18.シェアウエアの公開でアクセス数が増えるか

 結果・・・ダウンロード数が少ないため、パソコン通信のライブラリーへの登録程度では増えないと考えられる(データ計測不能)。

閲覧数

探索意欲

定時性

随時性

アクセス性

ライバル度

見てみたい度

アクセス数向上効果

シェアウエア

×

×

×

×

×

×
表の見方についてはここをクリック

 10章で紹介した一般則の中で「閲覧数」が少ない、とした唯一のホームページ宣伝手段です。やはり絶対数が少ないとだめですね。おまけに「探索意欲」も低いですし。
 「いったい何のシェアウエアを作ったのか」と、皆さんお思いのことでしょう。作ったのは「Flying AZ-1」というアフターダーク用のスクリーンセーバーモジュールです。対応はMacとWIN95があります。。

 Flying AZ-1(Mac版)はこちら(約250KB)
 Flying AZ-1 for Windows95はこちら(約25KB)

 また、「シェアウエアとアクセス数にいったい何の関係があるのか」ともお考えでしょう。このシェアウエアは「アクセスウエア(私が勝手に命名した)」というもので、このソフトを使う人はdocに書いてあるURLにアクセスし、そこに記載されている事項に対する知識を身につけなければならない、というものです。従って半ば強制的にアクセスさせることで、今までその分野に興味の無かった人にも広く情報が伝えられるというわけです。
 さてこれでどうなったか。まずはニフティーのMacuslというライブラリーに登録してみました。ここはMac関連の実用系フリー・シェアウエアを登録しているところで、最も人気の高いライブラリの1つとなっています。例のごとく登録してからの日数と、ダウンロード数との関係をグラフにまとめてみました。


Flying AZ-1の登録経過日数とダウンロード数の関係

 またニフティーのログも見てみました。Flying AZ-1はなかなかの人気です。

番号  ID  登録日付 バイト 参照   データ名
411 ******** 97/10/17  59776 6 B 闘神都市2 Mac実行Kit
410 ******** 97/10/13  57984 17 B AmbivalenZ Mac実行Kit
409 ******** 97/09/28 1142656 51 B SpaceMouse3(PPC)Ver1.1
408 ******** 97/09/24  521728 79 B 8sounds (Macintosh
407 ******** 97/09/23  56320 29 B DPS全部 Mac 実行Kit
405 ******** 97/09/19 1306368 25 B はいぱーすとりっぷ
404 ******** 97/09/19 1397120 39 B はいぱーすとりっぷ
403 KHA01431 97/09/06 219520 88 B Flying AZ-1(After Darkモジュール)
402 ******** 97/09/02  445568 168 B Slippy(fat) ver. 1.00
401 ******** 97/08/30  55552 91 B ランス4.2 Mac実行Kit Ver0.98a
400 ******** 97/08/28  55296 105 B ランス4.1 Mac実行Kit Ver0.98a
398 ******** 97/08/26 2162432 22 B N GAME LIBRARY 2.5.5(fat)
397 ******** 97/08/24  55936 114 B アユミチャン物語 Mac実行
396 ******** 97/08/21  100480 89 B 夢幻泡影 Mac実行Kit Ver0.98
394 ******** 97/08/12  485376 37 B OG映画情報データベース96
393 ******** 97/08/10  515072 78 B ぴよぴよα[前作よりも]
392 ******** 97/08/04 1621760 82 B Woden 1.3.5 縦スクロール
391 ******** 97/08/03  234240 73 B EmiClockオプション衣装V3.2.6
390 ******** 97/07/29  687104 178 B ホッピーくんの大冒険M3
389 ******** 97/07/27  234240 55 B PZZL2000環境版(心なごむ究極
388 ******** 97/07/27  234112 34 B PZZL2000(究極の絵合わせパズル)
387 ******** 97/07/24 1425408 27 B 聞く人のための音入り


 ご覧のように、登録後1カ月でダウンロード数が88件。全ての人がAZ−1のページにアクセスしてくれたとしても、1カ月のアクセス数に占める割合は、わずか2.5%です。またダウンロード数は一直線に上昇することはなく、登録日数の経過と共に伸び率が減少しています。従って、パソコン通信のライブラリへの登録程度では、アクセス数増加に効果はないと言えます。これはMacでの結果ですが、ユーザーの多いWINに対応させてもたかが知れているでしょう。
 このように一見効果のない「アクセスウエア」ですが、実はこれには副次的効果が期待できるのです。それは何かというと、他のパソコン通信及びパソコン雑誌のCD−ROM等への転載です。他の媒体による宣伝手段では、「1度きり」で終わりですが、この場合は1つが核となって、他にどんどん広がっていくのです。実際、'97年11月18日発売のMacUser誌、それから宝島のCD-ROM付ムック本「使える・遊べる! オンラインソフト1000」('97年11月20日発売)、Mac Life誌('97年12月28日発売)、TecWin誌('98年1月8日発売)、インターネットでもお馴染みのVector社が発行するシェアウエアを集めたCD−ROM雑誌(Mac版、WIN版)に「Flying AZ-1」が掲載されました(ます)。他の雑誌に添付されるのも時間の問題でしょう。また様々なシェアウエアが登録されていることで有名なVector Software PACKにてインターネット上でも公開されています。なおこれらの結果については、次のページ以降をご覧下さい。

 またこのアクセスウエアが雑誌に掲載された場合、通常ではあり得ない特徴を持たせることができます。それは「アクセス数を増やせるような文章を書くことができる」ことです。なぜ雑誌に掲載されてもアクセス数は増えないのかで論じた通り、増えない理由は「探索意欲がないこと」と「雑誌の編集担当者がホームページの概要をうまくまとめて書くので、それを見た読者はアクセスしなくても分かった気になりアクセスしてくれない」というものでした。通常の雑誌では、紹介されるホームページの概要は担当編集者が書き、ホームページの管理者が書くことは希です。「雑誌にホームページを紹介してくれ」といろいろ思いを綴って投稿しても、ほとんどの場合は担当編集者が概要を書き直し、それが雑誌に掲載されてしまいます。従って、編集者が中間に介在してしまうことから、こちらの思いを直接読者に伝えることができない=読者をアクセスさせるような文章が書けないのです。しかし、アクセスウエアではdocに直接自分の思いを書き込むことができます。通常docの改編は認められていませんから、編集者といえども書き換えることはできないのです。
 (今まで何度も出てきた探索意欲の問題は置いといて)どの様な文章を入れれば読者はアクセスしてくれるのでしょうか。これもなぜ雑誌に掲載されてもアクセス数は増えないのかで論じた通り、「何か期待できそうな文章をちりばめておく」ということが重要になります。上手くまとめた概要を載せては元の木阿弥です。ではどの様なdocを私が作ったか、それを見てみましょう。




●Flying AZ-1について
 After Darkと言えばFlying toaster、AZ-1と言えばガルウイング(鳥の翼のような跳ね上げ式のドア)。というわけで、Flying AZ-1というAfter Darkモジュールを作りました。AZ-1が翼(ドア)をパタパタしながら画面右上から左下に向かって進んでいきます。

●動作環境
 After DarkもしくはDark Sideの作動するMacintosh。速度はお好みにあわせて調整して下さい。Flying AZ-1で使用している画像は、実際のAZ−1と多少異なる部分があります。なおwin版のAfter Darkでは作動しません。

●シェアフィーについて
 Flying AZ-1は「アクセスウエア」(なんじゃそりゃ)です。本After Darkモジュールを使用する人は下記のURLにアクセスして、AZ-1に関する知識を身につけるものとします。1年間で3万件のアクセスがあった濃いサイトであり、この知識により本モジュールをより楽しんでいただけるでしょう。ただし、アクセスできる環境にない人はこの限りではありません。また本モジュールに対する使用料金はありませんが、頂ける場合は喜んで頂戴いたします。
 アクセス先はここ・・・
 「世界最小のスーパーカー(笑)AZ−1のページ」
  http://www.asahi-net.or.jp/~LE9S-ICKW/

●著作権、使用、配布、注意事項について
(1)Flying AZ-1の著作権は、市川智士にあります。著作権者の許可なくFlying AZ-1の一部または全部を改変することはできません。
(2)Flying AZ-1は使用者の責任の範囲で使用してください。本モジュールを使用した結果について私は一切責任を負いません。
(3)非営利にかぎりFlying AZ-1をBBSなどで自由に複製、配布ができます。その際、本readmeを添付して下さい。改編したものを配布してはいけません。またCD-ROMでの配布や雑誌にバンドルする場合は、下記のメールアドレスまで必ずご連絡下さい(献本しろなんて言いませんから)。
(4)Flying AZ-1のアップデート等は、上記ホームページ及びニフティーで行います。
(5)エバンジェリストたる皆様方に、このような不心得者がいるとは思えませんが、win版のFlying AZ-1を作ってみたい人は作者までご連絡下さい。画像データをお渡しします。

●作者への連絡先
 メールアドレス:az-1@j.email.ne.jp 市川智士 まで
ニフティーのアドレスにメールを出されると、返事が非常に遅くなります。私自身がニフティーにいくのが1カ月に1度程度なので・・・

●AZ−1について
 マツダの販売した軽自動車。2シーター、リアミッドシップ、DOHCインタークーラーターボエンジンを搭載。ボディーは軽量化のためオールプラスチックでできている。最大の特徴はガルウイング。走りに徹したその作り、派手なスタイリング、そして4000台しか製造されなかった希少性ゆえ、正に世界最小のスーパーカーと言える。

●その他
 時間のある人は、私が開設しているもう1つのサイトである、
 「ズバリ!! 見てもらえるホームページの作り方」
  http://www.asahi-net.or.jp/~LE9S-ICKW/how_.html
 もご覧下さい。このホームページはよく見かけるHTML講座ではなく、ホームページの内容はいかにあるべきか、どうやったらアクセス数が増えるのかを具体的な事例とデータを示して検証していくところです。開設して7カ月で4万件のアクセスがあった非常にdeepなサイトです。


 さて、皆さんこれでアクセスする気になりましたでしょうか(書いた本人からすると、なってほしい)。「何か期待できそうな文章をちりばめておく」と書きましたが、具体的には「●シェアフィーについて」の部分に書かれている、「1年間で3万件のアクセスがあった濃いサイトであり、この知識により本モジュールをより楽しんでいただけるでしょう。」という行、「●AZ−1について」、最初に出てくる絵がそれにあてはまります。、せっかく自分の好きにできるdocですから、文章だけでなく視覚にも訴えましょう。また、docの名前(ファイルネーム)にも気を付けましょう。「読んで下さい」程度では誰も注目してくれません。私の場合は、「読まないとタイプ1のエラーが出る」という名前にしました。ちなみにタイプ1のエラーとは、Macでよく出るエラーの1つですが、このdocを読まなくてもエラーが出ることはありません。WINの人なら、「読まないとレジストリが壊れる」ぐらいがいいかもしれません。
 なお、最近のdocには「ホームページ作りましたので見て下さい」と書いてある物が多くなっていますが、これでは絶対にアクセスしてくれません。別に面白くなさそうですから。また、アクセスしてもらう以上は、ホームページが面白い物(含む有益な物)でなければいけません。このホームページで紹介しているホームページ宣伝手段は、あくまでもホームページの存在を他人に広く伝えるための手段を紹介しているのであって、アクセスカウンタの数を増やすことを目的として紹介しているのではありません。ホームページの開設の主目的は、自分の有する情報を他人に伝えることです。