よくあるトラブル

・オーバーヒート
 AZ−1の場合、突然オーバーヒートが発生する「ぽっくり病」がある。これは冷却水系にかみこんだエアが原因となって生じるものである。そのメカニズムは、エアがサーモスタットに噛み込んで正確な水温が測れなくなり、見かけ上水温は正常に見える。しかし何かの拍子にそのエアが抜けると急激に水温が上昇し、既に手遅れの状態になっているというものである。対策は、エア抜き用のパーツをスロットルボディーに付けることである。

・冷却水漏れ
 これも突然やってくるため、気が付いたときにはエンジン載せ変えコースになっているという場合がほとんどである。原因はターボ周りの冷却水のホースが裂けることである。対策としては、そのホースの点検と交換しかない。詳しくは中古選びのポイントまで。

・冷却水を入れ替えてもすぐに濁る
 洗剤のジョイを1本ほど冷却水に入れて、そのまま6〜10日ぐらい走り回わる。そうするとラジエターやブロック、タンクまで新品みたいになる。

・ブレーキオイルのマスターシリンダからの漏れ
 これはAZ−1の持病であり、2台に1台はこの現象が見られる。対策はカップキットの交換。詳しくは中古選びのポイントまで。

・カムカバーからのオイル漏れ
 スズキのエンジンの一部には、雌ネジが最後まで切られていないものがあるため、完全にネジ止めされずに隙間ができ、そこからオイルの漏れるものがある。この防止には、カバーを止めるビスに何枚かワッシャをかませて見かけ上ビスを短くした状態で締めるという方法がある。

・スターターが回らない
 これは「スターター回らない病」というAZ−1特有のトラブルであり、スターター回らない病対策キットを取り付けることで完治できる。くわしくはここを参照のこと。


・雨の日にエンジンの調子が悪くなる
 デスビにクラックが入り、ショートしているのが原因。対策はデスビの交換。ここを参照のこと。

・エンジン音がうるさい
 原因は主に2つある。1つはクラッチにあるレリーズベアリングの不良、もう1つはエグマニのネジが緩むことである。レリーズベアリングの場合はそのものを交換となるが、エンジンをおろす必要があるため、10万円はかかる。部品としては安いものなので、エンジンをおろすチャンスがあれば、ついでに交換しておきたい部分だ。
 一方エグマニのネジが緩んでいる場合は、リアのメンテナンスハッチをあけて、ネジを締めるだけで対応できる。
 また特殊な例としては、マフラーの太鼓の中にある仕切版の溶接がはずれたために音が出るというものもある。これは溶接し直してもらうことで対応可能。

・エンジン音のうなり(のようなもの)
 時々定速走行をしていると、何かが共振しているようなこもった音がすることがある。これがうなり。その原因は2つある。1つは、インタークーラーを固定しているネジとゴムの問題、もう1つはエアコンのコンプレッサの問題。インタークーラーの場合は対策品が出ているが、とりあえずネジを締め直してもよい。コンプレッサの場合はベアリングの交換となる。

・サイドブレーキ警告灯がなぜか点灯する
 これはブレーキオイルが少なくなったときに点灯する。ブレーキオイルが少なくなる原因は、ブレーキオイル漏れもあるが、ブレーキパッドがすり減ったということもある。

・ヒートインジケーターがたまに点灯する
 フロントパイプにある温度センサーのコネクターの接触不良・断線、もしくはセンサーにカーボンが付着していることが原因。交換、もしくは接点を磨く、センサーについているカーボンを落とすことで直る。

・エンジンブロー
 諸説有るが、5W-○○のような、比較的粘土の低いオイルを使うと発生すると言われている。対策は10W以上のものに交換すること。

・スピードメーターケーブルが切れる
 メーターにある、スピードケーブルのつながる部分が焼き付いているもしくは焼き付き気味になっているときによく切れると言われている。対策はメーターの交換。

・シフトが渋い
 AZ−1の持病。車によるが、1速から2速の入りが悪いとかいろいろなパターンがある。全てに効果があるわけではないが、シフトフィールの改善に書いてある方法でよくなる場合もある。

・ドアモールがはがれる
 経年劣化によって、ドアのモールが縮むため発生する。対策は交換もしくは、ドライヤーで縮んだ場所をあぶり、引っ張るようにして延ばす。延ばした後に元の位置に戻すと元に戻る。

・ミラーが風で曲がる
 ミラーの付け根のネジがゆるんだために生じる。詳しくはCARAのバックミラーを動かなくするまで。

・ルームミラーがぐらぐらになった
 修正方法は、まずミラー根元の窪みにあるネジをゆるめる。そうするとミラーがブラケットから外れ、ブラケット部分に2本の短いビスが付いているのが見える。これを締めて、元に戻すと完了。

・ウインカーのレバーを折った
 これはAZ−1に乗り込むとき、ズボンの裾がレバーに引っかかってしまって折れるというものだ。多くの人が体験している。この修理方法だが、コンビスイッチASSY丸ごとの交換である。が、これを安くあげる方法がある。このコンビスイッチはアルトやキャロルとほぼ同じものなので、解体屋からもぎ取ってくればよい。1つ1000円程度である。なお、アルトやキャロル用のものはコンビスイッチの上側に、ハザードスイッチが付いている。取り付ける際には、このスイッチを取り除いておくこと。それからこのキャロルやアルトのコンビスイッチにすることで、間欠ワイパーが作動しない、ウオッシャーが作動しないという報告がなされている。

・ボディーに傷がついた
 AZ−1のボディーカラーのスプレーは、一般には売られていない。しかし、最近塗料の調合サービスが多くのカーショップで始まっているので、それを利用して作ってもらうのが最も早い。

   青:サイベリアブルー
   色記号:NZ
   配合比:標準ウレタンの場合

   ○関ペ レタン PG−60
   617 フレッシュブルー 46.27%
   622 ナチュラルブルー 39.80%
   628 ローヤルバイオレット 7.46%
   132 ホワイト 6.47%

   ○日ペ NAX マイティラック G−2
   569 カスタムブルー 80.90%
   395 ファーストバイオレット 3.00%
   309 シンカシャレッド 6.20%
   320 ホワイト −
   300 ホワイト 9.50%
   611 チンチングブラック 0.40%


   赤:クラッシックレッド
   色記号:SU

   強制乾燥型塗料 NAXマイティラックで作る場合
    537 スレンレッド 700g
   605 スパークレッド 300g
   411チンチングブラック 0.5g

   速乾型塗料 NAXスペリオで作る場合
   537 スレンレッド 670g
   605 スパークレッド 330g
   411チンチングブラック 0.5g

   速乾型塗料 NAXベスタで作る場合
   537 スレンレッド 680g
   605 スパークレッド 320g
   411チンチングブラック 0.5g
   アクリル・ラッカー 537 スレンレッド 400g
   ニッペアクリル 464 フレームレッド 600g

   サイドシルやバンパーの標準色:FC3Sのガンメタと同じ

・ドアが上がりにくくなった
 冬寒いときに、ドアの上がりが悪くなる現象。原因はダンパーのへたり。対策は交換しかない。詳しくはドアダンパーの交換とボールジョイント外しまで。

・AZ−1のドアが外から開かなくなった
 ドアを開ける「とって」部分を押すようにして開けると、開く。

・ボディーがきしむ
 いわゆる「やれ」という現象。対策はスポット増し、発砲ウレタンの注入である。しかしそれをやると、事故したときに修復がほぼ不可能になるので注意すること。

・錆が発生している
 対策は、AZ−1の錆取りへ。

・ベルトが鳴く
 鳴くのはオルタネータもしくはエアコンのベルト。普通は張り直すことで対応できるが、1度鳴り出すと短時間の内に切れるという報告が多い。従って、交換するのが無難。

・ちょんまげの艶がなくなった
 ちょんまげとは、天井部分・ドアとドアの間にある、ラジオのアンテナをつける基台の付いている黒いプレートのこと。ここはポリカーボネートの膜が貼ってあるため、下手にスプレーをかけると膜が縮んでしまい、しわしわになる。対策は交換か、ポリカーボネートの膜をサンドペーパーで剥がすなどして塗装すること。

・標準のミラーやコンビレバーの艶がなくなった
 アーマオールを塗ればOK。

・温風がダッシュボードのエアアウトレットから出ない
 これで正常。温風は、足下とフロントガラスの下からしか出ない。

・エアコンのリレーがカチカチ鳴る。
 ポテンショメータ(P100-61-55X)の接触不良。これを交換する。

・ステアリングを交換したら、メータが見えなくなった
 これはノーマルのステアリングがオフセットされていたために気が付かなかった問題である。対策方法は、ステアリングを若干チルトアップしてやればよい。やり方は、ポルコ式ステアリングチルト法まで

・AZ−1の中古を買ったが、オートザムマークの入ったキーが付いていなかった。
 これを作るには、自分の車からキーナンバーを探し出し、ディーラーに発注する必要がある。そうするとキーナンバーを参照しながら専用工場でつくるため、本物の(コピーではない)キーとして出来上がる。詳しくは、ここまで

・キーを紛失したので新たに作りたい。
 上記と同様詳しくは、ここまで

・クラッチペダルが折れた。
 強化クラッチに変更している場合に特に折れやすい。現在発売されているクラッチペダルに変更すること。溶接点が増えて、強度が増している。