三井の、なんのたしにもならないお話 その十一

(2001オリジナル作成/2024.3サーバー移行)


 
 
なんで、「実名報道」しないんだ?

殺人「介護サービス会社」名を今すぐ知らせろ!

(追補)



 
 
 
 
 関西で、「介護サービス会社」のケアマネージャーなる人間が、その担当していた女性を殺し、カネを奪うという強盗殺人事件が起こりました。
 
 これで、「介護保険制度」もジ・エンドだな、と思いますが、びっくりするのは、この殺人容疑者N某の勤めていた介護サービス会社の社名が、どこにも報道されないのです。「報道したら、その企業に不利が及ぶ」?、当然でしょう。むしろ、この企業および経営者がなぜ刑事告訴されないのか、それが現行法上ではどうしても無理なら、天文学的数字の損害賠償を民事請求され、支払えなければ、倒産に追い込まれる、そうなるのが当たり前でしょう。
 
 これは「八つ当たり」なんかじゃありません。だって、この気の毒な被害者の老婦人は、容疑者N某個人を「信頼して」いて、それを利用され、殺されたんじゃないのです。その「介護サービス会社」を信頼し、家の様子も財産のありようもあかし、それがために、その従業員に殺され、カネを奪われたのです。強盗殺人はいかに個人の犯罪であっても、信頼を最悪の形で裏切った責任は、この「介護サービス会社」のカンバンそのものにあるのです。もちろん、こうした従業員を用いていた経営者の管理責任、犯罪を防止できなかった責任、さらにこうした企業と従業員に認可や資格を与えた行政当局の責任も重大です。
 
 ともかく、「たまたま」社員が非行や破廉恥罪や凶悪事件を起こした、そんな悠長な話じゃありません。会社のカンバンと「行き届いた介護」のうたい文句を信じ、自らの生活と財産までみんな託した、そうした善良で正直な老婦人を、仕事で担当していた輩が、つけ込んで殺した、こういう非道な犯罪なのです。まさしく「仕事」が犯罪の舞台になったのです。それが会社の責任でなければ、誰が責任をとるのですか?責任の重みがあるから、提供する商品やサービスから利益をいただくことができる、それが資本主義経済の最低限のルールでしょうが。
 
 
 それなのに、なんで「実名報道」しないんですか?ケーサツがあかさないから?現にその「社長」なる人間に「インタビュー」までしながら、社名だけは絶対に出さない、会社のカンバンにはモザイクまでご丁寧にかかっていました。

 
 それじゃあ、「殺人(介護)サービス会社」から、私たちは、自分を、家族を、守ることができません。これは消費者としての「知る権利」でさえあります。私たちは、自分や家族の命を守るには、なによりも「殺人会社」の名前を記憶するしかないのです(あらゆる「公的規制」の「破壊」を掲げる、「民活絶対」「緩和至上論者」中条某氏でさえ、言っとります。「規制をなくしたら、安全無視の危険な交通機関が横行する」などと主張して、民間企業への交通行政の規制を合理化する連中がまだいるが、そんな必要はない、そういった危険な運輸業者は消費者から見放され、市場から消えるしかなくなるのだ、それが市場の原理というものだ、と。そう、そのためにはなによりも、消費者が、「どこが危険か」を知る、「選択の自由」を行使できる、そうした情報をもてなくてはなりません)。

 
 
 これが日本のマスコミの方々ときた日にゃあ、「殺人会社」のカンバンを守るには一生懸命でも、生徒が凶悪事件を起こした学校の校長などを追及する勢いには、信じがたいものがあります。「学校の教育の姿勢」や「管理責任」を問い、ついには土下座して「社会にわびる」校長まで現れる始末*、そうです、日本のマスコミには、チューコー生などの犯罪や非行や事件はすべて、学校と教師の責任である、という「良識」がハナから浸透しきっているのです。しかし、社員がその仕事と地位を利用して行った凶悪犯罪(やはり、顧客を殺した銀行員なんていうのもいましたな)は、断じて会社の責任じゃない、その会社の名誉と信頼は、なにものにもまして守るべき「人権」だ、と。
 
 この「介護サービス」に参入して、ド派手な大宣伝でユーメイになった、虚無損(?)とかいう企業もありました。あのウン百億円の大変な広告宣伝費で売り込んだ、社名、ブランド名(怪しげなエイゴまで使って)、これにそれだけの「価値」があるのであれば、社員の殺人によって、底なしのマイナスの価値になった同業者(まさか、虚無損社ではないでしょう)の社名には、おなじだけの重みが、社会に対してあるはずです。それをマスコミが無償(? ホントはいっぱい貰っているのか)で「守ってやる」理由など、どこにもありません。それどころか、社会に対する背信行為そのものです。そんな連中がかたわら、「言論の自由」だの「人権」だのと絶叫するには、まさしく笑止千万です。 
 
 
 マスコミは、すぐにこの会社を「実名報道」しろ!!

 
 


 
* 追.万一私自身が、生徒が凶悪事件を引き起こした学校の校長だったら、マスコミ陣の「追及」に、こう答えましょう。「本当に申し訳ないことでした。マスコミレポーターの皆様方に衷心よりお詫び申し上げます。これから、毎朝毎朝、生徒には『人を殺すな、罪を犯すな』と説教をし、脳の隅々まで焼き付くよう、全生徒に唱和させます。それから、『管理教育』を徹底し、全教員に、四六時中地域をパトロールさせ、怪しいことをしている生徒を発見次第、すぐに警察に通報します。全家庭に『アポなし突撃立ち入り』して、生徒監視を実施します。」「それから、マスコミ絶賛の『バトル・ロワイヤル』完全版を学内で繰り返し上映し、全生徒に『殺しあいの実相』を学ばせます」、と。
 
 なに、それで、「校長、なにを言うか、不謹慎千万だ」などと詰め寄るレポーターがいたら、その場で、「済みません、私、辞めますから、明日からあなたが校長です。TVドラマのような『理想の教育』を是非実践してください」と申しましょう。

 

その後


 このお話、リアルタイムで「続き」が出てきます。

 帰宅したら強盗が入っていた、もとスポーツ選手カップルのKさんJさん、二人がかりの格闘で、暴れる犯人から包丁を奪い、逮捕にこぎ着けた「武勇伝」として報道されましたが、この事件、内装工事で立ち入っていた際に、こっそり合い鍵をつくり、それを使って侵入したという、とんでもないあくどさです。

 しかし、またもこの居直り強盗会社(もしくは、仕事と強盗をかねた社員を使っている会社)の社名は報道されません。したがいまして、我々はこの会社並びに社員から、どうにも身を守るすべがありません。


 それから、大新聞におどる大見出し、「小学校教師、生徒に『殺人法』を教育!」という大事件です。

 ま、包丁振りかざしての無差別殺人犯から身を守る方法じゃなかったようですが、まったくもって絵に描いたようじゃありませんか。日々、TVで、コミックで、映画で、あきることなく繰り返し繰り返し、殺人方法を克明に描いてみせ、また『バトル・ロワイヤル』=中学生が孤島で殺しあいをしてほとんど死んじゃう映画を絶賛、これへの批判のひとことにも激怒し、「言論弾圧だ」「表現の自由を守れ」と絶叫、「こういった映画をみせることこそが、青少年の凶悪犯罪を防ぐ道だ」と胸を張るぬけさく監督とかいう人物の言を、手段を尽くして周知徹底させたマスコミのみなさん方には、「学校の教師が殺人方法を演じてみせる」などという、天をおそれぬ不届きな振る舞いには、怒り心頭に発するわけです。「それはオレたちの仕事だろ、教師は黙って「建前」の念仏を唱えていろ」というのでしょう。

 マスコミ報道の原則にならっていえば、「殺人方法をマスコミが演じるのは、当たり前、犬がひとに噛みついた以下、一方で教師がそいつをやるというのは、ひとが犬に噛みつくがごとき大事件」とでもなるのでしょう。

 マスゴミは早くくたばってください。それがせめてもの懺悔というものです。




 この件、いつまでも続きますなあ。


 ジョーダンでなく、青少年同士が殺し合う映画(ビデオ?)を教室で放映したかどで、マスコミのキューダンを受けた教師もいました。

 残念ながらこの人、私ほどズーズーしくないので、「マスコミ絶賛の教育的映像を流して、どこが悪いんだ?」、「あんたたちはいつでもどこでもこんなのやっているじゃないか」とは言わなかったようです。


 そのあとは、ついに、ツーショットダイヤルで知り合った女子中学生を車内監禁、高速道路上で突き落とし(当人は「自分で落ちた」と言っている)、死なせた中学校教師まで登場し、世間あげての非難と憎悪と軽蔑の対象になっています。

 たしかにとんでもないヤツです。恥知らずにもほどがあります。

 でも、マスコミのみなさん、この凶悪なる容疑者の「勤務先」は絶対実名報道しちゃいけないんですよね?「人権」は守らなっくっちゃあ。




2004年の成果


 2004年5月、マスゴミの努力の顕著な成果が現れました。

 某中学校のバカ生徒どもが、『バトル・ロワイヤル』のマネと称して、3月末に学校の放送室を占拠するなどし、映画の音楽やセリフを流し続けたとか。


 まったく「アホちゃうか」ですが、不思議なのはこの偉大な成果に、マスコミ連中がみんな黙りを決め込んでいることです。ぬけさく監督とかいうのはもう本人自身死んじゃいましたので、そのコメントを頂戴するわけにもいきませんが、あのとき絶叫し続けていたちくわてつやとかいった連中がなんにも言わないのはあまりに無責任に過ぎるんじゃないですか。

 せめて、「こういったアホが出てくる確率は天文学的なレベルだから、『バトル・ロワイヤル』普及で暴行や争いを思いとどまった青少年の数は限りない」くらい言い訳したらどうなんですかね。ついでに「イラクの中心で『バトル・ロワイヤル』を上映しよう」と呼びかけたら?あるいはかつての『朝日ジャ』(「全国全共闘」準機関誌)編集長の精神をふるいおこし、「警察権力の弾圧反対、全国の中学生よ実力蜂起し、学校を封鎖しよう!!」と叫んでもいいんじゃないですか。





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