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ミュージカル物語

 らくだのダンスに出演

2010.09.23. 掲載
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目次
1.はじめに
2.出演の承諾から公演までの流れ
3.ミュージカルが作られていく過程
4.ミュージカルを作る人たち
5.公演雑話
6.出演に向けた私の努力
7.出演した場面の写真集
8.観劇された方々の感想
9.まとめ


1.はじめに

9月4日(土)5日(日)に3回公演があった「ミュージカル らくだのダンス」に出演した。

プロの役者や歌手、ダンサー、オーディションを合格した人たちに混じって、ずぶの素人がただ一人、ミュージカルに参加するというのは非常に珍しいことだと思う。ミュージカルは好きで、よく観劇してきたが、それに出演したこと、それが作られていく過程を、4ヶ月間にわたって見聞できたことは、貴重な体験であった。

私はこれまで、このサイトに、この種の記録を「○○物語」として残してきた。「パソコン物語」「私の入院物語」がそれだ。それらに、今回の「ミュージカル物語」を加えて、物語シリーズ3部作にしようと思う。いずれも、思いがけなく遭遇することになったことばかりである。

まず、私がこのミュージカルに出演することになったいきさつを述べる。
4月20日(火)の夜、夕食を終えたところで、このミュージカルの歌唱指導を担当された新森美加先生から電話があった。「今度公演するミュージカルの初会議の最中ですが、このミュージカルに参加して、美しき国・美しき人という曲を1曲歌っていただけませんか」と言われる。約3年前から、新森先生が指導して下さっているコーラスに参加しているが、これは今年のコーラスのコンサートで歌った曲だ。

新森先生のご主人の五代文悟先生が、このミュージカルの原作と作詞作曲をされたことは知っていたが、ミュージカルはプロや、オーディション合格者が出演するもので、私のようなまったくの素人の出る幕ではないと思っていた。だから、このお話には驚いた。

役は、このミュージカルの主人公のお祖父さんで、らくだ王国の長老である。このミュージカルには欠かせない存在らしい。その役に当たる人が見つからず困っていると先生が仰るのを聞いて、即座にお引き受けした。それに対して、先生の喜ばれた声が強く印象に残っている。

この電話の3日前の4月17日(土)のコーラスは、直前に先生が不整脈発作に襲われてレッスンがなかった。コーラスのメンバーは、原因は過労ではないか、こんどのミュージカルも関係してしているのだろうと話し合った。そして、お見舞いのメールを差し上げ、お礼の電話をいただいたのが、この電話の前日4月19日(月)である。

困っているからと頼まれると、しんどいとは思っても引き受けてしまう性分だが、それと同時に、この話を運命の女神と思ったように覚えている。運命の女神は前髪しかない、とっさにその前髪を掴んで、その幸運を逃がすまいとしたような気がしているのだ。

あとで、新森先生からお聞きしたところでは、40何歳かのプロが、らくだの長老の候補だったそうだが、若過ぎて、主人公の祖父にはふさわしくないと取りやめになったらしい。それに対して、歌は素人だが、74歳という年齢、白髪、風貌が長老にふさわしいという理由で私を選ばれたのだろう。



2.出演の承諾から公演までの流れ

今回のミュージカルに関連した項目を、稽古を中心に、時間経過にしたがって表にまとめた。●印のついた項目は稽古または稽古の見学を示す。ソロ曲というのは、私がソロで歌う「美しき国・美しき人」を稽古で歌った累計回数。ダンスというのは、3種類のダンスをすることになったが、その稽古の累計回数。演技というのは、台詞を言う場面が1回あるが、その稽古の累計回数である。なお、コーラスは4曲歌ったが、これについては省略した。

私は、ミュージカル出演を承諾したときから、「ミュージカルに出演の経過」というテキストファイルを作り、関連したことがらをメモとして記録してきた。その内の主要な内容を、1行にまとめたものがこの表で、この「ミュージカルに出演の経過」メモのインデックスとして役立つほか、経過全体の把握や、このミュージカル物語を書くにあたっても重宝している。

表1.ミュージカル公演までの経過

月日 内容 ソロ曲 ダンス 演技
04/20(火) ミュージカル出演を承諾
04/22(木) 譜面と音源をメールで受領
 
05/08(土) ●歌稽古(京橋スタジオ)
05/10(月) ●ダンス見学
05/11(火) ●演技見学
 
06/05(土) ●歌稽古
06/20(日) 「砂漠の王様」コーラス譜をメールで受領
06/22(火) ●大塚氏全曲を聴き、時間をおいてキャスト発表
06/24(木) 3曲の譜面をメールで受領
06/25(金) 2曲とコーラス1曲の譜面、キャストをメールで受領
06/28(月) ●プログラム用顔写真撮影、関係者用のサイトを知る
 
07/01(木) 「祈り」のカラオケ音源がサイトに掲載
07/04(日) 「らくだのダンス」の台本第一稿をメールで受領
07/05(月) カラオケ数曲の音源がサイトに掲載
07/07(水) ダンス練習用動画がYouTubeに掲載
07/09(金) 「Drマルの説教」新バージョン音源がサイトに掲載
07/10(土) ●スケジュール発表、「美しき国」新バージョン
07/12(月) 「ラクダのダンス」のカラオケ音源がサイトに掲載
07/14(水) 「モンスターコブラ」の音源がサイトに掲載
07/16(金) 「We Love Ruciana」のカラオケ音源がサイトに掲載
07/17(土) ●歌稽古、「ヤンキーモンキーベイビー」の音源掲載
07/18(日) 「旅人」のカラオケ音源がサイトに掲載
07/19(月) ●ダンス稽古と見学、オープニングシーンでダンス初体験
07/20(火) ●演技見学、砂漠、アッシュ、ラベンツをYoutubeにアップ
07/21(水) 「ハローダ」のサイズを延長
07/24(土) 音源いくつかの変更
07/27(火) ●演技見学、西浦先生から「美しき国」編曲予定を聞く
07/31(土) ●歌稽古、「美しき国」にオブリガートが付くことになる
 
08/02(月) ●ダンス見学、タイガー・コージと台詞の読み合わせ
08/04(水) 「Dr.マル」ダンスをYoutubeにアップ
08/07(土) ポスターを見せていただき、PRチラシをいただく
08/08(日) 中之島のBOWに、「らくだのダンス」のチラシを掲載
08/09(月) ●演技・ダンス見学
08/10(火) ●演技・ダンス見学、仮歌ありの3曲を掲載
08/14(土) ●全体稽古(エナージーホールリハ室)
08/16(月) ●初めての大塚氏によるシーン11の稽古
08/17(火) ●演技・ダンス稽古と見学、スターダストのダンス 3〜4
08/19(木) 「公演用SIZE」の音源掲載
08/20(金) ●全体稽古、「美しい国」オブリガードと歌い合わせ 5〜6
08/21(土) ●歌稽古、オブリガード変更、旅人コーラス、衣装完成 8〜10
08/23(月) ●「らくだのダンス」のダンス、シーン1〜3通し稽古 7〜8
08/24(火) ●シーン5が中心、6、7の途中まで
08/26(木) バンド用スコア掲載
08/27(金) ●全体稽古 出番増える(エナージーホール・リハ室) 11 9〜12
08/28(土) ●通し稽古(エナージーホール・リハ室)タイガー熱演 12 13〜17
08/29(日) ●全体稽古(さつきホール)稽古時間の短縮を願い出る 18〜21
08/31(火) ●全体稽古(エナージーホール・リハ室) 13 22〜25
 
09/01(水) ●衣装付け、通し稽古、バンド演奏(さつきホール) 14 26〜30
09/02(木) ●ハンドマイクを使いバンド演奏で歌う(さつきホール) 14〜15 31〜38 8〜9
09/03(金) ●ワイアレスマイクを試せなかった(エナージーホール) 39〜41
09/04(土) ●メーク、リハーサル、17:00より公演 16 42〜44 10
09/05(日) 13:00と17:00の2回公演



3.ミュージカルが作られていく過程

ミュージカルが作られていく過程は、これまで思っていたこととかなり違っていた。それを実体験で知ることができたのは大きな収穫だった。

●原作原曲

ミュージカル 「らくだのダンス」の原作は、五代文悟著2005年出版の単行本「らくだのダンス」である。これは最初からミュージカル化を念頭に置いて書かれたようだ。原曲の作詞作曲も五代先生であるが、これらがいつごろ作られたものかは知らない。私が歌った「美しき国・美しき人」と、最後に全員で歌った「歌いましょう」は、私がコーラスを始めた約3年前には既に譜面をいただいていた。

●ミュージカルの具体化

演出家大塚氏との出会いのことなどは知らないが、3年前に五代先生の奥様で、今回のミュージカルの歌唱指導を担当された新森美加先生が、コーラスの席で、ミュージカル化のお話を何度かされていた。だから、その頃には、具体的な動きが進行していたのだろう。

●オーディションの終了

ミュージカルのオーディションが今年の4月11日に終わり、担当スタッフの最初の会議が4月20日に開かれた。その際に、らくだ王国の長老オージタの役が決まっていなくて、新森先生から電話で打診され、お受けしたことは、1.はじめに のところで述べた。

このミュージカルのメンバーに加わってから、5月8日の歌稽古に参加し、10日のダンス、11日の演技の稽古は見学した。歌は最初に発声練習を30分間行ってから、頂いている楽譜約10数曲について、譜面を中心にレッスンを受けた。ダンスと演技はどちらも第1回目だったせいか、ダンスの稽古は屈伸運動ようなもの、演技はゲームのような遊びが中心だった。

6月5日にもう一度歌稽古に参加したほかは、キャスト決定の日まで、私は稽古も見学にも行かなかったが、オーディション合格のメンバーは毎週、土、月、火の3日間に激しい稽古を続けたようだ。

新森先生は、歌の稽古の際に、台本ができあがるまでは、これらの歌が実際に使われるかどうか、どのような場面で使われるか分からないし、歌詞も変わるかも分からない。登場人物も、全部が取り上げられるどうか、分からないし、ストーリーも変わるかも分からない。一旦演出家の手に渡ると、原作がどのように処理されても、お任せするのがルールだと仰る。そのことにまず驚いた。

●キャストの決定

6月22日に演出家の大塚氏より、こんどのミュージカルのあらましの説明があった。基本的ストーリーは、キャバレーの老支配人が、「おれは、むかし、ミュージカルスターだったんだ、こんな友達がいたんだ」と言って、ピータムと出会ったところから、最後にミュージカルをしようという話になったということを、2時間ばかり、歌とダンスと芝居も含めて見せるのだと話された。

それに続いて、キャストが発表された。この時までは、オーディション合格者が中心になって、このミュージカルを作るのだろうと、漠然と思っていた。しかし、発表されたキャストの中には、知らない名前がたくさん出てくる。ゲストの役者、ダンサー、歌手はプロのようだ。

オーディション合格者だと思っていた主役のピータムはプロの歌手、その友人のルーピーもフリーの役者であることをあとで知った。また、オーディション合格者は、一人で何役も掛け持ちをする者がいたり、声だけの出演者もいることも知った。

原作「らくだのダンス」の登場動物を調べてみて、キャストとまったく同じであることを確かめた。このことから、台本には原作と同じ動物が登場することは予想できた。

ミュージカルの稽古が進むにつれ、演出家大塚氏のキャスト選択の正しさが、よく分かってきた。歌、演技、ダンスの能力だけでなく、それぞれが持つ個性や雰囲気なども充分把握した上で決定されたと思われるのだ。台本も、原作のストーリだけでなく、このキャストのイメージも加えて書き上げられたのだろうと想像した。

6月28日には、らくだのダンス関係者用サイトが開設され、以後、音楽関係のデータはここからダウンロードできるようになった。歌に関しては、新しい歌の追加、バージョンの更新、伴奏(カラオケ)の追加、変更などがこのサイトに掲載された。ダンス用音源もここに掲載された。おまけとして、ダンス練習中のビデオが、YouTubeに掲載され、このサイトを通じて、ダウロードできるようになり、ダンスの確認や自習に便利になった。

●台本の完成

7月4日に台本の第1稿をメールでもらった。いよいよ、ミュージカルとしての稽古が始まった。ここからの稽古は、演出家が中心となり、台本の順にしたがって、部分稽古が続けられた。

大塚氏は、稽古に当たって、どのような状況かを説明し、立ち位置などの指示はするが、細かな指導はほとんど行わない。台詞の指導も滅多になく、所作も本人任せのように見えた。しかし、それではお客さんには理解できないとか、相手の台詞や行動に対する反応(リアクション)がおかしいなどの注意はある。デジタルでなくアナログでという指示も何度かあった。

そして、その答えは、自分で考え、イメージを作り、解決するように仕向ける。教えてもらうのではなく、自分で創りあげていくことが常に求められていた。

うるさいと言われるまで声を大きく出すようにとか、最高に盛り上がれとか、身振りでめっちゃ嬉しい気持を表せとか、本当に笑っている表情を続けろとか、芝居がかったという言葉の由来が分かる指示も時々あった。これは、お客様に分かってもらえることの大切さを教えたのだろう。

台詞の一部が削除されたり、別の台詞が追加されたり、と書きの一部削除があれば、一部追加もあったり、何もかもがどんどん変わっていく。役柄を担当する人間も端役はかなり変わった。これは、歌についても同じだった。歌詞が変わったり、伴奏が変わったり、長さがかわったり、歌う人間が変わったこともあった。ダンスについても変化はあったようだが、関心が少なかったので、よく分からなかい。

このようにして行われた部分稽古は、その途中で、演技の変更や細かい演技が加わり、回を重ねるごとに要求されるレベルが高くなって行った。

●全体稽古

8月7日に、公演のポスターとチラシができあがり、この頃からほとんどの者が台本を見ず、暗記で台詞をしゃべり、暗譜で歌ようになってきた。8月14日に全体稽古が始まると、自分のイメージで役を演じ、自然に笑いがあふれている。それまで大塚氏や、ダンス指導の柿谷さん、歌唱指導の新森先生が、口を酸っぱくして繰り返していた、「もっと笑顔で!、蛸のような口をしない!、最後まで自然な笑いを!」の注意が必要でなくなっていた。もう、誰もが身体で、このミュージカルの稽古を楽しんでいるように見えた。

●通し稽古

8月28日に、最初の通し稽古があった。これはミュージカルの最初から最後までを、中断することなく通して稽古することである。この頃から、稽古の回数が増え、メンバーのテンションは高まり、熱演、好演をするようになった。

●リハーサルと本番

本番とまったく同じ条件で行う本番前の通し稽古をリハーサルと呼ぶ。いろいろな事情が重なり、9月4日、本番初日の直前に、これは行われたが、成功だった。舞台から見える広い会場に気分は高揚し、初めてつけるワイヤレスマイクの効果に感動し、素晴らしいバンドの生演奏に興奮した。

そのハイな状態で本番公演に突入した。誰もがいつもと同じかそれ以上の歌、ダンス、芝居を演じることができたのではないかと思う。私の場合、初日はいつもの100%、楽日の昼は98%、夜は110%くらい発揮できたと思っている。この夜の公演では、メンバーが思う存分楽しんでいるのが良く分かった。これまで見たことのないアドリブを何度か目にし、私も思いを一杯込めて声を張り上げた。満足だった。

以上のような経過でミュージカルが作り上げられていくことを実体験できた。最初の出発点から、どんどん変化、発展し、スタッフとメンバーが一体となって、自発的に巨大な演技集団、踊る集団、歌う集団に変身していく。まさに、新しい世界の創造だった。



4.ミュージカルを作る人たち

●制作スタッフ

以下は、Web検索で得た情報をまとめたもので、信頼性を保障するものではない。

◎原作・作詞・作曲
五代文悟(フックラック)
らくだのダンス [単行本] 発売日: 2005/05
何よりも好きなダンス、そして音楽。お互いを認めあって、わかりあえば何もおそれる物はない! 踊ろうよ、らくだのダンス…。「らくだのダンス」「ダチョウの空飛び冒険旅行」の2編を収録。


図1.らくだのダンス表紙

神戸生まれ。作詞・作曲家。現在、作詞作曲のほかにプロデュース、コピーライター、講師等音楽に関する仕事を中心に幅広く活動している。

◎脚色・演出・演技指導
大塚雅史
1966年生まれ。
関西大学入学とともに演劇研究部に入部。役者志望から、演出に変更。作家、演出家、照明デザイナーとして精力的に活動を続けている。

◎編曲・音楽制作
西浦誠司
京都音楽院講師、ヤマハ音楽院大阪講師としてコンピューターミュージックを教えている。DTMのスペシャリスト。ピアノとギターの両方の弾き語りをするシンガーソングライター。

◎歌唱指導
新森 美加(フックラック)
大阪府出身
実力派歌手、有名TVタレント、お笑い芸人らのヴォイストレーナーとして幅広く活躍中。一般向けの教室も開講し、広く支持されている。私は、その一つであるハートリー合唱団でコーラスのレッスンを受けている。

◎振付・ダンス指導
柿谷結衣
大阪府出身
3歳になる頃、クラシックバレエを始める。 その後、様々なジャンルのダンスを学び、現在に至る。 主にJAZZインストラクターとして活動しながら、様々な公演やイベント(ダンス、芝居、ミュージカル等)、バックダンサー、CM、ウエディングショー等に出演し、また振付家としても、活動の幅を広げている。

◎制作
武内奈緒(劇団赤鬼)
劇団制作を担当。劇団運営会社にてイベント業と制作業務で日々精進。


●出演者

◎役者
松村里美(フリー)
ルーピー・ハリス(キツツキのルーピー)

宮川サキ(sunday)
1969年生
年老いたルーピー(「ロックオン」の支配人)

坂口修一(フリー)
1975年生
ドクター・マル(ヤギの医者)

行澤 孝(劇団赤鬼)
1979年生
ワイルド・ボーおじさん(サイのパスタ店オーナー)

山口尋美(劇団赤鬼)
1980年生
マビット・サムソン(ダチョウ飛行隊隊員)

豊田真吾(デス電所)
32歳
ヤンモン・ターナー(手長ざるヤンモンファミリーのボス)

Sun!!(ミジンコターボ)
25歳
ウィリー・ラバンス(白タカのルシアナ調査隊隊員)

◎歌手
藤田剛充(SORANO)
ピータム・ホワイトキャリー(らくだのピータム)

川本 勇(U★TIME BAND)
ラベンツの男(ピータムをひき逃げした男、唯一の人間)

◎ダンサー
minimum
モンスターコブラ・ラムラム(ダンス)
象軍団(ダンス)

中村真美
(ラベンツ・ダンサーズ)

藤野恵美
(ラベンツ・ダンサーズ)

中村摩耶
(ラベンツ・ダンサーズ)

◎オーディション合格者
吉留 桜
らくだ救急隊隊員2
ワイルド・ボーおじさんのパスタ店の客

西村 恵衣
らくだ救急隊 隊員4
ワイルド・ボーおじさんのパスタ店の客

中坂 利予
らくだ救急隊 隊員3
ワイルド・ボーおじさんのパスタ店の客

吉村 愛香
ダチョウ飛行隊 ナニーナ
ワイルド・ボーおじさんのパスタ店の客

木下  彩
らくだ救急隊 隊員1
ワイルド・ボーおじさんのパスタ店の客

岩坂 鈴香
ダチョウ飛行隊ソントク隊長
ワイルド・ボーおじさんのパスタ店の客

碇山 葉子
ダチョウ飛行隊 サンチョ・ロナルド・シーガー
ワイルド・ボーおじさんのパスタ店の客

若林優稀子
テナガザルのロキシム・ターナー
ショー・パブ『アッシュ』 客引きの女3

立花さゆり
ローピー・ハリス

あにーた
ジュディ・サルーン・サムソン
ラベンツ・ダンサーズ4
ショー・パブ『アッシュ』客引きの女1
どろんこシスターズ

川崎 真理
キリンのロッティー・サミエル
ショー・パブ『アッシュ』 客引きの女2
ワイルド・ボーおじさんのパスタ店の客
ラベンツ・ダンサーズ

橋本 祐輔
タイガー・コージ
ワイルド・ボーおじさんのパスタ店の店員
どろんこシスターズ

西本 明弘
モンスターコブラ・ラムラムの声

桐生 隼人
カバのダダッコ・ケルナー
ワイルド・ボーおじさんのパスタ店の客

牧野 篤史
殿様ガエルのステップ・タスケ
ワイルド・ボーおじさんのパスタ店の店員

◎素人
野村 望
1936年生
長老オージタ(ピータムの祖父)


●本番を陰で支える人たち

◎衣装デザイン・製作
植田昇明(シアターシンクタンク万化)
公演の衣裳を担当。現在は、様々な関西小劇場の劇団の衣裳も担当している。既製品を今までの固定概念から外れた方法で組み合わせたり、独特の色彩感覚でまったく新しいスタイルを作り出すその才能は、今後の活躍が大変期待されている。

◎宣伝美術
学校法人山口学園ECCコンピュータ専門学校
ポスター、チラシ、プログラム制作を担当


図2.ちらし表と裏




図3.プログラム

◎舞台監督
久保克司(スタッフステーション)

◎音響
とんかつ(とんかつ音房)


図4.客席後方に設置された音響調整機器

◎生バンド
ピントンバンド 指揮西浦誠司
西浦誠司の教え子たち7名

◎照明
デザイン:大塚雅史(DASH COMANY)
オペレーション:加藤直子(DASH COMANY)

◎メーク
学校法人山口学園ECCアーティスト専門学校




5.公演雑話

●舞台と舞台裏の構造

舞台裏というのは、客席より見えない、舞台の裏側の部分を言い、客席・ロビーをのぞく舞台上以外の場所のすべてを指す。


図5.客席側から見た舞台全体 右側を「上手」、左側を「下手」と呼ぶ



図6.客席側から見た上手舞台袖 客席から見えない様に作られている場所

客席から舞台裏や袖中などでの姿やスタンバイの様子などが見えてしまうことを見切りという。
舞台前にある白い四角形は位置を示す標識で、中心から左右に1〜6の番号が付けられている。



図7.上手舞台袖の一袖、上手舞台前に出る者は、ここで出番を待つ



図8.上手舞台袖の二袖、上手舞台前に出る者は、ここで出番を待つ



図9.上手舞台袖の三袖、バンドのメンバーの出入りに使う



図10.上手下手を繋ぐ裏通路 両脇に道具が積み上げられ、人一人がなんとか通れる広さ



図11.舞台と舞台裏の模式図


●楽屋ばなし

これまでに楽屋の中に入ったことは2度あるが、自分用の楽屋が与えられたのは今回が最初だ。男性ゲスト用と書かれた楽屋に、役者の坂口、行澤、豊田さんと、歌手の川本、藤田さんという5人のプロに混じって私も入室を許された。ここで、食事や舞台衣装との着替え、出番までの時間待ちなどを行う。


図12.同じ楽屋の住人 左から、私 坂口 藤田 川本


本番前日の9月3日に、はじめてこの部屋に入り、坂口さん、行澤さんのお二人と雑談をした。

先生は、毎朝うどんを食べるそうですね、ほんとですか?
ほんとです。結婚以来43年間ずっと続けています。家内はパン食ですが、、、

どうして、そんなことをご存知ですか?
昨夜、食事のあと話題になったのですよ(どうやら、発信源は新森先生らしい)

ところで、大阪で美味しいうどんのお店はどこでしょう?
知りません。私はいつも家内の作るうどんを食べています。

それから、夜は腹いっぱい食べて、ビールも腹いっぱい飲まれるそうですね?
健康に悪いのではないですかと尋ねたら、これでずっと健康だったから、これで良いのだと
言われるそうですが、本当ですか?
本当です。(呆れた、医者の不養生じゃないかという顔)

(舞台衣装に着替えていたら、私の下着を見て)
白いですね!!(白いデカパンに驚いたようだ)
おかしいですか?
いや、きれいです
学生のときから、ずっとこれですが、、、

(しばらく間を置いて)
先生は一度決めたら変えない主義ですか!?
主義とまでは思っていませんが、そんなところはありますね

それじゃ、結婚も同じですか?
そういえば、そうですね。家内とずっと仲良くやってきました
(呆れたという顔、役者さんには考えられないことなのだろうか?)


●衣装

6月3日に服と靴のサイズの問い合わせがあり、8月21日に出来上がった。その舞台衣装は、らくだ王国の長老にふさわしい衣装で、すっかり気に入ってしまった。大塚氏は、衣装は、ぬいぐるみではない、キャッツのようなメイクでもない、造形的にその動物に持っていくのでもない。そのキャストでイメージしてもらった人間的衣装(スーツとかジーンズとか)になると、言われたが、なるほど、これがそれなのかと納得した。

衣装担当の植田昇明さんは、すごい人だと新森先生は仰る。そのキャストのイメージを五大先生から聞き取り、それをメモして、自分で縫い上げる。その手際がすばらしい。私などよりもよほど素早くボタン付けをしてしまうと仰るのだ。

稽古のあと、全部の衣装を持ち帰り、洗濯をして、公演前に楽屋に届けてくれ、傷んだところは、その場で直してくれるのだからありがたい。カラフルで、それでいて品が悪くないのは、センスの良さだろう。

●メーク

生まれてはじめてメークを受けた。リハーサル室に20名近い女性が待っていて、一度に6名くらいのメークが行われる。それが終われば、別の女性群がマニキュアをしてくれる。出番を終えて戻ってくると、舞台の袖にはティッシュを持った女性たちが待っていて、汗を軽く拭き取り、扇いでくれる。何もかも初体験だった。




6.出演に向けた私の努力

●時間が許す限り稽古を見学

ミュージカルが作られていく過程を知りたくて、5月8日から30回稽古に参加した。その内、見学だけが10回あった。これによって、ミュージカルは、自分が思っていたのとは違うやりかたで創り上げていく、壮大な共同作業の産物であることを知った。そのことは、3.ミュージカルが作られていく過程で詳しく述べた。


●メンバーの情報を得る

スタッフや出演者の情報を得るためにWeb検索を専ら利用した。これによって、役者、歌手、男性ダンサー3人組の情報は何とか見つかった。オーディション合格者は、ビデオ撮影から顔の静止画像切り出し、名前と役名をつけ、図のような顔写真集を印刷して台本に挟み、名前と顔と役柄を覚えるようにした。



図13.メンバーの名前、顔、役柄一覧


●ソロで歌う歌

ソロで歌う「美しき国・美しき人」を歌ったのは、4ヶ月間の稽古でわずか16回だった。以前コーラスで歌ったのと歌詞が一部変わり、伴奏も新しいものに変わり、さらに、女性のオブリガートが付くようになった。歌った16回の内の何度かは伴奏よりテンポが速くなることがあったが、新森先生は、生バンドがフォローしてくれるので、思う存分に歌えば良いと仰って、歌い直すことは一度もなかった。

役を降りると言われたら困るから、注意をされないのかとも思ったが、コーラスで約3年間、私の歌を聴いてこられたので、私を信頼して下さっているのだと思うことにした。

この歌は、初めて歌ったときから、メロディーも詩も好きで、歌いやすかった。年老いたものが、生きることの素晴らしさを若者に語り、自分を育み守ってくれた世界と、共に生きてきた人々に感謝し、讃える内容である。まさに今の私の心境である。

このミュージカルでは、長老オージタが歌うこの曲を聴いた獰猛なタイガーが、生きる喜びを覚り、生き方を変えることになる重要な歌である。

歌う歌の内容が自分の心境と同じであることと、聴く者にそれが伝わるということは別の問題であろう。そこで、よりよく伝えるための歌い方を、自分で創っていくことにした。これまで、歌は自分の好きなように歌ってきたので、表現の仕方を考えたのは、これが初めてである。


美しき国・美しき人
(全体にクラシック調で、格調高く歌い上げる)

大空翔る夢
描いた若い日に (「に」を充分に延ばす)
美しき、国に生まれた、 (語りかけるように)
しあわせを誇りたい (「い」を一杯に延ばす)

幾年を越えて
重ねた知恵幾つ (「つ」を充分に延ばす)
訪ね来る、若き力に、 (語りかけるように)
微笑みで応えたい (「い」を一杯に延ばす)

この国に生まれ (なめらかにやさしく)
空と海につつまれ (なめらかにやさしく)
愛を育んできた (「た」を延ばし過ぎない)

この国が好き (思いをこめて、フォルテで、「き」を最大限に延ばす)
美しき国 (少しトーンを落として)
美しき人 (「と」は少し延ばす程度)

いにしえの夢に
揺れ動く弱さ (「さ」を充分に延ばす)
美しき、人のぬくもり (語りかけるように)
忘れずにいたいから (「ら」を一杯に延ばす)

旅立つ鳥の群 まだ来ぬ人を乞い (「い」を充分に延ばす)
時を行く、四季の輝き、 (語りかけるように)
春の日を届けてよ (「よ」を一杯に延ばす)

この国に生まれ (なめらかにやさしく)
山と河にかこまれ (なめらかにやさしく)
愛に守られてきた (「た」を延ばし過ぎない)

この国が好き (思いをこめて、フォルテで、「き」を最大限に延ばす)
美しき国 (少しトーンを落として)
美しき人 (リタルランド、「人」の前でブレス、「と」を8拍まで延ばし>で終わる)

そのほか、伴奏を聴くように注意することと、歌詞を間違えないための努力を続けた。


●コーラスで歌う歌

7月4日(日)に台本を受領するまでは、メールで受け取った19曲の譜面を読み、音源や歌稽古も参考にして曲を覚えていった。コーラス譜としていただいたのは「砂漠の王様」だけで、そのほかは、歌稽古の中で、どの部分にどのようなコーラスのメロディーをつけるかを、先生が歌って指示された。

記憶力の低下している私は、これを書きとめておかなければ、無になる。そこで使った知恵は数字譜で記譜することだった。手書きで記譜するには数字譜が最適だと思う。最初のころは譜面に、本番が近づくころには台本に書き込んだ。

今譜面を見ると、「M9ヤンキー・モンキー・ベイビー」「M13We Love Luciana」「M15らくだのダンス」に、台本では、「M2砂漠の王様remix #1」「M6砂漠の王様remix #2」「M28旅人」「M29歌いましょう」に、数字譜の書込みがある。

メロディーは分かるが、歌いこんでいなくて、歌詞とリズムに自信がない例えば「旅人」などの曲は、譜面を見ないで暗譜できるように、サイトに掲載した歌詞リズム略譜を活用した。



図14.旅人の歌詞リズム略譜


歌で一番苦労したのは、「砂漠の王様」コーラス譜である。6月20日(日)譜面がメールで送られてきて、6月22日(火)に大塚氏からキャストの発表があるので、それまでに、バスのパートを歌えるようにしておくようにとの指示があった。この曲はオープニングの曲である。

見本に譜面の最後のページを載せたが、合唱部分は2〜7ページである。苦労したのは、1)16分音符の連続で舌を噛みそうになる、2)メロディーは単調だが、ところどころに細かい変化がある、3)転調が3回ある、4)長い曲で、67小節もあるというところだ。



図15.「砂漠の王様」コーラス譜


若い人は慣れているのだろうが、16分音符が延々と連続する歌などは初体験、忙しいばかりでまったく面白くない。しかし、2日後にはバスのパートを一人で歌わなければならないので、譜面を見ながら、はやぐちことばのような歌詞を繰り返し練習した。

その結果、譜面を見ながら歌うのは簡単になったが、これを暗譜をするのは難しいと思った。それも、少し練習している間に、この曲の部分部分をグループ化すれば、暗譜も簡単であることに気がつき、問題は解決した。


●曲情報の入手

4月22日(月)から6月25日(金)までは、五代先生よりメールで、11曲の音源(m4aファイル)と19曲の譜面(pdfファイル)を受領した。

6月28日(月)に「らくだのダンス関係者用サイト」が開設されてからは、新しい音源や修正変更された音源を関係者サイトからダウンロードして入手した。毎日最低2回はこのサイトをチェックしてきたので、制作者の西浦先生を除けば、私が一番利用したのではないかと思っている。


●台詞と演技

このミュージカルでは、「美しき国・美しき人」を1曲歌うだけで良いのだろうと思っていたが、台本を受け取ると、私が喋る台詞もあった。ミュージカルだから、それもしかたないかとあきらめたが、問題は標準語である。大阪弁には大いに自信があるが、標準語は心もとない。しかも、私の周りは大阪弁の達人ばかり。

そこで思いついたのが、以前サイトに大阪弁と標準語のアクセントを載せた時に使った、「NHK日本語発音アクセント辞典」を活用することだった。しかし、現実はそれほど簡単ではない。単語の発音は良いとしても、それが連なり、話し言葉の文章になると、よく分からない部分が出てくるのだ。

これでは駄目だと知って、次に思いついたのは、EDIUSというビデオ編集ソフトが勧めている「声の職人」という音声ソフトを使うことだった。そこで、これを購入して台詞を読ませてみると、かなり自然な標準語を喋る。

これを聴きながら、先の「大阪弁と標準語のアクセント」のところで考案した「アクセント表示の工夫」を利用して台詞に書き込みをした。


図16.標準語の台詞


8月2日(月)にタイガー・コージと二人で読み合わせを行った。 8月16日(月)に初めて、大塚氏による私の出番シーン11の稽古があった。台本をもらったのが7月4日(日)だから、かなり遅い初稽古になる。

そこで指示されたことは
1)舞台の下手(客席側から見て左側)から登場し、タイガーと象の戦いを眺める
2)右手でらくだとダチョウを呼び寄せる
3)円陣を組んで指示をして、行け!と送り出し、奇妙なダンスをさせる
4)タイガーの嚇しで、らくだとダチョウがオージタの後ろに隠れる
5)オージタがタイガーの前に歩み出る
6)舞台に向き、2〜3歩前に進む
7)美しき国・美しき人を歌う
8)タイガーの肩に手をやる
9)舞台上手より退場する

8月28日(土)の稽古で、3)の奇妙なダンスを止めるタイミングが、タイガーの威嚇と決まった。
9月4日(土)のリハーサルで、3)の送り出しを早くするように指示を受けた。それは、円陣を組んで指示をする過程を省くようにと言うことかと思った。それに対して、ピータムは、「支配人が、送り出すと言ったと同時に、僕たちは飛び出します」と教えてくれた。

本番では支配人が「遠くで見ていたオージタは、、、」で呼び寄せ、「、、、送り出す」で送り出した。

いずれにしても、演技については、長老として、威厳を持って、ゆったり振舞えばよいのだから、特に気を使うことはなかった。


●ダンス

私の役は、らくだ王国の長老だから、ダンスはないはずだった。それが、7月19日(月)に、オープニング・シーンで「砂漠の王様」の曲に合わせて、全員がダンスをすることになったのには困惑した。

ダンスはこれだけだろうとと思っていたら、8月17日(火)には「スターダスト・ハーモニー」、8月23日(月)には「らくだのダンス」にもダンスが加わった。8月27日(金)には、「らくだのダンス」の出番がもう一つ増えた。結局ダンスのシーンに4回も出ることになってしまった。

私がするダンスは、他の人たちにとってはごく簡単なもののようだが、私は歯が立たない。少し説明を受けたくらいでは、教えられた動作がまったくできない。しかし、ギブアップするわけには行かないので、知恵を働かせることにした。

それは、1)持参していたデジカメで動画を撮ってもらい、2)それをPCで再生して分析し、3)図解をして動作を理解し、4)あとは身体が覚えるまで練習をくりかえし、5)PCで曲を再生し、それに合わせてダンスするという方法である。その結果、何とか他の人についていける程度にまで到達できた。

「スターダスト・ハーモニー」という曲の場合の、ダンスの動作の分析図を載せておく。ほかの2つの曲のダンスも、これと同じようにして、なんとかものにした。



図17.ダンス動作の分析図


●ミュージカルの流れの理解

8月の半ばを過ぎる頃になると、台本の大部分の稽古は一通り終わり、部分的な稽古の反復が多くなった。あちらこちらに飛ぶので、台本の該当する部分を探し出すのに時間がかかる。そこで、歌(曲)を指標とした台本のインデックスを作成した。歌(曲)はすべて覚えていて、それにつながるシーンも思い浮かべることができる。だから、ミュージカルの台本のインデックスとして歌を使うのは好都合である。

台本の歌順索引を作ったもう一つの理由は、これまでの見学で個々のシーンはかなり把握できたが、それぞれのシーンのつながり、流れがよくつかめていない。それに対して、歌を通してそれを理解したく思ったからである。


M1 砂漠の王様 (ピータム、コーラス/登場人物達) P.5
M2 砂漠の王様 remix #1 (ピータム+ルーピー)
M3 ドクター・マルのお説教 (ドクター・マル) P.8
M4 キツツキ・ツイスト (ルーピー、コーラス/ピータム+ドクター・マル) P.10
M5 ワイルド・ボーおじさんのパスタ店(ワイルド・ボーおじさん、コーラス/お客) P.11
M6 砂漠の王様 remix #2 (ピータム+ルーピー)
M7 ラムラム・ダンス (ダンス/ラムラム) P.15
M8.1 ハローダ!ハローダ! (ウィリー+マビット) P.16
M8.2 ハローダ!ハローダ! (ヤンモン+ロキシム)
M8.3 ハローダ!ハローダ! (らくだ救急隊)
M9 ヤンキー・モンキー・ベイビー (ヤンモンファミリー) P.19
M10 白いラベンツの男 (ラベンツの男、ダンス/ラベンツ・ダンサーズ) P.22
M11 ルシアナに憧れて (ラベンツの男) P.24
M12 ルシアナに憧れて dance mix (ラベンツの男、ダンス/ラベンツ・ダンサーズ)
M13 We Love Luciana Hawaiian version  (ダンス/しあわせ制作所)
M14 百までマイペース (ケルナー、ダンス+コーラス/どろんこシスターズ) P.27
M15 らくだのダンス (ピータム、コーラス/しあわせ制作所のメンバー) P.29
M16 Luciana From New York (ロッティ、コーラス/しあわせ制作所) P.30
M17 We Love Luciana (ピータム+ルーピー) P.32
M18 祈り piano solo version (演奏のみ)
M19 祈り (ピータム+ルーピー) P.36
M20 キツツキ・ツイスト dance mix (ダンス/アッシュ・ダンサーズ)
M21.1 祈り a capella version(ルーピー+ローピー) P.38
M21.2 祈り a cappella version(ルーピー+ローピー)
M22.1 タイガー・リズム P.パーカッション (ダンス/タイガー+ゾウ軍団) P.41
M22.2 タイガー・リズム remix (ダンス/ダチョウ隊+らくだ隊+ピータム)
M23 美しき国・美しき人 (長老オージタ、コーラス/ ) P.43
M24 Brother Brother (ピータム+タイガー・コージ) P.44
M25 スターダスト・ハーモニー (タイガー+ピータム、ダンス/しあわせ制作所) P.45
M26 ジュディ (ジュディ、ダンス/ピータム+ルーピー) P.46
M27 輝けオーシャン (ピータム) P.47
M28 旅人 (しあわせ制作所) P.48
M29 歌いましょう (全員) P.50
M30 らくだのダンス encore version (全員)

図18.台本の歌順索引


9月に入り、通し稽古が始まると、台本を持たず、誰もが暗譜、暗記で稽古に臨むようになった。ここから本番までに必要なことは、自分のそれぞれの出番のつながりを把握しておくことである。

自分の出る前の場面、登場するのは上手下手のどちらか、その舞台袖は前か後ろか、立ち位置はどこか、退場するのは上手か下手かを理解しておかなければならない。

そこで、この出番早分かりメモを作り、これだけを携行して絶えず確認をした。



図19.出番早分かりメモ


●本番に無事出場できるように

8月後半に入ると稽古は10回あり、3日に2回の割合である。当時、大阪は連続猛暑日の記録を更新しつづけていた。熱中症による死亡が連日報道され、その大半が70歳以上の高齢者だった。

この頃から、無理をして、そのため本番に出られないようなことがあってはならないと、意識するようになった。だからと言って、特別に体調管理を行ったというわけではない。食事もビールも睡眠も、ほとんど変えることはなかった。

8月28日(土)に、13:00から21:00までの8時間の稽古に参加した後は、疲労困憊状態だった。 それまでは、稽古のメモをPCに書き込んできたが、この日はじめてPCに向かわず、就寝してしまった。このとき、このまま稽古の参加を続ければ、早晩ダウンして本番に出られないだろうと自覚した。

ほかのメンバーは、稽古に私の何倍もの時間を当てているのは分かっている。しかし、彼らは若い。10歳から30台前半まで、中心は20歳前後である。

翌8月29日(日)も、13:00から17:00と18:00から21:00までの稽古になっていた。この日、20分前に稽古場に入り、五代先生と新森先生に、本番までにダウンしてはいけないので、稽古は必要最低限に参加したいと申し出た。

すぐに制作者の武内さんを通し、大塚氏の指示で、午前中の分は全部免除、夕方からの参加だけで良いことになった。それを知った瞬間、気分がさっと明るくなったのを覚えている。そして、この日から本番までの間、体調に不安を感じることはなく、食事、ビール、睡眠に変わることはなかった。


●本番で心がけたこと

本番では、出番に遅れないことと待ち時間で体力を消耗しないことだけを考えた。そのため、待ち時間の間は、楽屋にはあまり長くいないで、楽屋裏の上手下手を繋ぐ裏通路の片隅で、小道具に腰掛けて、目を閉じて待ち時間の大半を過ごした。ここなら舞台の進行状況が目を閉じていてもよく聞こえてくる。

出演者がこの狭い通路を行き交うので、好奇の目で見られていたかもしれないが、通行の邪魔になるような場所ではなかったのは、もちろんである。




7.出演した場面の写真

ここに、「ミュージカル らくだのダンス」中で、私が出演した、1)オープニング、2)しあわせ制作所のメンバーが歌い踊る「らくだのダンス」、3)長老オージタがタイガー・コージの生き方を変えた話、4)タイガー・コージのしあわせ制作所仲間入り、5)しあわせ制作所のメンバーがはじめたミュージカルの幕開け、6)フィナーレ、7)アンコールの場面をまとめた。


図20.ミュージカル らくだのダンス オープニング場面



図21.オープニング場面の最後 主人公らくだのピータムを取り囲むルシアナの住民たち



図22.しあわせ制作所に立ち寄った らくだ王国の長老オージタとやぎのドクター・マル



図23.二人が加わって歌い踊る「らくだのダンス」



図24.獰猛なタイガーと象軍団との激しい戦いを見つめる長老オージタ



図25.タイガーと象軍団との壮絶な死闘



図26.自在に跳びはね、攻撃を続ける手負いのタイガー



図27.長老オージタに送り出され、奇妙なダンスをくりひろげる らくだとダチョウとピータム



図28.タイガーにウォー!と威嚇され、長老オージタの後ろに逃げ隠れる



図29.君はどこからきたんじゃ 傷を負っとるじゃないか すぐに手当てをしないと!



図30.誰か救急箱を持って来なさいと言われ、アイアイサーと答える らくだ救急隊



図31.長老に、どうしたんじゃ、何があったと尋ねられ、谷に落ちたことなどをとつとつと訴える



図32.話を聞いた長老は、タイガーを可哀想に思い、孫のピータムに食べ物を持ってこさせる



図33.なぜ優しくしてくれるのか?と問うタイガーに、優しくしているのではない、戒めているのだと答える



図34.長老オージタは歌い出す  大空翔る夢 描いた若い日に 美しき国に生まれた幸せを誇りたい



図35.幾年を越えて 重ねた知恵幾つ 訪ね来る若き力に 微笑みで応えたい



図36.この国に生まれ 空と海につつまれ 愛を育んできた



図37.この国が好き 美しき国 美しき人



図38.いにしえの夢に 揺れ動く弱さ 美しき 人のぬくもり 忘れずにいたいから



図39.旅立つ鳥の群 まだ来ぬ人を乞い 時を行く四季の輝き 春の日を届けてよ



図40.この国に生まれ 山と河にかこまれ 愛に守られてきた



図41.この国が好き 美しき国 美しき人   タイガーはこの歌にすっかり感じ入り、オージタの虜となる



図42.タイガー・コージのオーディション合格を喜ぶ しあわせ制作所のメンバーたち



図43.タイガー・コージはしあわせ制作所の仲間となり、ミュージカルを始めることになる



図44.しあわせ制作所のメンバーがはじめたミュージカルの幕開け



図45.魅惑のメロディー「旅人」、憧れの地「ルシアナ」、人々の思いはつきない



図46.見上げれば、満天の星空、人々は希望を胸に、空を見つめる



図47.フィナーレは全員で「歌いましょう」



図48.シンギング ア ソング ソング フォー ユー



図49.アンコールは「らくだのダンス」 ダンス ダンス ダンス ダンス ダンス 踊ろよらくだのダンス



図50.みなさま、ありがとうございました



図51.バンドのみなさま、ありがとう、すばらしい演奏だったよ!!



図52.ヤッター! ヨカッター! サイコー!!



図53.みなさま ありがとうございました。 また、いつかお会いできることを願っていま〜す!



図54.ありがとう〜!! さようなら〜!!




8.観劇された方々の感想

私が案内を差し上げてご来場いただいた方は66名だった。内訳は、交野市医師会関係:16、親戚:12、小4庄野学級:9、野村医院旧患者:6、阪大病院関係:4、高3佐々木学級:3、会計事務所:3、野村医院旧職員:3、その他:11である。その内の医師の数は、交野市医師会が6、その他が3だった。

観劇の感想は、この方々からメールと手紙でいただいたものを、受け取った順に掲載する。名前が特定できる箇所や、感想と関係のない部分は省略した。電話や口頭でいただいた感想は載せていない。

1:
ダンスも音楽も大いに楽しみました。貴兄の滑らかで朗々たる歌声に大変感心し、思わず拍手を送りました。

2:
素晴らしい一日を過ごすことができ、本当に有り難うございました。

3:
先生が最初に登場した時と独唱は、何だか身内の気分でドキドキしてしまいました。でも楽しい舞台で、誘って頂き有り難う御座いました。

4:
野村先生の、演技と歌に、とても感動しました! とっても素敵で、優しさや包容力に加えて、幸せを感じられる力強さも感じました! 野村先生が歌い終わった後の拍手喝采も、胸がジーンとなって、思わずウルッと、泣きそうになりました。

5:
先生が出演して頂いたお陰で、全てに締があったと思います。

6:
先生の独唱のところが一番の秀逸でした。家内と二人、「秀逸、秀逸!」と、何度も二人で頷いていました。慣れないメイクに、着慣れない舞台衣装、強烈なライト・・・等。悪条件にも拘らずに、堂々と熱唱された先生、本当に一番の秀逸でした!

7:
野村さんの歌われた曲をはじめ、どの曲も良いメロデイでした。野村さんはお祖父さんの長老の風格があって、歌も素晴らしかったです。ストーリーは一幕はゴチャゴチャしてて解り難かったですが、二幕からはよく内容が理解できました。最近は創作ものが多くて、老人には解り難い作品が多いです。二時間あまり楽しませてもらいました。

8:
久しぶりに見るミュージカルでしたが、とても楽しく、あっという間でした。1日目は、一瞬心配になりましたが、歌が始まるとそんな心配もどこかに吹っ飛んでしまいました。

歌い上げるあの歌は、ぴったりで、長老の落ち着きと貫禄を感じさせるものでした。ステージは3回とも見せてもらいましたが、みんな、どんどん良くなっていくのが良く分かりました。3回目が一番リラックスしていた感じがして、一番良かったと思います。

9:
久し振りにミュージカル楽しませて頂きました。野村君の張りのある素晴らしいソロ 堂々と唄った姿 今も焼ついています。

10:
「らくだのダンス」 メッチャ最高! 楽しい歌と踊りで、最後は私も一緒に歌いました。〈長老オージタ〉も 適役でしたね。ソロの歌、素敵で感動しました。

11:
ミュージカル、感激しました!!

12:
あれだけの規模のステージとは、驚きでしたが、楽しくて自然に手拍子しながら観賞していました。オージタ役は、ピッタリのはまり役でしたね。合同の打合せや練習には、かなりの時間を費やした事と想像しましたが、よく演出されて上質のミュージカルになってましたね。中でも、オージタのソロのボーカルは、凄く迫力があり際立って素敵でした。

13:
団員のみなさん、歌もダンスも上手にされますので、ついミュージカルに吸い込まれました。それに2拍子の歌が多いので、初めて聞く歌なのに自然に足や手や肩をリズミカルに動かしていました。歌も上手いが、ダンスも上手いですね。ラムラム・ダンスを踊っていた3人の男の子最高ですね。素晴らしい青年たちに乾杯です。

先生の声量ある歌が会場に響き渡り、素晴らしかったです。思わず拍手喝采しました。衣装も良く似合っていましたよ。そしてダンスを踊られていましたね。面白かったです。

(原作)作品がしっかりしているのと、7人の演奏家がしっかり演奏していたので、地に足がついたゆるぎない堂々としたミュージカルになっていました。特にピアノを担当していた3人の人たちがミュージカルを引っ張っていたように思います。

ルービー、きざなラベンツな男は歌が上手ですね。

今年の夏は暑いですので、逆に砂漠、オアシス、らくだは、小生にとっては清涼剤になったような気がします。昔から「月の砂漠」が脳裏にイメージされているのか 砂漠、オアシス、らくだは郷愁の根源としてグッとくるものがあります。

カラフルな衣装は良かったですね!印象深いものがあります。

14:
私が想像していたミュージカルとは全く異なり、貴方様がお出にならなかったら恐らく見る機会がなかったのではと・・・。

衣装の色合わせ(吃驚するような色彩感覚)、音楽にダンス、この乗りの良さ、若さ一杯と言った感じでしたね。私の知らなかった世界を覗く事ができ、良かったです。感謝々々です。

15:
想像通りの素晴らしいお声と、お気持ちのこもった素敵なお歌、、、。賑やかに動きまわっていた時間が、す〜〜っと止まったように引き込まれて、知らないうちに涙がす〜〜っと零れ落ちました。生でしか味わえない素敵な時間で、心が素敵に動きました。

16:
貴兄のソロ本当に素晴しかったです。堂々としていて昔ながらの声量に圧倒されました。若者たちの熱演にも元気をもらいました。

17:
今日はMusical「らくだのダンス」を楽しませていただきました。風格のある長老様でした。もう少しだけ大きな身振りがあってもよかったのではと思わないでもありませんでしたが、、、

18:
バンドのボリュームの大きさや、踊って歌って、小さな子供さんも大人顔負けの演技力にびっくりしました。物語りも環境のことが盛り込まれていて面白かったです。

先生のソロは長い曲を最後まで息も切れず、声量のある声で、心がこもっていて、とても素晴らしかったです。ミュージカル経験のない先生が、二日間にわたり三回もの公演をこなされ、堂々とされている姿にパワーと元気を頂きました。

19:
らくだのダンス、結構、面白かったです。迫力あったし、ロック調だったり、照明効果も良かったです。野村さんの歌、さすがで、プロの方ともひけを取りません。良かったです。

20:
開演してどぎもを抜かれた感じでしたが、そのうち若い人々のエネルギシュなのに引き込まれ、その後、野村さんの歌声に癒されました。最近 ミュージカルの舞台を観る機会などなかったので楽しくみせていただきました。

21:
はじける音楽、カラフルな衣装、ストーリーの展開、どれをとっても素晴らしかったです。何といっても、圧巻は独唱でした。とくに、「この国が好き・・・」の部分の「ガー」がすごく声が出てて会場全体に響き渡り、最高だったと思います。初めからここまでの中では、野村さんの独唱の後が一番拍手が大きかったと思います。

22:
とても楽しく愉快で、深みのある内容でした。望先生の歌声も心に染入るとても心地よいものでした。新しい試みで始められたミュージカルであるとのこと。こんな面白い試みをされている方々もいらっしゃるのですね。

23:
楽しいミュージカルで、先生の出番までも、あっという間でした。声量のある歌声をお聞きし、野村先生の歌声が一番会場の皆さんの感動を誘ったように思います。

24:
素敵でした!先生のお声が劇場の隅々まで深く響き渡り、歌詞の内容そのものが先生のお心のままのようで(皆さん! スタンディング オーベーションを・・・)と叫んでおりましたのよ!




9.まとめ

1.ミュージカルに出演し、プロやオーディション合格者とともに、これを楽しめたことは幸せだった。
2.1歳10ケ月の孫娘が、その3回の公演全部を、喜んで見てくれたことが嬉しかった。
3.ミュージカルがつくり上げられていく過程を実体験の中で知ったことは、大きな喜びだった。
4.その過程を分析して「ミュージカル物語」を構築し、ここに掲載できたことが最大の喜びである。


<2010.9.23.>

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