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2012.11.25. 掲載
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目次
1.はじめに
2.嵯峨野
3.仁和寺
4.北野天満宮
5.まとめ
昨年、急に思い立って、京都の紅葉を眺めに出かけたらすばらしかった。ただ、北野天満宮から仁和寺を経て嵯峨野に来た時には、はや夕暮れとなり、常寂光寺だけを訪れて終わりとした。
そこで、今年は早く家を出て、嵯峨野の紅葉をじっくり眺めることにした。常寂光寺を除く6個所を巡ったが、それぞれ違った趣のある紅葉で、ここに来て良かったと思っている。
昨年も今年も、良い紅葉鑑賞ができたので、その写真を合せて記録に残して置く。撮影に使ったカメラは、コンデジ(コンパクト・デジタルカメラ)の Sony TX7 と TX300V で、すべてオート撮影である。
デジタルカメラは撮影時間も分単位で記録される。そこで、今回の写真には、それも付記することにした。案外これが役に立つかもしれないと思っている。
嵯峨野は、太秦の西、桂川の北、小倉山の東、愛宕山の南に囲まれた付近に広がる地域の名称で、観光地としての「嵯峨野」は嵐山から小倉山に沿った社寺の立ち並ぶ地域を指す。
ここ嵯峨野の紅葉巡りをすることにしたのは、昨年、夕暮れの常寂光寺を訪れ、その印象の良かったことが大きく関係していると思う。
阪急嵐山駅から、図1のように、渡月橋から大覚寺・大沢池までを、常寂光寺を除いて、3時間あまり、食事もせずに紅葉を見て歩いたが、結果的にここを選んで良かったと思っている。それは、タイプの異なるいろいろな紅葉を鑑賞することができたからだ。
阪急電鉄嵐山駅から北西500mのところに、大堰川(桂川)に架かる渡月橋がある。現在の橋は1934年に完成した。橋脚と橋桁は鉄筋コンクリート製だが、欄干部分は、景勝地である嵐山の風景にとけ込むよう木造となっている。渡月橋の西にそびえる山は嵐山で、春は桜、秋は紅葉の名所として知られている。
1339年、足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うため、夢窓国師を開山として創建した寺で、臨済宗天龍寺派大本山、世界文化遺産である。
小倉山の中腹に建つ常寂光寺は、平安の歌人・藤原定家の山荘「時雨亭」があった所と伝えられている。ここを訪れた時は、夕闇がせまるころになっていた。紅葉を眺めるには少し遅すぎたと思ったが、それはそれで風情があり、印象深かった。
落柿舎(らくししゃ)は、松尾芭蕉の弟子、向井去来の別荘として使用されていた草庵。去来がこの草庵について書いた「落柿舎ノ記」によると、庭に40本の柿の木があり、その柿の実が一夜のうちに、ほとんど落ちつくしてしまったという。これが「落柿舎」の名の由来である。芭蕉はここに滞在して、多くの名句を残した。
祇王寺(ぎおうじ)は、真言宗大覚寺派の仏教寺院で、寺自体は尼寺である。「平家物語」で、平清盛の寵愛を受けた白拍子の祇王と仏御前が、出家のため入寺した。苔の庭でも知られている。
あだしの念仏寺は、空海が五智山如来寺を建立し、野ざらしになっていた遺骸を埋葬したのに始まるとされ、後に法然が常念仏道場を開き、念仏寺となったという。境内の約8000体という数の石仏や石塔は、1903年頃に、化野(あだしの)に散在していた多くの無縁仏を掘り出して集めたもので、「西院(さい)の河原」と呼ばれる。ここは、8月の地蔵盆の夕刻より行われる「千灯供養」でも知られている。
大覚寺は、真言宗大覚寺派大本山で、嵯峨天皇の離宮を寺に改めた皇室ゆかりの寺院であり、嵯峨天皇に始まるという華道嵯峨御流を今に伝える寺でもある。
大沢池は平安時代、中国の洞庭湖を模して造られた日本最古の人工の林泉庭園で、周囲約1kmの大沢池の周りには、モミジ・サクラが交互に配されており、池に映ったモミジ・サクラを楽しむことができる。
仁和寺は、京都市右京区御室にある真言宗御室派総本山の寺院で、世界遺産に登録されている。出家後の宇多法皇が住したことから、「御室御所」(おむろごしょ)と称された。徒然草に登場する「仁和寺にある法師」の話はよく知られている。
仁和寺は春の御室桜で知られているが、秋には、色とりどりのカエデが松の緑と調和した紅葉を楽しむことができる。
仁和寺へは昨年12月に、北野天満宮の紅葉を眺めたあとで訪れた。ここでは小雨の降る天候となったが、そのお陰で、通常とは異なる天候の中で、紅葉を眺めることができた。
北野天満宮は学問の神様として親しまれている菅原道真公を御祭神としてお祀りした神社で、947年に御神託により王城鎮護の神として創建され、以来「天神様」として人々の篤い信仰を集めている。
北野天満宮の境内西側には、豊臣秀吉が京都の整備事業の一環で築いた史跡 「御土居」 の一部が残っている。そこには自然林があり、四季に応じて様々な美しさを見せる。なかでも、秋の紅葉は、菅公ゆかりの樹木で、御土居一帯におよそ250本、樹齢350年から400年のものが数本ある。また、御土居には、かつて紙漉き場であった紙屋川が流れている。
2007年に、北野天満宮の紅葉は「もみじ苑」として整備され、御土居と共に公開されるようになった。御土居は、普段はその一部しか見ることができないが、紅葉のころは全部を見ることができる。
昨年、紅葉巡りの最初に訪れたのが、ここ北野天満宮の「もみじ苑」だった。その豪華、絢爛、華麗な紅葉に目を奪われ、圧倒されたことを思い出す。
昨年と今年の紅葉巡りを通して、いろいろな姿の紅葉を知った。豪華絢爛の北野天満宮「もみじ苑」の紅葉はもちろん見応えがあったが、落柿舎の1本の紅葉も良い。
色づき始めたばかりの祇王寺の紅葉には心が洗われる気がした。夕闇迫るころに見た常寂光寺の紅葉にも捨てがたい魅力を感じる。
青空の下での紅葉は美しいが、曇天下で見た仁和寺の紅葉は、それとは違う趣があった。また、ここでは紅一点の紅葉の美しさを知った。
小さな池の周りの紅葉の美しさを天竜寺で見たが、大沢池を囲む紅葉の雄大な景色には心底感動した。
8000体もの石仏や石塔の傍にある、あだしの念仏寺の紅葉からは、人の命について、今一度考えてみることを教えられた。
紅葉には、このような多種多様な姿があることを知り、それを記録に残せたことを嬉しく思う。この記録を私の美術歴とともに、結婚45周年の記念記事とする。
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