AZ−1の中古選びのポイント

 AZ−1は特殊な車であるので、中古購入前は以下のポイントをチェックしよう。なお、これらのポイントさえ押さえておけば購入しても問題ない、という意味ではないのでお間違いなきよう。
 

エクステリアの傷

 AZ−1のボディーは全てプラスチックでできている。従って、傷が付きやすい。特に気をつけたい部分はボンネットの前の部分だ。前を走っていた車が跳ね上げた小石をもろに受けて、細かい傷がたくさんないかチェックしよう。写真ではわからないが、実はこの車にもたくさんの傷が付いているのだ。
 キーを差し込む部分の傷にも注意しよう。キーを差し込む狙いがちょっとはずれると、傷の付きやすいボディーに当たってしまう。  また、ラジオのアンテナがちゃんとついているかもチェックしよう。AZ−1のアンテナはねじ込み式で、中古でいろいろと回されている間に紛失していることがある。新品で買うと1本1800円する。なお、CARA(スズキ)の場合はアンテナと台座がセットになった部品しか設定されていないため、アンテナのみのばら売りはしてくれず3300円取られる。CARAオーナーでアンテナのみほしい場合は、マツダの部品を買おう。

 エクステリア関係で最近多くなってきたトラブルが、ガルウイングドアのモールが剥がれてくる、ひびが入る現象である(矢印の部分)。これはモールが経時変化で縮んでしまうために生じるものと考えられるが、全ての車がそうなっているわけではない。このモールの剥離が原因となって雨漏りが発生することはないが、見栄えにも関連する箇所なので気を付けたい部分だ。



 

インテリア部分

 ドアの開口部分についている、ウエザーストリップ。乗り降りする際に、足の部分がこのウエザーストリップにあたって、結構痛んでいることが多い。チェックしよう。
 また、室内にあるタイヤハウスの部分には足が当たって傷が付いていることが多い。運転席・助手席とも要チェックだ。


 また、新車時にはついているサンシェードがあるかどうか確認しよう。AZ−1は天井がガラス張りなので、このサンシェードがないともろに太陽の光が入り、夏非常に暑い。これも後から買うと9000円もする。なおこのサンシェードは現在受注生産とのこと。納期は1カ月。必需品ゆえに、是非ともサンシェード付きの車を探したいところだ。ちなみにこれには前期型と後期型があり、後期型にはAZ−1の文字が入っていない。現在新品で入手可能なのは後期型となっている。
 さらにオートザムマークの入った本物のキーが付いていない場合がある。これは前のオーナーが社外の金メッキのキーなどに変え、車と一緒に売ってしまったことにより発生する。本物のキーを作りたい場合は、こちらまで。
 

エンジンルーム

 エンジンルームからドライブシャフトをみると、えらく錆びているのがわかる。しかし、中古の状態でここが錆びていないAZ−1はまず存在しないのであまり気にかけることはない(錆を落とす方法はある。詳しくはFAQのページへ)。また、最近の車なのでオイル漏れなどはまず考えられないが、一応チェックしよう。


 また最近増えてきたトラブルが、オーバーヒートによるエンジンの全損である。これはクーラントが突然漏れだし、気がついたときには温度が上がりすぎてエンジンヘッドがゆがんでしまい、エンジンを載せ換える事態にまで発展するという深刻なトラブルだ。この原因は、運転席裏側にあるメンテナンスハッチをあけたときに確認できる2本のホースが経時劣化・もしくは擦れあうことで裂けてしまうことが原因となっている。購入時はシートをはずし、カーペットをめくってメンテナンスハッチをあけてもらい、劣化状態を確認するのがいいだろう。ひどいのになると、ホースをつまんだだけでひび割れてクーラントが漏れ出すものもある。



 

シャシー

 AZ−1の下回りは案外ラフに作られている。軽自動車では一般的なことかどうかは知らないが、黒く塗装された鉄板がむき出しなのだ(下回り独特のあの分厚い塗装がされていない)。最低地上高の低いAZ−1は底を擦りやすい。擦った部分から錆が発生していないかどうか、チェックしにくいが見ておこう。
 また、ドアの最下部のボルト周辺から錆が発生しているものも多い。ドライブシャフトの錆ほどではないが、やはり保管状態のことを想像すると少し気になる。

 

その他

 AZ−1の性格を考えると、前のオーナーがかなりハードな走りをしたかもしれない。中古で売られているAZ−1の走行距離は4万から5万キロ走っているものが多い。ターボに異常はないか、クラッチは滑っていないかなどもチェックしておこう。
 またAZ−1の中古は新旧に関わらず、2台に1台の割合でマスターバックの取り付け部分からブレーキオイルがシミだしているとのことだ。見分け方はフロントのボンネットを開けて回りの塗装がオイルでゴワゴワになっていないかどうかをチェックする。


 AZ−1購入後の話になるが重要な情報 を一つ。AZ−1の中古を購入されたとき、保証の継承手続きを受けられただろうか。実は保証期間の残っている車両を中古で購入した場合・もしくは名義変更があった場合、この「保証の継承手続き」を行わないと保証期間内であっても保証が効かなくなるのだ(整備手帳の4ページに明記)。保証期間は長いもので5年間。4年式で残り少々、5年式だと1年以上保証期間が残っていることになる。しかもその5年間の保証に入っている対象部品の内訳は、エンジンなど重要かつ万一の際には修理費が莫大になるものが数多く含まれている(詳しくは保証書、整備手帳を参照)。
 この継承だが、具体的にはオートザムなどのディーラーで12ヶ月点検と同じことを行う。保証期間が残っているならいつの時点で受けても問題なく、費用は約1万3千円とのこと。必要なものは保証書と整備手帳、後はもちろんAZ−1だ。今一度保証書を取り出して、保証の継承手続きが行われているかどうか確認しよう。