどは私自身のイベントの際に、撮影係を買って出て、このE300やE500で撮りまくっていました。それが結果を見ると、明らかに同じような問題ありのが見つかるのです。会場で、同じように外付けストロボをバウンスさせており、ああ危ないなとも一瞬思ったのですが、案の定でした。それを私の方から「助言する」ような余裕はその場では全くなかったのです。
 
 まあ、いろいろ「勉強になる」デジイチ第一号でしたよ。ちなみにスペックは、30〜1/4000sec・TTL測光A・S・P各優先AE、スポット測光可、TTL位相差検出型AF、4/3型CCD撮像素子800万ピクセル、1.8型TFTカラー液晶画面、フォーサーズマウント、RAW画像記録可、CFメモリ使用、こんなところです。

 うえのような騒動から、私は「本職カメラマンですか」なんていう誤解を招くこともたまにあるのですが、外観はどうあろうが肝心のところではこんな失敗をしでかすていたらく、カッコのみで絶対に一文も稼げません。ドシロート以下です。こんどは逆に、私の本職は「大学教員です」などと称しても、こちらは容易に信じてもらえないのですな。私の「過去」をよくご存じの方々にすれば、ウン十年経とうがどうにもあり得ない、絵に描いたような落第生のありさまだったのですから。

 
 
 

D5.オリンパスE500 <2006.9購入>
 
 E300の「暴れ馬」ぶりにいささか参っていたところ、同じオリンパスのE500(2005年発売)というのがかなりいい状態のレンズ付き中古で出ているのを発見、ちょうど一年後にまた買ってしまいました。そういった中途半端の気持ちで手に入れただけに、あまり活躍しなかったですね。


 
 デザインも、E300のユニークそのものとは対照的にありきたり、これも横長のE300とは逆に左側面がかなり短いことをのぞけば、特徴にも乏しいものでした。「フツーに」ボディ上に突き出ているペンタミラー使用のファインダーはかなり小さく、暗かったですし。

 815万ピクセルの撮像素子はほとんど進歩なし、CFとxDの2種のメモリカードが使えるスロットなのがユニークでしたが、あとでも記すように、xDは絶滅してしまいましたから。
 
 AFをMF補助に切り替えられるらしいのですが、結局試したことはありません。翌年に出たE330ほど、ユニークな技術をいろいろ盛り込んだ製品でもなく、やはりオリンパスの製品づくりの迷いを象徴するようなものでしょう。

 
 これも2年余で表に出なくなり、そして4年でひとに譲ってしまいました。




 
 
 

D6.キャノンA530  <2006.10購入>
 
 コンデジの便利さを痛感するなか、自分用にも手元に置こうと考え、いかにも安そうなので買ったのがこれです。16,800円でしたから。乾電池動作もミソではありました。
 ただ、写りはIXY30に比べると落ちました。大まかにはよく撮れているような印象なのですが、大きく拡大してみると、たちまちあらが目立ちます。特にズームで一杯に迫れば、ぼろが出ます。もちろんそんなに遠くまで内蔵ストロボの光も届いていません。


 
 1/2.5型500万ピクセルCCD撮像素子、F2.6-5.5/5.8〜23.2mmレンズ、SDメモリ使用、重さ190gで、キャノンが同型モデルを相次いで出していた頃のものです。当時でしたから、当然のようにレンズ真上に実像式光学ズームファインダーの窓が開いていました。またこれにも動画撮影機能がついていました。
 
 A530に限らず、ちょっと古くなったカメラの問題はどうもなかのコンデンサがくたびれてしまうらしいということです。A530をしまっておき、買ってから5年も経って出して使おうとすると、すぐに「電池切れ」表示があらわれ、勝手にシャットダウンしてしまいます。電池を確認すれば、そんなに消耗しきっているわけでもありません。
 似たような症状がほかの古いコンデジでも起こるので、概してコンデンサがへたり、十分に本体内の電圧を上げられず、電池切れと確認表示されてしまうのではないでしょうか。
 
 こういうのの部品交換修理など頼めば、本体買った時より高い費用を請求されかねず、もはやデジカメは消耗品と割り切るしかないのかも知れません。もちろんその後に普及し、ほとんどどのデジカメにもつけられるようになった手ぶれ防止機能などあるわけないので、その意味でもA530あたりはもうあきらめるしかないようです。コンデジの場合、手ぶれ防止は今日では必須の機能の一部ののようになっており、そして実際相当に有り難い機能です。撮る一つ一つのショットがかけがえのない瞬間であれば、古くて性能悪くていまどきあり得ないようなのを「クラシックカメラ」と称して担ぎ出したりする意味はないのでしょう。


 2020年初め、ウン年ぶりかでA530を手にし、電池を入れてみましたが、スイッチをOnにしても、うんともすんとも言いません。完全に死亡状態です。何かおかしかったなという事態は、ここにたどり着きました。この頃入手した製品がみんなアウトになったわけでもなく、まだ動くのもあるので、あまり出来のよくないのに当たってしまったのでしょう。

 やはりたいしたことなかっただけじゃなく、あらためて、購入時の箱に、各付属品等と一緒に納めてみると、説明書はじめ量のあることあること。この頃はデジカメ、こんなもったいぶった商品だったのです。商品としての寿命は実に短かったですね。

 
 
 

D7.ニコンD40  <2006.12購入>
 
 遂に買った、ニコンのデジイチがこれでした。
 オリンパスのをまず買っちゃって、ホントはニコンのデジイチが欲しかったんだけどはないだろうと、オリンパスから怒られそうなところですが、まあ本音でした。オリンパスにはメカへの不信やフィルムカメラ時代からの写りの「特徴」が背後霊のように漂っていましたから。


 
 もちろん、「生粋のニコンファン」からはブーイングの嵐で迎えられたD40です。「これはカメラと言わず、ニッコールレンズのリアキャップである」などという「酷評」もありましたですな。なんでそんなに忌み嫌うのか、そこまでいくと心理がよくわかりませんが、どのようであれ私のようなものにも「手の届く」ニコンが出てきたのです。18-55mm、55-200mmの二本のレンズ付きで59,800円の超お得商品でした。
 性能はペンタミラーファインダー、23.7×15.6mmの624万ピクセルCCD、電子・機械併用フォーカルプレーンシャッター30〜1/4000sec、3点切替AF、TTL開放・マルチパターン・中央部重点・スポット測光切替AE(P・A・S各優先切替)といったところです。ひとなみに揃えてはいますが、確かに最先端でもありません。ただ、ニコンのデジイチは「クリエイティブライティングシステム」により、外付け専用ストロボ(スピードライト)のTTL制御が働き、適切露光ができるようになっており、これは廉価版のD40以降も同じなのは立派です。もっとも以前のシステムからは変更があったらしく、F100用に中古で買ったSB27などではシャッターがおりません。
 
 ともかく、間違いなくニコンですよ。ニコンにしては軽い(475g)、軽薄な観のようですが、やはり写りはニコンらしいものでした。おまけのレンズはいかにもバーゲン品的でしたが、まあそこは、あれこれ「ニコンらしい」レンズを買ってきてつければいいわけです。「これはレンズとは言わない、ボディキャップと言う」などとは申しません。
 そうは言ったって、ボディ軽量化低コスト化を図ってAFモーターを省いたD40には、AFモーター内蔵ではないD/Gタイプのレンズは使えないじゃないか、その一点だけでも怪しからん、こんなのはニコンのカメラとは呼べない、という古くからのマニアらしい批判もあり得るのでしょう。でも古くからのマニアじゃなかった私にはあまり関係ありません。むしろ意外に知られてないのは、このD40はマニュアルレンズを相当自由に使えるという利点があるのです。
 
 ただ、ニコンらしく、時代の流行からは一歩おくれています。撮像素子の画素数もそうですが、オリンパスがとっくの昔に取り込んだ撮像素子ローパスフィルター上のダストを落とす装置、これもいまではすべての一眼レフメーカーが当たり前のように用いていますが、ニコンは大幅に遅れ、2008年以降のモデルからの採用でした。そしたらD40で、見事にゴミが写っているのを撮ってしまいました。これはいかんとメーカー推奨の手順でダストクリーニングを試みましたが、確かにきれいにはなったものの、その作業には相当に疲れました。
 
 そんなこともあって、D40には比較的早くに見切りをつけた次第です。これもニコンの戦略でしょうか。2年半で下取りに出してしまいました。しかもその際、驚いたことに買った時のキットでついていたレンズが一本動作しなくなっていたのです。もちろんいまさら直す気もしない、かと言ってそれを除こうが、引き取ってもらおうが下取り価格に変化はない、ですからゴミとして一緒にお納めさせて頂きました。ひどい話ですね。やっぱり「ボディキャップ」でしょうか。

 
 
 

D8.パナソニックDMC-FZ50  <2007.4購入>
 
 デジカメの中での最大の当たりはこれでしょう。もちろん別のところで記したように、当時はこういった「ネオ一眼」だのと言われたタイプ(私は「中型大レンズ機」と書いた)には疑問を持っていたし、やっぱり「ホンモノの」一眼レフだよと考えていたのですが、実際に買ってみたら、率直によかったですね。

 
 なかなかの世評など目にして、やっぱりこれは試してみるべきかとは感じながら、値段で二の足を踏んでいました。それがそろそろ店頭から消えそうかなという流れ(発売は2006年8月となっていましたから、このころから製品ライフの短命化が始まっていたのでしょう)、そのなかでかなり思い切った値段で○△○カメラに出たと聞きつけ、飛んでいって思い切って買ってしまいました。それでも53,800円ですから、いまどきなら決して安くなどないと思うものの、それだけの値打ちはあったと実感しています。
 
 なにより、F2.8-3.7/7.4〜88.8mm(35mmカメラ35〜420mm相当)という強力で明るいズームレンズは大したもので、一杯にアップしても、まったく像の乱れや劣化もありません。一方で当時は先端的だった手ぶれ防止機能が顕著に効き、手持ち400mmなんていうのが十分使えます(わたくしは当初これに疑問も示しましたが、使ってみると便利なこと間違いなしです。手ぶれを防ぐのは確かに容易なことではなく、AEやAF化以上の意味もあるのかもしれません)。一眼レフ同様のレンズリングでのズーミングで、また起動動作も素早く、従いましてこれが大いに物言うのは動物をとらえる時です。
 このレンズは言わずもがなのLeicaブランド付のバリオ・エルマリートを称していますが、それは見かけ倒しではありませんでした。さすがにライカの描写力には敬意を表するのみです。画像は切れとともに味があります。
 
 ズームリングを含め、カメラを構えた感じ、A優先・S優先・P切り替え60〜1/2000sec露出設定やEV補正をいじり、EVFのファインダーを覗きながら、シャッターを切っていく感覚は軽快で、いかにもカメラで撮っているという実感がわきます。一眼レフをいじるのとほとんど違いを感じません。それでいてレンズ込みで700gくらいの重さです。液晶画面が小さいながら可動式なのも非常に便利です。それでもファインダーはEVFですから、非常に動作の速い鳥だの車両だのを追いながら撮るのにはどうしてもラグなどあって無理はあります。そこは悟っていくしかないのでしょう。また、AFを解除してマニュアルに切り替え、なおEVFで対象を見ながら、自動の部分拡大でピントを合わせられるということになっているのですが、こればかりは何度やってもうまくいきません。
 
 時代の限界なのは、ズームがすごいと言っても10倍どまり、しかもワイド端が35mm換算で35mm相当にとどまり、あんまりワイドじゃないことでしょう。当時はテレ端の方のみ意識し、ワイドの方はこんなものかとあきらめていたのですが、いまではこのクラスで、24〜500mm相当のズームなんていうのがざらです。もうひとつは、撮像素子が1/1.8型CCD1037万ピクセルというレベルで、画素数こそ当時の競争を追っかけていたものの、いかにも小さいわけで、これはFZ50へのケチの代表的ネタです。それでもIXY30などのほとんどのコンデジよりはひとまわり大きいのですが。撮像素子の大きさの限界というのを意識するほどでもないものの、ISO設定をあげていくと、かなり苦しくなります。白飛びしやすい観もあります。電池の持ちもかなり厳しいですね。予備電池は必携です。
 
 買って6年、まだまだ現役のFZ50です。パナソニックがこれの後継を出さず、むしろ「ミラーレス」路線に向かってしまったので、買い換えるなどの気もおこりません。2012年秋のイベント撮影もほとんどFZ50で押し通し、かなりよく撮れました。

 
 このFZ50も近年お蔵入り気味、これに代わる機体を使うようになってしまったからです。

 しかも、最大の問題は電池です。DMW-BMA7という電池、もともとサイズが小さく、あまり長持ちしないものだった印象ですが、電池の消耗も早くなり、フル充電しても数十枚で電池切れになってしまうようになります。それも見越して、かなり電池を買った(サードパーティ品も含めて)のですが、これに足を引っ張られるような状態から、FZ50の利用も次第に敬遠しがちになりました。

 実は、FZ50を授業の記録用に用いてみたのですが、電池の持ちという不安要因から、次第に諦めざるを得なくなったのです。2020年に虫干しで再度立ち上げてみると、本体はちゃんと動くし、撮れぶりに変わりはないので、心残りですが、電池の持ちを信頼できないのではなんともであり、この期に及んで、いまさら電池をまた買おうとも思いません。いまも買えるらしいのですが(サードパーティ品もあり)。もう本体スペックもひと時代前ですしね。

*ですから、FZ50、欲しい人がいたら進呈しますよ、箱入りワンセットで。

 
 

D9.ニコンD80   <2007.7購入>
 
 ニコンのデジイチを買っちゃうと、「本格的なの」もほしくなります。半年後にはD80に手を伸ばしました。106,800円ですから、いまにすればずいぶん高かったですね。以来5年間で実際の価格趨勢は2/3以下に下がったのではないかと思えます。>


 
 もちろんD80は満足すべきものでした。D40に比べ、図体も写り方もずっしりした観です。これでかなりいろいろ撮るようになりました。性能は、ペンタプリズムファインダー、23.6×15.8mm10.2メガピクセルCCD撮像素子、縦走りフォーカルプレーンシャッター30〜1/4000sec、11カ所切替AF、マルチパターン・中央部重点・スポット測光切換TTL開放測光AE(P・A・S・Auto切替)、重さ585gです。メモリはSDカードです。

 D80はニコンらしい撮れ方の実感できるカメラであり、その割には比較的手軽です。VRレンズをつけると相当に対応力高く、初冬の奈良での曇天風景、薄暗い東大寺大仏殿内での大仏像なども、もちろんフラッシュなしで撮れました。私の腕がいいのじゃなく、カメラの実力が高いのです。

 
 わがD80も4年にして下取りに出し、後継機であるD90に買い換えたのです。よく働いた方ですが、世の中の技術と製品の進歩が急ですから。これもD40同様にフィルター上のダストが気になるものでした。手ぶれ防止メカはニコンの場合レンズ側に備えられた機能なので、本体はどれでも同じなのですが。




 
 
 

D10.パナソニックDMC-FZ8 <2007.9購入>
 
 FZ50に感心して、小型簡易版のFZ8も買ったのですが、これは失敗でした。中古品であるからというわけでもないでしょうが、非常にノイズが乗りやすく、ISO400設定ではまず使えません。そのためか、ぶれやすくも感じました。とてもじゃないけれど、大事なところには持ち出せません。それでいて、コンデジじゃないからごろごろした機体のみがかさばります。



   私の買ったのはブラックボディ         

 
 中古で25,800円も出したものの、かなりがっかりして早期に手放しました。ただしパナソニックとしてはこれは「売れ筋」と考えたようで、いまに至るまで、同じ製品ラインで次々にモデルを出しています。どうなんでしょうかね、というところです。いまのモデルまで来ると、FZ50に近いものにもなっていて、安心できそうですが。








 
 
 

D11.フジS5Pro    <2007.10購入>
 
 これは完全に趣味の買い物ですね。D80を持っている以上、同マウントのS5Proなど持つ必要性がないのですが、「世間の評判」に流されて、こいつの撮れ味を試したいという欲望に駆られました。中古で148,000円、相当に愚かな買い物ですね。まあ2007年はじめの発売当時の希望小売価格が26万円くらいというトンデモであったのですが。

 
 しかし写りは確かに違います。D300似の、ニコンのボディやメカそのものなのですが、撮像素子がフジ独特だということ。スーパーCCDハニカムSR Pro 12.37メガという、ほとんど他社にはないのが採用されたのです。それはそれなりに個性的な描写を感じます。この辺、フジはがんばっていました。
 
 私がドジなのか、このカメラはいったんスイッチを切っても、露出感度修正が元に戻らないのです。まあ、多くのデジイチはそうですが。それで一度失敗をしてしまいました。どうも指の加減でプラス補正になったまま、そのままで撮りつづけ、相当に露出オーバーのができてしまったのです。自分の不注意(これに限らず、撮り出すときの状態設定確認やらができてない)のせいで、カメラを責めても詮無いことですが、なんとなくくやしくはあります。もちろん撮影中も液晶画面で、撮った画像が妙に明るいなとは感じたのですが、設定をよく確認しませんでした。
 デジイチでは補正ボタンがシャッターのすぐ横にあり、間違って押しがちだと思うのです。その辺当然ニコンのも同じなのですが、私の僻目かフジS5の方が勝手に設定変更されやすいように感じます。S5でも露出補正がボディのスクリーン窓、ファインダー内表示いずれでも出るようになっているのですが、これも比べると、ニコンのファインダーの表示の方が、明確に感度補正のモードであることを表示するように見えます。まあどっちにしたって、確認をしないで撮るやつが悪いのですが、何となくコンデジの感覚で、スイッチを一度切ると元に戻っているように錯覚するのですな。 
 
 フジの、ニコンボディ借用での独自デジイチ路線は、この辺で息切れしたようで、S5の後継は出ていません。独自のレンズなどもなし、あくまでニコンに便乗のいき方でしたから、無理もあったでしょう。フィルムメーカーとしてのジレンマもなくはなかったでしょう。それでもなお、チャレンジングな姿勢は立派です。
 
 それから4年後、フジが新たなカメラコンセプトで勝負に出、センセーションを巻き起こしたのは事実です。これはもちろん従来のデジイチの観念とは違うものですから、S5のねらいはあたらなかったと言うべきなのでしょう。しかし、それでもS5は中古店にいまだかなりの値で出たりしております。私が買った時よりはだいぶ下がっていますが。
 
 私にとっての不満は、メモリがいまどきCFであること、そしてS5のバッテリーがニコンのとそっくりなのに、絶対に互換使用ができない、したがって充電器も違うというところです。微妙に端子部などが異なるのです。なんでそんなけちなことをしなくちゃならなかったの、両方使えれば便利なのに、とため息が出ます。フジとニコンと、どちら側の事情なのかはわかりませんが。

 
 
 

D12.ニコンP50     
 
 ずいぶん使った、研究用のキャノンIXY30がくたびれてきたこともあり、2007年に公費でまたコンデジを買いました。しかし、またもニコンに裏切られた観ですね。


 
 こういう安いコンデジはニコンではつくっていません、OEMですというのが見えるようなもので、ぜんぜん感心できない写りです。安いと言ったって、これで29,800円も払ったのでは、国民の税金を無駄遣いしているというそしりを免れません。
 
 重要なイベントの記録用にも使ってみたものの、画面拡大すると顔の映りがいかにもダメ気味で、がっかりでした。こういった貴重な場面には、もっと「いいカメラ」を宛てなくちゃいけません。



 
 性能は、1/2.5型8.1メガCCD、F2.8-5.6/4.7-17mmレンズ(35mm換算28-102mm相当)、8〜1/1000secシャッターA・S各優先・PのAE、AVI動画撮影可能、電子手ぶれ補正付き、顔認識AF(特に使ったこともありませんが)、重さ160g(電池別)です。単三乾電池使用でちゃんとファインダーもついている、その意味本来のコンデジらしい最後の世代のものなのでしょうが、「ニコンらしい」とは実感させてくれませんでしたな。



 
 
 

D13.パナソニックDMC-L1K <2007.12購入>
 
 もう完璧に趣味です。デジカメに本格参入したパナソニックが、オリンパスの技術、ドイツライカとの連携で2006年に出した「不思議な」、デジイチ第一号機です。この3社連合のフォーサーズ規格・マウントです。
 
 オリンパスのE300、E330譲りの、ボディ内ペンタミラーとサイドスイングレフミラーを使用、フラットな上面、さらにシャッターも絞りもそれぞれダイヤル設定式で、そのなかにAがあるという、まさしく一眼レフどころか35mmカメラ黎明期のしくみになっています(絞りダイヤルのある専用レンズ使用の際ですが)。構えれば、Mライカのように見えなくもありません。その辺は、「こだわりの」ライカの意向が強かったのでしょう。内蔵ストロボの立ち上がりも独特の仕掛けです。


 
 L1を、Vario Elmarit AF F2.8-3.5/14-50mmレンズ付で128,000円で買ってしまいました。当時のことですから、4/3型LiveMOS撮像素子750万ピクセル使用で、レベルが高いとは言えないものの、この使い勝手自体が独特です。あんまり独特すぎて、すぐに使いこなすのが容易ではなく、持つたびに戸惑うのも否定できませんが。パナ=ライカレンズがいち早く手ぶれ防止を組み込んだのも、昔ながらの使い勝手の一方でユニークなところです。

 よく知られているのが、E330からの「ライブビュー撮影」機能の採用でしょう。デジイチで主流になりつつあり、そして「ファインダーもない」「ミラーレス」イチガンが以来雪崩を打った、「液晶画面見ながら」撮影できるというのは、ここから始まったのです。
 もちろん私はあまりそういう撮り方が好きじゃないので、特別な条件下でない限り、使わない機能ではあります。あくまでファインダーいのちです。そこに飛びついて買ったわけではありません。
 
 自己正当化をすれば、この買い物も、いまいちであったオリンパスのE300、E500を手放し、残されたフォーサーズレンズを生かすのがこれですよと言うところ、そういった意味はあります。L1自体、Vario Elmaritレンズ付きでないと売らないという姿勢、中古品でも基本そうでした。これらのレンズを生かすには、その後に買ったパナソニックL10の方がむしろ使いやすいですけれど。そっちはお値段1/5ですから。

 ともかく、これでデジイチも完全に二系統持つようになってしまいました。ニコン系とフォーサーズ系です。どっちかが優位とも申せませんが。ウン十年使おうが、オリンパスのレンズはどうしてもいまいち好きになれないけれど、パナ=ライカレンズにになると違うこともあるので、二系統持つムダも、結局切れないままです。

 
 L1自体はライカに行ってLeica Digilux 3というのに化けたわけですが、外観が違う(ライカはシルバーと黒)、なかのソフトなどが違うなどと公称しても、ともかくLeicaというロゴが付くだけで、値段が倍になるという素晴らしい錬金術は十分に実感させてくれます。以来、ライカのデジカメはみんなそうですね。まして中古市場に行くと、天と地ほど違いますから。いい商売です。

 
 
 

D14.フジF810     <2008.1購入>
 
 これはお得でした。若干の評判を耳に、19,100円でたまたま入手してみたら、実によく撮れるのです。2004年8月発売(原型のF700は2003年発売)なので、そんなに古くもないことも事実ですが、最初に手にしたFP2300とは大違いです。ともかく、「独自の画面づくり」が顕著で、そこが人工的と嫌うひともいるものの、それこそ「デジカメらしいデジカメ」とでも言えましょう。


 描写にメリハリがある、そして色表現がどぎついくらいに鮮やか、これはすごいですね。当時のはやりで「ワイド画面」切替ですが、「ノーマルサイズ」にも設定できます。ポップアップのストロボ内蔵、さらに動画撮影も可能になっています。AVI式のMotion-MPEGなので、互換性は低く、私はこれで動画は試みたことはありませんが。
 
 欠陥をあげればもちろん少なからずあります。なにせもう10年前の製品ですから。撮像素子は1/1.7型630万ピクセルにとどまります。それでもFZ50のと同サイズだし、発売当時は画素数の先頭を切っていたようですが。もちろんここでフジが独自に用いた「スーパーハニカム構造CCD」が色表現のもとであり、またそれだけにこの撮像素子自体デジカメの歴史の中で短命に終わったのでもありますが、個性は個性です。しかしISO感度は80〜400までです(800も設定可能ですが、実質的に無理)。400ですとかなりアラも目立つので、100が常用でしょう。レンズがF2.8-5.6/7.2〜28.8mmで、そんなに期待もできませんが、悪くもありません。手ぶれ防止機能といったものはないので、暗いところではかなり無理です。
 このころのコンデジではむしろ普通だったのですが、露出はA優先・S優先・Pの選択TTL・AE、ファインダーは実像式光学ズームファインダーです。ただ、ワイド画面には対応はしません。
 
 ワイドを意識した金属様の横長ボディは意外に持ちやすく、手に馴染み、フィルムカメラの感覚で使えます。液晶画面は2.1型でワイドながらかなり暗いため、それこそ「腕のばし遠目」では撮りにくいものです。がっちりファインダーに目をつけるべきデザインです。
 電池の消耗はかなり早いですね。このころ汎用的にも使われたちいさなNP40充電池を用いますが、それにそもそも無理があるのかも知れません。
 
 いちばんの問題は、メモリがxDカードであることです。フジが懸命に売り込んでいたものでした。しかし、スマートメディア同様にxDはデファクト規格争いにまたも敗北、いまではまったく入手困難です。そもそも大容量化の競争についていけませんでした。だいたい、1GB以上なんていうのを想定していなかったくらいですから。そのため、せっかくのF810もただの箱になる危険をはらんでいます。
 
 ただ、これも近年なかのコンデンサーがへたってきたのか、電源関係の動作に不安が生じています。乾電池ではなく専用充電池使用なわけですが、それで充電してあるはずと思うのに、一枚撮ると、勝手に「電源不足」を宣言してシャットダウンしてしまう、そんなことがおこるようになりました。電池を替えても収まりません。これは不安と、2011年秋に思い切ってF810をもう一台買うことになってしまいました。そちらはネット上の販売でなんと4,280円の大安売りでしたが、外見ちゃんとしていたものの、いじってみたらポップアップするはずのフラッシュ部分がどうしても出てこない、そういうトラブルに直面させられたのです。
 フジのサービスに持ち込み、フラッシュを直して貰いました。どうもかなりあるトラブルのようです。それで修理代を合わせたら一万円近くになってしまったので、あまりよい買い物でもありませんでした。F810は店頭でもネット上でも近ごろまず見ません。好きなひとはずっと手元に置いておくし、他方で売りに出てもこんな値でしかないし、市場取引の成立しない状態に入ってしまったようです。

 
 これもキャノンA530と同じで、2020年初め、F810に電池を充電して手に取ったら、立ち上がりはしましたが、液晶画面がまともに映りません。ぐちゃぐちゃの輝線多数が走る、故障したPCの画面状態です。撮影しても同じなので、これもアウトです。

 F810はもう一台買いましたので、そちらはまだちゃんと映ります。ともかく消耗品ですね。記したように、これの写りは魅力あるのですが、動かない、撮れないんじゃ話になりません。生きている方といっても、xDカード使用では、持ち出すことももうないでしょう。

 
 

D15.パナソニックDMC-LC1 <2008.4購入>
 
 きわめて「蒐集趣味」的な買い物でした。これに59,800円も払ったのは馬鹿としか申せません。
 いや、カメラは悪くないんですよ。操作も写りもかなり独特です。「安いライカ」と言う方が妥当かも知れません。L1をそのまま縮めたような外観と操作(こっちの方が先行モデルですが)、それでも絶対に「コンデジ」とは言えないサイズ、627gの本体重量、大きなバッテリー(L1のと同じ)等々、かなりデジカメの通念を無視したつくりです(ポップアップがユニークなストロボも同じ)。2004年の発売当時には、こういうのもありだったのでしょう。


 
 AE・AFカメラなのですが、マニュアル動作にできる、大きなDC VARIO-SUMMICRONレンズF2.0-2.4/7〜22.5mm(35mm換算28〜90mm相当)使用、撮像素子も2/3型CCD5メガと大きい。なにからなにまで、35mmカメラのコンセプトをスケールダウンしたような発想でした。そういうのは日本のメーカーのアタマからは出そうにない、明らかにLC1はLeica DIGILUX 2そのものだったのです。
 
 このレンズの描写はさすがパナ=ライカで、見る人を感心させるものがあります。しかし、500万画素の画面はやはり限界見え見えで、かなり無理でした。私は「画素数競争」には批判的でも、このころの500万というのでは大きく拡大することができません。
 これも大きなイベントの際に、私は趣味的意識と言うかカッコつけで、LC1を会場に持って行っていたのですが、なぜか写真記録係などおらず、重要なスピーチの場面を、私のLC1のみが収める結果になってしまいました。しかし、90mm相当の「望遠」にしかならないレンズで、壇上の有名人をとらえても、姿がわかるだけ画像を拡大してみれば、画像はほぼつぶれ気味でとてもダメでした。そこまで期待できるようなものではありません。
 
 しかもこれの撮像素子は有名な故障がつきもの、欠陥品なのだそうで、買う前にはまるで知らずにいた私のも見事おかしくなりました。画像めちゃめちゃ、まともに写りません。それも私が手にしてからでも2年も経ってのことなので、欠陥品とまでは言いかねる観もありましたが、驚くのは修理に出したら、タダで部品交換されて戻ってきたことです。お定まりの修理対応と言うより欠陥製品のアフターケア手順になっていたのでしょう。製造からはおそらく5年以上経っていたのでしょうが。

 
 
 

D16.オリンパスE420    <2008.8購入>
 
 オリンパスの一眼レフにはいささか満足できないけれど、最大のアドバンテージは小型軽量化でしょう。そこを間違えたのがE300でした。小型軽量化の最先端が2008年4月発売のE420、なんと380gなんですから、買わないわけにいかないじゃないですか。これにパナ=ライカのでかいズームレンズをつけると、とても不釣り合いでコケそうになるのですが、それも一興でしょうか。
 アンバラコンビでムチャをすることもないはずですが、E420には手ぶれ防止機構が入っていません。オリンパスは相当早くからこれを採用していたものの、小型化のために犠牲にしたかと思われます。E420の前身、E410からしてそうです(ホントはこっちのほうが375gで最軽量だったんですが)。一方でパナ=ライカのレンズにはOIS手ぶれ防止が内蔵されているので、こういうアンバランスな組み合わせもあり得るわけです。カメラは小さいとかえってブレやすくなる傾向もあるので。


 
 2008年時点で中古品39,800円でした。当時でもかなり安いなと思ったものの、いまでは一万円台です。完全に投げ売り対象品です。発売当初は6万円くらいだったのですが。
 そんなに嫌われることもないだろうと思うのですが、ともかくオリンパスにはブランド力がないのですね。「世界最小のデジイチ」では売れなかったのです。
 
 うえのような、お遊びみたいな組み合わせを別として、E420の小ささを最大限生かすのは、ZuikoF2.8/25mmの準パンケーキ様レンズをつけることです。こうなるともう、誰もデジイチだと見てくれません。下手なコンデジよりコンパクトに見えるのです。ともかく軽さ小ささを生かし、長期の海外調査にE420を携えていったこともありました。パナ=ライカの重量級ズームレンズは持参しなかったので、手ぶれ気味のもかなり出てしまいましたが。
 
 いま、キャノンが「世界最小のデジイチ」に名乗りを上げ、X7を2013年春に発売、にわかにまた「小型化競争」も始まっています。キャノンがE410、E420を意識したのは明らかで、本体重量370g、5-10g軽いのが自慢というわけでしょう。どっちもライブビュー撮影可能ですが、さすがにE420には動画撮影は入っていませんでした。キャノンは手ブレ補正機構をレンズ側としたので、X7を含めてボディはどれでもいいわけです。その点でも、オリンパスの製品ポリシーはピンぼけでした。もちろん、時代の差で、E420の撮像素子は10メガ、X7のはCMOS18メガであります。E420は当時のオリンパスらしくCFとxD使用というのも寂しいですね。




 
 
 

D17.ニコンP6000
 
 公費購入であります。11年間で4台買っているんで、買いすぎの批判も甘受しなければならないでしょうが、P50に失敗、2008年にしてようやく「使える」のに落ち着いたところです。IXY30もよかったのですが、なにせ旧式化してきていて。


 
 これは「高級コンデジ」の典型で、ニコンとしてもかなり力を入れて出した製品です。図体も240gと小さく軽いのに、F2.7-5.9/6〜24mmレンズ(35mm換算28〜112mm相当)、レンズシフト手ブレ補正付き、並みより一回り大きい1.7型CCD13.5メガの撮像素子、スポット測光切り替えAE(P・A・S・Auto切替)8〜1/2000sec、ライブビューでもちろん動画も撮影可能、しかししっかり実像ファインダーもついていると、まあ満足できる性能です。売りは「GPS内蔵」「有線LAN接続」だったのですが、前者は試しても容易に表示できない(室内ではほとんどダメ)、後者には関心なしで、その辺にはついて行けませんでしたな。
 こういうのは近ごろのスマホでの撮影の「売り」のようですが(もちろん「無線LAN」ですが)、どうもよくわかりません。むしろ、各画像に撮影データとして、勝手に位置情報なんか書き込まれていたらやばいじゃないですか。

 
 肝心の写りは、テレ画像を含めてまあよかったかなというところですが、使っていくうちにだんだん画像が軟調になってくる、あるいはピント外すこともあるなど、不満も出てきました。こっちの扱いが悪かったのかも知れません。いろんな場面に持ち出して活躍をしてくれましたが、せっかくのライブビューも私の使い勝手から言うと、液晶スクリーンが可動式でないとあまり役に立たないとも感じました。なにせ、「腕のばし液晶画面にらみ」撮影をしない、あくまでファインダー覗いて撮る私ですから、液晶上のラブビュー画面で撮る際には、カメラの位置が通常ではない、頭上構えとかに限られるわけです。液晶画面がカメラ後部にくっついているままでは、あんまり意味がありません。また、ISO2000まで設定可能にはなっていたものの、800を超えるとまず見られる画像にはならず、特別な制約条件下での使用に限られてしまいます。コンデジならば当然なのでしょうが。

 
 P6000は大学のものだからどのみちお返ししなくちゃならない、そのときには自分用のを確保しようと思いながら、ニコンのP6000後継機は買いませんでした。写りに疑問が出てきたこともありますが、せっかく可動式になった液晶画面が妙な動きしかできず、上や斜め後ろに動くくらいに限られ、しかもそれもあってボディはどんどん大型化、あげくに2012年モデルでは400g近くの重さ、そのくせ光学ファインダー廃止と、完全に期待を裏切ってくれました(ファインダー内蔵のP6000に、なぜか外付けの光学ファインダーも当時ニコンは出していたのですが)。ですから、P6000の後継はキャノンのにしました。まったく正解であったと感じております。

 
 
 

D18.ニコンD60    <2009.4購入>
 
 早くもD40の買い換えです。
 AF-S DX 18-55mm F3.5-5.6G VR付で52,000円、ここからD40下取り代引きになりました。ですから実質3万円程度の出費でした。


 
 D60はD40に比べるとだいぶうえです。同じように、小型化のためにAFモーター省略、ペンタミラー使用などしていますが、撮像素子は10.2メガのCCDになり、またニコンにしてようやくフィルター上のダスト落としが付きました。縦走りフォーカルプレーンシャッター30〜1/4000sec、マルチパターン・中央部重点・スポット測光切換TTL開放測光AE(P・A・S・Auto切替)、シングルポイント・ダイナミック切り替えAFといった性能です。

 D60の液晶画面(2.5型TFT2.3万ドット)は動かない、またライブビュー機能さえもないというユーザーの不満の声も多いようです。ほかで記したように、私はライブビューそのものを必要とするわけではないけれど、特別なカメラアングルでファインダーを覗けない際には、液晶画面を見て撮りたいので、気にはなりますが、コンパクト機ではない以上、ある程度仕方ないかと思っております。動画撮影はついてないですが、これにもこだわりません。デジイチはあくまで、じっくり写真を撮るカメラですから。

 
 私にとって安い、軽いニコンであるD60にそんなに不満もないのですが、D40以来、ダイヤルやボタンなどの使い勝手がほかのニコン機とちょっと違うのには戸惑うこともあります。ISO設定が表に出ていません。ボディが小さくてスペースが少ないので、やむを得ないのでしょうか。AFがシンプルで、フォーカスポイントを画面で選択できないのにも戸惑うことがありますが、安いカメラでそんな贅沢を言うべきでもないのでしょう。

 
 2008年発売のD60以降、ニコンはD2桁シリーズを打ち止めにして、D4桁シリーズになってしまいました。高級/重量機のD1桁やD3桁に比べインフレもいいとこだし、実際ニコン自身も4桁が廉価版というような売り方をしないのですが、なんか違和感はあります。そんなこんなで、私はD60の後継機(と思われる)であるD3000やD3100、D3200、あるいはD5000、D5100、D5200に買い換えたいと思ったことはまだありません。ずいぶんモデルチェンジを重ね、だんだん機能も性能も上がり、撮像素子も倍の画素数、ライブビューもあり、AFポイント選択、顔センサー、そして動画も撮影(D3000系ではまだありませんが)と、上級機の内容を盛り込んできたようですが、私にはあまり関係ないことで。その分大きく、重くなってくるのでは有り難くはないのです。またずいぶん安くなってきたとはいえ、逆にD60を下取りに出してもほとんど捨て値にしかならないし、なによりニコンのデジイチのラインを持ち、D80もD90に買い換えました。ライブビューも動画撮影も付いています。ですからD60を用いる機会も限られるのです。

 D40にして、ようやくニコンの製品ラインに乗った私にして、そんなえらそうなことも口にできませんが、まあD60でもよく撮れますよ。

 

D60、売っちゃいました

<2014.01.17>


 またまた書いてることとやることの大矛盾ですが、このD60を5年足らずで手放しました。

 やっぱり当世風のスペックに比べてはだいぶ見劣りするようになったこともあります。もちろん最先端を行くに、「安い、軽いニコン」にこだわるほどのこともないのですが。而してその真相は、「後継機」の方がとんでもない安い値段になってきたことがきっかけでした。

 近ごろ、「副収入」の機会も乏しく、手元不如意で寂しい老後を送る身としては、お手軽デジイチでもウン万円も出す能力を欠き、どうにもならんと思っていたところ、D3200が信じがたい値になって並ぶようになったのです。一時の半値くらいでしょうか。ヘタなコンデジより安い、これなら大して懐を痛めずでも、買い換えなんとかなりそう、そういう判断でした。D60とD3200では、4年の隔たりをはさんで、諸次元向上が顕著なのは間違いないのですから。


 しっかし、ここでドジったですね。この辺のタイミングのまずさからして、私は株売買など「バクチとしての」市場経済活用には絶対に向いてないと、あらためて実感をします。

 2013年年末に向け、D3200がどこの店でも一斉に、トンデモ安値で並びました。それじゃあ今こそ、と思いつつ、年末の諸事に紛れ、また地方調査などもあって、あっという間に年を越してしまい、さらに家族に病人など右往左往しているうちに、なんとD3200の現物が各店頭から消えてしまったのです。もちろんこの安値突出は、もう後継機を市場に出す、そこでのメーカーの判断として、型落ち機の「在庫一掃」「出血大廉売」をやろうと決めた(それだけ売れなかったということでしょうが)、それで商品がどどっと各店に流れた、この動きの結果であるくらいは誰にでもわかるので、どのタイミングで買い換えに入るかが大切であったわけです。

 でも、私は待ちすぎでした。歳末商戦で相当に捌けてしまったらしいのです。肝心のものがなくなってしまえば、買い換え方針はほとんど無意味です。当然ながら、D3200の後継機、D3300を年明けとともにニコンは発表、そっちに顧客の関心を引っ張ろうと、一挙に走り出します。あ、これはドジったな、大失敗と、ガックシしました。D3300の各店「予定販売価格」は、「並のデジイチ」に戻っちゃうので、私にはそんなに新たに出費する意味がなくなってしまいます(大きい声では言えないけど、D3200とD3300は、「ボディの構造と材質見直し」で若干軽くなったほか、私の使い勝手上ほとんど変わらないんですが)。


 ただ不思議なことに、各販売店の店頭からはD3200は消えてしまったけれど、「注文受付中」とはなっています。もう全然どこにもありません、入手不能で売るものありませんという状態ならば、こういう表記は普通ない、商品の存在自体きれいに消されてしまうはずです。実際に某店の店頭で確認をしたら、入荷の可能性はあるということになり、それならと「予約」をしました。そうとなれば、やっぱりD60を手放すのも必要になります。「売り」と「買い」をリンクさせることは無理となり、かと言って、またタイミングを失してD60の売値も暴落することになれば目もあてられないので、若干やけっぱちで、まずD60をどどーんと売ってしまった次第です。

 私がカメラなどを売る店ではもちろん新品も含めて買えるのです。そっちが本業でもありますし、「売りの買い」をinhouseでやると、ちょっと得もする仕組みです。でもここにD3200のいまや貴重な在庫分がどっかから転がり込んでくるのはいつのことか、いやもう望み薄か、この辺は誠に予想困難でもありましたし、実際にD60売る際に、「ホントはD3200に買い換えるつもりだったんだけど、なんせ現物がないから」と申してみましたが、「いや、大丈夫ですよ、D3200間違いなく入荷しますよ」とは言ってくれませんでしたので。


 そういうことで、D60一式手放しちゃって、けれどもあとに収まるべきD3200の姿はない、ちょっと情けない状態に陥っています。



 D60手放しちゃって、あとのが入ってくるのかわからない、不安な状況が10日以上続きました。もう無理なのかな、どこにもかしこにも在庫は残ってないのかな、そう思い始めたところに「入荷」の連絡が入り、D3200買えたのです。ものごとは試してみるものです。店員の自信たっぷりは間違っていませんでした。


 この間に、店頭でのD3200に関する表示は、いっぺんに1万円以上値上がりした正札になる、「品切れ・注文受付中」の表示から、それもまた消えてしまうなどの乱高下状態が続きました。どこの店もそうですし、web上のショップでの表示も同じです。そして1月末が迫るなかで、「注文受付中」表示も消え始め、いよいよアウトかなと悲観に傾かざるを得ない真っ最中のことでした。

 しかもありがたいことに、かろうじて残る店頭表示では1万円以上も高い値になってしまったにもかかわらず、注文時の価格で構わないという仰せでした。ですから「2万8千円」(!!)、近ごろのヘタなコンデジより安いんです。まあ、うえに書いたように、そういう価格だからこそ、D60をD3200に代えようと考えるに至ったんで、これが4万円もするんなら誰が買うかい、それなら次の新製品にするよ、という成り行きそのものです。

 D60の売却代金が本体で1万円と考えれば、差し引き1万8千円で、れっきとした新品デジイチが入手できたことになります。すんごいですね。D40からD60への買い換えに比べてさえ、半額程度にとどまるのです。


 「やったぜ」観は別としても、今回のできごとに限らず、近ごろ店頭でのデジカメの値段は乱高下しすぎです。新製品の値がだんだん落ちていく、さらに型落ち寸前の旧製品がどーんと安くなるというレベルではなく、しかも下がったりまた上がったりという事態が頻発するのです。骨董品でもないのに上がるというのはどうにもよくわかりません。

 まあそれだけ、需給関係が直接に響いてくる、メーカーなどの価格統制力が低下し、販売店の裁量が容易になってきた、喜ぶべきことだというように考えるのが妥当なのかもしれませんが、なんでこんなに上がったり下がったりするのかという状況の理由もよくわかりません。それも1円刻みなどという生やさしいものではなく、昨日は3万円の値札だったのが、今日は4万円以上とかいう変動ぶりで、実質2-3割も上下しているのです。ちょっと危なそうな「ネットショップ」や秋葉ウラの店の話しじゃありません、昨今の大手量販店の店頭の実態ですよ。それも「安売り目玉」や「在庫一掃」商品、あるいは「年中店じまい」の話しじゃなく、メインの商品群として並んでいるのが軒並みに、ですから。


 その、いちばん安くなったタイミングを見定めて、ずばりリーズナブルなお値段での入手に成功するというのが、市場経済の本領発揮下での「一プレーヤー」たるユーザーの醍醐味なのかもしれませんが、あんまり嬉しくもありません。むしろタイミングを外した際の「失望感」と「自己嫌悪」には相当のものがあります。そうではなくても、「予定が立たない」面も否定できず、ご予算構想も狂いっぱなしで、ユーザーには決してありがたくもないのです。

 どういう訳なんでしょうかね。

<追記>

 こういった現象を捉えて、すぐに「コモディティ商品化」といった説明も出てきます。デジカメが小麦粉だの石油だのと同じになったとすれば、誠に大変な大転換でしょう。けれどもそういった「形容」をするだけで、なにかを説明解釈したように皆が錯覚する、しかしなんにもわかったことにはならない、そういうのが近ごろの「流行」のようにも思うんですが、どんなものでしょうか。実際、デジカメがどのように取引流通しているのか、そこにどのような変化が実際生じているのか、これを誰かきちんと説明してくれないのでしょうか。


 

  ニコンD3200

<2016.09.10>

 肝心のことを記してないですね。

 D3200は、CMOS2416万画素の撮像素子使用、JPEGおよびRAW静止画像、ペンタミラー一眼レフレックス式ファインダー、1/4000〜30秒縦走りフォーカルプレーンシャッター、TTLマルチパターンないしスポット開放測光、ISO100〜6400対応、Auto/P/A/S/M切換、TTL位相差検出AF・フォーカスポイント11点、シングルポイント・ダイナミック切換、ライブビュー撮影時コントラストAF・顔認識AF可、3型92万画素TFT液晶モニター画面、TTLフラッシュ内蔵(GN12)、MOV(H.264/MPEG-4 AVC)形式での動画撮影(これが入りました)、こんなところです。D60とそんなに違うわけではないですが、撮像素子は倍の画素数になりました。ただ、やはり液晶画面は動かないし、フォーカスポイント11点のAFはちょっと危ないです。結構外してくれます。それもフォーカスポイントは選べませんし、自分で撮るときの工夫をするしかありません。


 そういうわけで、D60とあまり変わらないもの(AFモーター内蔵レンズにしか対応しないのは、D40以来)、まあ安い軽いニコンと割り切るのみのものです。


 他方で、D60から「分裂した」、D3000系列とD5000系列、その後者ではバリアングル液晶モニターを特徴としていますので、そっちがほしいひとはどうぞ、というわけです。正直、あとで記すD750を使うと、「ニコンDX系デジイチでも」バリアングルモニターはほしいですね。もちろん、一眼レフファインダーを無視して、コンデジ同様に液晶画面腕伸ばし遠目睨みをしたいのでは毛頭なく、モニター見ながら自由な構えで撮りたい際に、ということです。しかしそれはD3200に望むことではなく、もっとうえの系列でも、という期待になりましょうか。


 実際、D3300どころか、2016年秋にはD3400も出るというモデルチェンジスピードぶり、そちらの「売り」は、スマホにすぐに画像転送共有できますとか、ISO25600にまで対応しましたとか、「ガイドモード」がありますとか、私にはほとんど関係ないものばっかしです。ですから、私の次の期待は、D90に代わるものとならざるをえませんが、その話はまたそちらで。






 

D19.オリンパスE620   <2009.9購入>
 
 E420も悪くないんだけど、もうちょっとしっかりしたのが欲しい、特に手ぶれ防止機能つきにしたいというので、ひとまわり大きいE620も買ってしまいました。本体475gですから、もう小型軽量とも言えなくなるサイズですが、それでもボディサイズは小振りです。


 
 4/3型12.3メガLive MOS撮像素子使用、B・1〜1/4000電子制御フォーカルプレーンシャッター、動画撮影可能、TTL制御A・S・P各優先AE、7点全点TTL位相差AF、2.7型23万ドットフリーアングルTFT液晶画面、ライブビュー、画像マルチセッティングなどなど、今風な機能を盛り込んでいるものの、AFポイントをいろいろいじるような藝はできません。

 E620でいちばん便利な機能は2軸可動フリーアングルの液晶画面ですね。ファインダーを覗けないカメラ構えで、ライブビューの本領発揮にはこれが絶対必要と、P6000で実感しました。E420ほどじゃなくても軽い小さいE620を自由に構え、被写体をとらえるには便利です。うえに書いたこととは矛盾ですが、あれば使えるところです。とりわけ、コンデジ並みに小さいE620ですから。

 
 中古ながら、ZuikoF3.5-5.6/14-42mmレンズ付きで60,800円払いました。これもいまにして思えば高すぎです。最近では、E620は中古店で3万円以下ですから。オリンパス製品への関心はもっぱら「ミラーレス」に移ってしまったので、これに限らずEシリーズはほぼどこでも捨て値です。
 
 E620の弱点は、いまだCFとxDメモリカード使用というところです。オリンパスとして、容易に見切りがつけられなかったのでしょう。xDはもの自体なくなっちゃったので論外ですが、CFもSD全盛のいまでは便利ではありません。CFの方が大規模データの書き込み等が早いなどという利点も当初あったらしいのですが、いまそれを実感することはなく、SDの進歩が急なので、CFであるメリットは感じられません。
 なにより、パソコンなどでSDのスロットを備えている製品はあまたあれど、CFのスロットは絶滅してしまったことは、無視できない事実です。もちろん、SDといってもスマホやタブレットなどではマイクロSD用なので、デジカメのメモリをそっちにしないとここでは使えませんが、大部分フルSDのスロットを備えるパソコンに画像データを読み込むなどの作業は日常的にあるので、SDの有利さは決定的なのです。

 それにくらべ、CFのスロットは一時PDA(これ自体が死語になりそう)の標準化したようであるものの、あっという間に取り残されマイナー化してしまいました。そのため、パソコンでCFのデータを読むには、CFスロットの付いたカードリーダをUSB接続しなくてはなりません。私は古い人間なので、PCカードスロットのあるノートPCをいまだ使っており、ここに入れるCF変換アダプタカードを使うのですが、なにせ読み込みが遅くて。たまにはCFを読み込むアダプタ類を持たず、カメラの撮影画像の処理に困ったりもする始末です。

 
 それでも、E620はいまだ(2013年現在)オリンパスの現行モデルなのですね。もちろん、「マイクロフォーサーズ」イチガンに乗り換えたオリンパスにして、Eタイプの新製品をつくる気が全くない、しかし一応製品ラインを埋めておこう、在庫はできれば売りさばこうという意図がよくわかります。要するに売れ残りということじゃないですか。しかし、ハイエンド品のE5をカタログに載せておこうという意図はわからないでもないですし、まだ店頭でも見かけますが、E620を目にすることはないのです。もう4年前の製品とオリンパスのwebサイトでは明記しているのにね。

 
 
 

D20.ニコンD700      <2010.1購入>
 
 ついに買ってしまったフルサイズデジイチ・D700であります。カメラへの物欲の究極でしょう。新品を入手する財力もない私ですから、中古の市場の値動きなどずっと見ていて、出物かなというのに飛びつきました。もちろん本当は新製品へのモデルチェンジ後の大幅値下がりをとらえて買うというのが正解なのでしょうが、それじゃああこがれて買うモーチべーション大幅低下になりますから。


 
 36.0×23.9 mm12.1メガピクセルCMOS撮像素子、マルチパターン/中央重点/スポット測光切替のTTLAE、電子制御フォーカルプレーンシャッター30〜1/8000sec、最高8コマ/secの連続撮影、51点選択のTTL位相差検出AF、3型TFT液晶画面92万ドット、ライブビュー可、そして重量995g、2000年代の掉尾を飾るにふさわしい大物買いでした。図体も重く大きく、手にずっしりとこたえます。この重さにはさすがに参ることもあります。

 しかし、多くのユーザーが実感するように、撮れる画像のクオリティは完全に違います。2008年の発売当時、センセーションを巻き起こしただけのことはあります。フルサイズであるということは、あらゆる意味で余裕十分なのですな。同じような条件下でも、ニコンなどの言うAPS-Cサイズの画像とはまるで違う、明るさ、色、またそれらのグラデーションを描いてくれます。輪郭を含めて無理な絵づくりという印象がなく、月並みながら実に自然なのです。また特に暗いところでISOナンバーを相当に上げ、無理して撮ってもノイズが少なく、十分見られるものになるのには感心します。

 

 ただ、どうも光量に対するAEの反応がおかしく、露出オーバーになる傾向もたまにありますが、機種の性格を十分に使いこなしていないのか、私の中古品に問題があるのか、わかりません。

 
 私めは、このD700を174,800円で買いました。当時既にかなり中古で出てきていて、その中での出物、これを見比べながら買ったつもりであったのですが、とんだトラブルがあったのです。持ち帰って試し撮りをしてみようとすると、ファインダーの画像がよく見えません。変だな、致命的欠陥かといろいろ調べれば、なんとファインダー接眼窓のグラスになにか塗られていて、でこぼこになっているのです。どうも、前の持ち主がここに接着剤をつけ、なにかを取り付けようとするかしたらしいのですな。不思議なことをするひとがいるものです。
 唖然として、すぐに買った店に持っていき、見せました。ちょうど店頭にあったファインダーアイピースと換えてくれました。私自身も、買い取った店も不注意であったとしか申せませんが、店頭ではグラスがちょっと曇っているのかなくらいにしか感じなかったのです。世の中、いろんなひとがいますから、中古品を入手する際にはよほど慎重にしないといけません。

 
 F100など持ったおかげで、フルサイズ対応(ニコンの言うFXサイズ)のレンズはある程度備えていました。ただ、手ぶれ防止のVRつきというのは欲しくなります。このD700の重さだと、軽すぎてぶれるというのはないのですが。しかしそこで失敗したのは、けちってサードパーティの28-300mmズームレンズなど買ったことでした。これがなんと、周辺部の像が流れるのです。いまどきこんなレンズがあるのかと驚きました。がっかりして、半年でニコン製の28-300mmVRに買い換えました。3万5千円の価格差は大きかったですね。私、サードパーティをけなすつもりはないのですが、こういうことがあると信頼できません。

 
 D700には満足しているものの、これまたいまだにCFカード使用なだけではなく、当方の歳のせいもあって、本体だけで1kg近い重さにはやはり参ります。そうなるとなかなか持ち出す気になれません。地方旅行の際などに持っていったこともかなりあるのですが、体力の消耗、動きの鈍さも自ずと生じてきて、なんのためのカメラかとも思えてきます。また、これを下げていると首にこたえるだけでなく、よほどの腕前の人間かと錯覚され、通りすがりの人たちからシャッター押して頂戴と頼まれることしきりで、うっとうしいと言うより、それでの撮れ具合では申し訳なくなってしまいます。イベントなどの際には、なんでこんな大仰なのを持ち込んでいるんだと不信の念を抱かれます。ある会場では、公式カメラマンのプロのひとと、勝手に撮っていた私とカメラは同じD700でした。

 
 あれやこれやありながらも、ここからいちばん迷ったのは、D700の撮れようからすれば中判カメラのデジタル化は要らないんじゃないか、という点でした。35mmサイズの発展形であるFXフォーマットのデジイチで撮れる画像に満足できれば、撮影条件がクリティカルでヘタをすればD700以下の出来にしかならない、しかももっと図体大きく重い、マミヤ645のデジタル化機などに何倍ものゼニを払って飛びつくのは愚策そのものじゃないか、そんな実感です。私はどこまでも下手の横好きの趣味でしかないので、金に糸目をつけずにコマーシャルフォトを撮りまくっているわけでもないのですから。

 21世紀デジカメ時代の究極は、自分の年齢と腕前相当への見直しのきっかけなのかも知れません。

 

 D700手放しました、D750に買い換え

<2016.2.22>


 手にしてから丸6年、D700を手放しました。


 いいカメラだと思うんだけど、やはり重い、大きい、老体にはこたえます。

 それに、発売以来8年も過ぎれば、各種機能性能は相当に時代から遅れてきたのは否定できません。そういうわけで、強い不満もないけれど、買い換えることにしました。

 ただ、本当はもう一年も前に買い換えを考えたのですが、この間に公私共々いろいろあり、そのうえ個人的に大ドジをやらかし、一台買えるくらいの金額を失ってしまいました。悔しいですが、自己責任とあきらめるしかなく、それでゼニがなくなったと、我慢のしどころにもなったわけです。

 買い換えの対象は、やはり連続性を感じさせるD750です。これは後継機とは呼べない、別のものだという説も有力ですが、まあ似たようなものでしょう。もちろん撮像素子はじめ、いろんなところが発展しています。メモリもようやくSDになりました。


 このD750が市販されてから、D700の方の買い取り価格はあっという間に暴落、ひところの半値以下になってしまいました。それもこれもある意味二律背反で、仕方のないところでもあります。そしてこの一年間でも、ずいぶん下がりました。

 まあそれで、D700をようやく売り、新品のD750に替えたわけです。下取りでの売りの買いから実際に払った額は、13万円余となりました。もともと中古で買ったD700でもあればこそ、このくらいで満足せねばなりません。

 手にしたD750はだいぶ軽く、小ぶりでもあって、いわゆるAPS-Cサイズ(ニコンのDXフォーマット機)とあまり大きな差は感じられません。シャッター音も違います。ライブビュー機能に加え、液晶画面がちょっと手前に繰り出し傾斜できます。ファインダー内のフォーカスポイント表示などは一段と細かくうるさくなりました。


 そんな手持ちの実感以上の「撮れ具合」はどんなものか、いまテスト中なので、まだ何とも申せません。



<以下、「その六」の方に飛んでください


 

 この「カメラ遍歴」には私自身の撮ったカメラ本体の画像を載せてきました。話が当然わかりやすくなるし、ものによっては「歴史的価値」もあったからなのですが。

 しかし、2000年代デジカメとなると、「どこにでも転がっている」「誰もが目にした」のが大半になるうえ、もう私の手元を離れ、「遺影」も撮ってないのも少なくありません。ですから、カメラの画像は「よそのをリンクさせていただく」ことにしました。サーバの容量を食いたくないこともあります。
 よそのにリンクでも、原則それぞれのメーカーの出しているカタログ画像、あるいはそれに準じるもの(販売企業や製品紹介サイトで、カタログ画像を転用していると思われる)にしてありますので、著作権云々で問題とされることはないと信じております。

 
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 2010年代の迷走は?そのへんいつ載せるかは、むしろ不明です。いまじゃないでしょ。

 その代わりに、これらのデジカメで撮った画像を加えました。それで、プロバイダから借りてるサーバの容量がパンクしたりで、ちょっと騒ぎだったのですが、それ以上に「腕のほどがばれる」のもまずいところでもあります。


  2010年代分、載せちゃいました。ぜんぶじゃなく、一部の機種の話ですが



 早速に、「どこのなにを撮った画像なのか、示してくれ」というご要望も来ました。
 こういうデータをすべて公開というわけにもいかないこともあるだろうと考えておりますが、ここで憚れることもないので、順に記させて頂きます。

                                       
FP2300久良木能舞台の庭
E5000ベルギーブルージュの水路から見る建物
IXY30タイアユタヤのワット・ヤイ・チャイモンコン寺院
E300アイルランドモハーの断崖
E500会津鉄道湯野上温泉駅
A530大阪駅前大阪マルビル
D40奥能登時国家の梅
FZ50金沢動物園のキリン
D80ヘルシンキのウスペンスキー寺院
FZ8桜と富士山遠望
S5三渓園の紅葉
P50名古屋久屋大通公園
L1神戸北野の旧中国領事館
F810横浜大岡川のダルマ船
LC1京都七條あたりの飲み屋
E420越後湯沢高原にて
P6000ソウルの東大門市場
D60鎌倉天園道にて
D32005月の三渓園
E620帯広緑が丘公園の蝦夷桜
D700横浜港みなとみらい地区を望む




その六へ