【2月22日(月)】


 かつきよしひろ@ファンタジア領から、DASACON賞ノミネートのメール。さっそくノミネートリストを見にいく。全30サイト。さすがに一回も表示したことがないページはゼロですね。SFマガジンのWWW特集で紹介されていないサイトが半分近い。まあ、SFマガジンのは同誌寄稿者のサイトを優先的に載せているので(これは編集部の希望)、ファンの個人ページのフォローは相対的に手薄になってる感は否めない。

 SFマガジンと言えば、「WWW特集の支援リンク集をつくる」と近況欄に書いてしまったのだが、ぼちぼち発売日ではないか。
 編集部から編集段階で送ってもらってた途中経過のURLリストをもとに、あわてて暫定版のリンク集を作成する。原稿が遅かった人のは載ってません。添野の映画リンク集とか(笑)←と言ってたら、後日、リンクページを見た本人からURLリストが来たので追加しておきました。ついでに入れ忘れてた総合サイトリンクも追加。キャッシュしてる人はリロードしてください。
 SFマガジン本誌はまだ見てないので、多少の異同はあるはずですが、まあなんにもないよりはましでしょう。
 特集原稿全体のhtml化も考えたけど、どうせ執筆者のほとんどは自分のサイトがあるしな。ということで、とりあえず作家ページ紹介の自分の原稿と三村美衣の原稿だけhtml化しておきました。
 リンク集のほうは、SFマガジンが届いたら、現物と照らし合わせて修整の予定。

 これに合わせて、自分とこのhot linksも大改訂しようと思ってるんですが、いやもうたいへん。リンク切れのチェックとかしてたらまる一日かかりそう。
 DASACON賞の投票結果を完璧に分類してくれれば、それだけで使えるリンク集ができそうだけど。
 DASACON賞に向けて、自分のサイトのSF力を強化する……というのも考えたが、投票締切は3月10日だしなあ。とりあえず最近のSF書評と解説をhtml化するのが目標。



【2月23日(火)】


 F.F.N.のテープ起こしがメールで届いたので、すばやくまとめる。使える部分は少ないんじゃないかと思ってたけど、四人で一時間しゃべってるんで、さすがにネタは豊富。どこを切るかで四苦八苦。井上さんの見てきてような弁舌はテープ起こしで読み返しても爆笑です。




【2月24日(水)】


 夜中に起きて、午前2時からジョナサンで仕事。アニメージュの書評原稿をかたづけ、アスキーのコラムを書き、『リメイク』の直し。
 《チョンクォ》風雲録一気読みを再開。



【2月25日(木)】


 夜中に目が覚めたけど、《チョンクォ》をちょっと読んでからまた寝て、午前10時起床。やっとふつうの時間帯になってきた。



【2月26日(金)】


 昼まで寝る予定だったのに、午前9時半、日下三蔵からのさいとうよしこ宛ての電話にたたき起こされる。この結果、日下三蔵は福井健太より迷惑なやつであると認定。わがまま度は確実に高いね。

 しょうがないので起き出して、ミストラルで仕事。Remakeの直しが順調に進んだのはありがたいがそれも日下三蔵のせいだと思うとむかつく。

 4時半、またしても日比谷の東京會舘ティーラウンジ。
 一通りスタッフと打ち合わせをすませたあと、Love&PlayStationでやってるトークページ用に、我孫子武丸氏を捕まえて雑談。ゲリラ的ビデオ撮影を店からとがめられることもなく無事終了。しかし我孫子さんは最近あんまりゲームやってないらしい。ではかわりになにをしているのか? それは「長電話である」という結論に達する。いちばん面白かったのは町内会の話(笑)。

 6時から、徳間文芸3賞の授賞式。日本SF大賞大藪春彦賞、それに問題小説創刊30周年記念懸賞短編小説賞。SF大賞は大賞が『BRAIN VALLEY』、特別賞が《異形コレクション》(#1〜#6)とNHK人間大学『宇宙を空想してきた人々』、大藪賞が馳星周『漂流街』、短編賞が仁木雄太郎『夏の出口』。賞金は順に100万円、500万円、200万円。馳星周のところにまた500万も転がりこむとは。経済の法則に合致してるかも。
 受賞者の人々主催者・審査員の人々(前列左から、徳間康快社長・生島治郎・北方謙三・大沢在昌・阿部牧郎・中村彰彦・西木正明・永井豪・大原まり子・笠井潔・井口健二・高千穂遥)をとりあえず撮影。
 瀬名さんは海外出張中のためビデオで授賞あいさつ。アンケート葉書を分析したグラフをいきなりとりだすパフォーマンスでいちばんウケてました。わたしは高瀬美恵じゃないので「天然ボケ系」なんてことは口が裂けても言いませんが。
 しかし考えてみると、高瀬美恵のいぐさ村日記は一週間で消えてしまうのでリンクを張っても参照できないのだった。もったいない。
 というわけで、何年経っても消えないこの日記に一部を引用しておきましょう。
 本日の私は顔が好調だったらしく、何人かの人から「きれい」「今の髪型似合う」「痩せたみたい」と賞賛の声をかけられたのであった。えへん。しかしその中で、「今日は塗りが丁寧ですね」とのたまった大森望氏のことを、私はきっと一生忘れないでしょう。くー。
 いやほんと、ワセミス系の集まりのときとは見違えるような気合いの入った塗りでした。

 パーティのほうは、SF系、冒険小説系入り乱れてたいへんでしたが、まあ『蒲生邸事件』とエヴァが同時受賞だった前回のことを思えば、そこまで謎ではない。というか、もうこれがあたりまえになっちゃってるというか。
 写真館改編に向けて顔写真を撮影してまわる。といっても撮影済の人が多かったような。

 薄井ゆうじ氏はたぶん初撮影か。荻野目悠樹弓原望図子慧の各氏も写真初登場。東雅夫氏はカラオケ写真がきっとどこかにある気がする。堀さん野阿さんはひさしぶり。
 こちらは新津きよみさんと是方那穂子さん。初対面の是方さんは、ファミ通文庫やアスペクトノベルスで「NOёL」や「レブス」のノベライズ書いてる人ですね。
 劇団てぃんか〜べるの迫水由季嬢の生写真も押さえました。舞台写真とはさすがにぜんぜんちがうなあ。って一緒だったらこわい。ちなみにてぃんか〜べるの次回公演はなんと『魍魎の匣』。今年の11月20日〜23日に新宿シアターモリエールで上演の予定。いつもにもましてキャスティングがたいへんだろうなあ。迫水嬢はやっぱり久保竣公じゃないかと思うのだがどうか。
 マンガ家の藤臣柊子さんも、わりとよくお目にかかりますが写真は初めてだな。元ジャストシステムで現在会社経営者の深澤眞紀さんも初対面。SFオンライン5号のSF編集者インタビューにも登場してる、《SFバカ本》生みの親ですね。

 今日は田中哲弥田中啓文牧野修も揃い踏み。小林泰三がいないのが惜しい。武田さん@GAINAXに頼まれて、北方&大沢両ボスに紹介。愛読している作家の前では武田さんでも緊張するらしい。「全作品読んでます」とか(笑)。「ガイナックス」で通じる大沢さんは別として、北方謙三先生も、さすがに「エヴァンゲリオン」という単語は聞いたことがあった模様。
 武田さんと言えば、娘自慢が爆発。このパパ顔を見れ。

 一次会終了後は、例によってティーラウンジでSF組としばし休憩。となりのテーブルに高橋良平、川又千秋、横山宏、小峯隆生、向こうのテーブルに阿部、塩澤、神林夫妻という状況で、両田中&我孫子武丸と同席。まわりを見ながら、あの人はだれでこっちの人はだれと両田中に解説。
「だいたいSF系と新本格系やね」と我孫子武丸が言うので、
「新本格系って、それは自分だけやん」と大森。
 いやそんなことは……とまわりを見わたす我孫子武丸。ようやくC嬢といっしょにうしろの席にいた小森健太朗を発見し、
「小森さんは新本格系?」と問いつめる。
 いきなり核心をつかれた小森氏は目を白黒させてました。そりゃあんなこわい顔でそんなこと聞かれたらうろたえるよな。
 さらに『本格推理』デビューの田中啓文は本格系かどうかの話になる。
大森「だってこの人、神戸大のSF研出身やのに」
我孫子「え? SF研? ほんまにSF研?」
啓文「そうですけど……」
 すごく傷ついた顔になる我孫子武丸。裏切られた気持ちでいっぱいだったのか(笑)
「ミステリ研がないのにSF研はあったわけ?」とかさらに問いつめる我孫子武丸(同時代の関西の大学のミステリ研状況はさすがに把握している模様)。
啓文「あのころはまだSF研メジャーでしたから」
 そうそう、当時の神大SF研と言えば海外SFおたくの牙城で……とかいってると、我孫子武丸がやにわに右手を上げ、ぐいとうしろに引いてから、
「ガジョーーーン!」
「………………」
 一瞬の沈黙のあと、残り三人の会話。
「いや、さすがに新本格の人のギャグは違いますな」
「ほんまですな。身を捨てるギャグというか」
「わたしら、とても真似できませんな」
「そらもう、百年修行しても無理ですわ」
「感動しました」
「感動しましたな」
「なにもそこまでねえ」
「いやほんまに」

 いや、きみらに合わせるとこうかなあと思って、とか必死に言い訳してましたが、我孫子武丸の病は深い。河内さんがいなかったのは返す返すも残念なので細かく報告しておきました。

 9時半でティールームが閉店になり、異形コレクション組の二次会に合流しますかという話になる。両田中と牧野修を引率し、颯爽とタクシーに乗り込む我孫子武丸。
 大森はSF組とうだうだしゃべりつつ有楽町方面まで歩き、しばらく立ち話してから、もう一軒組、帰宅組と別れ、さいとうといっしょに、異形二次会場の《フィンランディア》があるコリドー街方面へ。
 寒くなくてよかったねとか言いつつぶらぶら歩いてると、なぜか逆方向から見覚えのある四人組が(笑)。とっくに着いていたはずなのに。「いや、タクシーの運転手に道が混んでるからって途中で下ろされて。こっちやって言われたんやけど」と弁解する我孫子武丸。
 けっきょく、コリドー街にそれらしき店は見当たらず、不二家の前から電話してみたら、「そしたら女房を迎えにやりますので。縦縞のエプロンした者がいきますから」。
 というわけで、縦縞のエプロンを見張るようにと説明すると、
「縦縞のエプロンですか。そらたいへんや」
「縦縞のエプロンのおばさんなんか、銀座に一万人はいますからねえ」
「向こうから百人ぐらい歩いてきたらどうやって見分けるんでしょうな」
「ないない」
 とか言ってるうちに縦縞のエプロンの人が現れて無事《フィンランディア》に到着。柴田よしきさんは場所がわからなくて20分ぐらい迷ったとかで、まあ我孫子組もとくに悲惨だったわけではないのかも。
 われわれの到着をいちばん喜んだのは倉阪鬼一郎氏。僕らだけでカラオケに行ってしまって自分は置いてきぼりを食ったんじゃないかと不安でしょうがなかったらしい。ふたたび「いぐさ日記」によれば、
倉阪鬼一郎さんは、カラオケに流れた組のことを気にしてソワソワしている。早く合流したいよー、太田裕美練習してきたんだよーと、気が気じゃない様子。あとから大森さんたちがやってきて、まだカラオケには流れていなかったことを知ると、心底ホッとした表情であった。……面白い人だ。
 ま、面白いのは倉阪さんだけじゃないと思いますが。

 フィンランディア店内は、こんな感じ(左から井上雅彦、柴田よしき、ひかわ玲子、太田忠司、荻野目悠樹、浅羽莢子)だったりこんな感じ(左から飯野、我孫子、T松@アスキー、笹川、牧野、高瀬)だったり。

 前回の行動を反省したのか、今日の福井健太はおとなしく、我孫子組がどやどや入っていくとすばやく席を空けて飲み物の注文をとる殊勝な心がけ。先週、知らない人間がほとんどのボックスに堂々と入り込み、床にすわってビールをラッパ飲みしていた男とおなじ人とは思えませんな。倉阪さんに見捨てられたら終わりという危機感のなせるワザか。
 三次会のカラオケに行かずに、日下三蔵とかといっしょにいつの間にか姿を消していたのも珍しいことである。

 我孫子・倉阪は予想通り書評家批判で意気投合。それもそのはずで、言ってることがいっしょだもんな。しかし倉阪鬼一郎のほうが多少心が広いかもしれない。「いや、それはホラーとミステリの(商業的な)状況の差でしかない」と力説する我孫子武丸。まあ、今のSFの立場から言わせてもらうと、「本格以外××と呼ぶな」っていうのは贅沢ですわな。と言いつつ、スーパーナチュラルな要素のないものをホラーと呼ぶことにはオレも抵抗があるのだが。

 飯野文彦は今夜も絶好調。奥田さんはなるべく飯野さんに近寄らないようにしている(笑)。会う人ごとに「女子トイレにこもってたいへんだったんですって?」と言われたそうで、奥田さんにはなんの罪もないのにかわいそうな話である。人間には思いやりの心がたいせつであろう。それ以上にたいせつなのは、ニュースソースを秘匿する心がけである。どうしてもニュースソースを開示する必要があるときは、「我孫子さんの日記で読みました」とか「たしか田中さんの日記で」とか言うように>とくに編集者諸氏。

 わたしはこないだの異形パーティでもう慣れましたが、初対面だった田中哲弥は酔っぱらい飯野文彦にかなりの衝撃を受けたらしく、日記には、「飯野さんはめちゃくちゃ上機嫌で、ものすごい酔い方をされていた。どのようにものすごかったかということは公序良俗に反するので書けない。めちゃくちゃおもしろかった。」と書かれてます。存在自体が公序良俗に反してるというか。でも『グランドホテル』の飯野さんの短編は好きだな。
《フィンランディア》を追い出されたあと、店の外で記念写真を撮影し(倉阪鬼一郎、弓原望、太田忠司、我孫子武丸、井上雅彦、森岡浩之、柴田よしき、図子慧、荻野目夫妻)、十数人でぞろぞろ銀座ファゼンダへ。笹川吉春、飯野文彦、倉阪鬼一郎、高瀬美恵、森岡浩之の酔っぱらい後人組がふらふらしながら肩を組んで歩いていく絵に描いたような千鳥足姿が異様におかしい。一行の先頭はもちろん我孫子武丸。場所を知らなくても先頭に立つのだから立派である。

 いちばんでかい部屋に通されてからは、倉阪鬼一郎ワンマンショウ。全曲の半数以上はマイク握ってましたね。牧野&両田中と隅のほうで主に倉阪さんを観察して過ごす。
「あの左手がすごいですな。自然に動いてますよ。ほら、いまこぶしが……」
「完全に入ってますな。ようあんな細かい芝居を」
「あんな小説書く人が、まさかねえ……」
「いや、あんな人とは思いませんでした」
 などなど。
 我孫子武丸の選曲についてもぼそぼそと細かいチェックを入れる三人組。
「なんかセリフのある歌が多いですな」
「あ、またや。また語ってますよ」
「よっぽど語りたいことがあるんでしょうな」
「あれだけ日記で語ってるのにねえ」
「語り足りないんですな」
 その他いろいろ。

 そう言いながら、田中哲弥はしっかり「津軽恋女」とか歌って、倉阪鬼一郎から握手を求められたりしていたのだった。謎。
 しかしレアリティがいちばん高かったのは、牧野修森岡浩之の「諦念プシガンガ」デュエットだったかも。柴田さんのCharaもけっこう意外だったな。あれは持ち歌系でしょう。

 なんだかんだで午前5時の閉店まで歌いつづけ、
「入れてたのに出んかった曲があるなあ。もう一軒行きますか」とか、いまごろエンジン全開の我孫子武丸を振り切って、柴田さんとタクシー帰宅。

 なお、この日の模様は、我孫子武丸福井健太倉阪鬼一郎高瀬美恵田中啓文田中哲弥などの日記でも読めます。



【2月27日(土)】


 午前7時に寝て、夕方一回起きる。さいとう妹一号の一家がやってきて、姪がピカチュウに向かって大声で命令しているのを遠く聞きながらまた寝る。11時ごろ起きたがまだ眠いのでまた寝る。合間に『エンディミオン』を読みつつ寝たり起きたりしているうちに一日が終わった模様。



【2月28日(日)】


 出かけようかと思ったが寒いので寝床で『エンディミオン』を読みつづけ、8時半ごろ朝ごはんを食べにジョナサンに出かける。携帯電話が行方不明だという事実が判明。昨日、どこかに置き忘れた紙袋に入れていたらしい。なにしろ眠かったのでよく覚えていないのである。それもこれも朝9時半に電話でたたき起こしたやつのせいだな。許すまじ日下三蔵。
 ファゼンダに電話したけど忘れ物はないというので、とりあえずIDOの携帯は機種変更することに決定。音声認識機能(電話番号簿を音声入力で呼び出せる)つきの最新機種、Panasonic531Gの水色のやつにしてみました。前のはバッテリがへたりかけてからちょうどいいや。ウケねらいならハローキティモデルだが(笑)

 夕方まで仕事して、家に帰って寝床で『エンディミオン』読んでると、ガチャンとドアを開けてさいとう姪(2歳)が乱入してくる。
「げんき?」と聞かれたので「げんきだよ」と答えると、ヘッドボードの上の電気スタンドをいじり、「はい、あーんしてください」
 きみは歯医者か。
「おちゅうしゃしますよー」と洗濯バサミを持ってくる二歳児。もしかしてオレはお医者さんごっこされているのか。
 子供がいると本が読めなくなるのは真理に違いない。
 しかし『エンディミオン』って「帝国の逆襲」だったのね。ハンソロがいないのが惜しいがレーア姫はこっちのほうが百倍かわいいっす。


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