あるお寺から葬儀屋に配られた書面があります。それには概ね、次のように記されていました。
1.お布施の三割は、葬儀社様にお礼はとしてお渡しします。
2.宗派宗旨に関係なくお勤めします。
3.その他、種種葬儀社様の指示に従います。
これを読んでどう思われるでしょうか。これでは、このお寺は葬儀社の下請けでしかありません。また、この書面を配った寺院は、某県では大きな寺院として知られています。経済的な理由なのでしょう。どのような理由でこのようなことをするのか理解に苦しみますが、これが一般人々に次のような悪影響を与える可能性があります。
1.お布施は本来、額の決まったものではありません。ですから、金額の多寡は問題になりません。けれども、このように三割が葬儀社に返礼される場合、葬儀社がお布施を多めにお客に伝える可能性があります。お布施が多いほど、葬儀社の手取りが増えるからです。
2.宗旨宗派を問わずに葬儀を引き受けてしまう為、本来のご供養が出来ない可能性があります。葬儀社は自分の付き合いのある僧侶の中から、返礼の多い僧侶を選ぶからです。
このような問題がありますが、もっと考えれば、税金の問題も絡んできます。葬儀社に返礼として渡される金額は、数年前、関西の某葬儀社では数億円にのぼったと言います。これらは脱税の温床になっているのではないでしょうか。
真面目な葬儀社、僧侶も多いですが、悪貨は良貨を駆逐すると申します。不当な不満を抱え込まないようにするには、普段からの準備が必要でしょう。 (戻る)
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