Powered by bk1(Online Bookstore) →詳細検索
Powered by amazon.co.jp
↑CD、DVDその他全商品を検索対象に含めました。購入金額1500円以上で送料無料。



【2月13日(水)】


 ふと気がつくと、本の雑誌の新刊レビューに『蚊コレクション』を入れ忘れてました。ゲラまでもらってたのにすみません。ま、『21世紀本格』なんか、書いたけど入らなくて削ったので、覚えててもどっちみち入れられなかったかも。
 そういえば『銀河おさわがせアンドロイド』も忘れてるし、『トリガー』はまだ読んでない。『グロリアーナ』と『ドラキュラ崩御』と『琥珀の潜望鏡』も未読。これだけですでに次号分の枠がいっぱいになりつつあるような。どうするんだいったい。
 と言いつつ、今月は《ベストブックス》があるので国産ミステリ読まないと。




【2月14日(木)】



 新人賞原稿を読みつつ男子の距離複合とか。2位の同着には驚いた。写真判定でも同着で銀メダルが二個だって。距離のレースでそんなことがあるとは。競馬じゃなくてさいわい。っていうか、競馬ってほんとにミリの差だったりして写真で区別できないときはどうやって順位を決めるんでしょうか(……と思って調べたら競馬でも同着があるのだった。ふうん)。
 スノボの男子パラレル大回転はコースアウト続出。たいへんそうです。




【2月15日(金)】



 起きたら本田くんが滑ってました。そうか、こんな時間だったのか。ヤグディンとプルシェンコは別世界なので(コニー・ウィリス的に言うと、この二人はアステアの領域。どのジャンプもすごく簡単そうに見える)、あとはゲーブルくんが失敗するしかないと思ったら、SPとは別人みたいな出来。まあしかし、男子フィギュアで日本人が4位なんて夢のようだな。あの眉毛はちょっとなんとかしたほうがいいと思うが。

 ヤグディンまで見たのでやや遅刻しつつ、新橋・徳間書店で遅れに遅れて立ち上がった『ルー=ガルー読本』(仮)の打ち合わせ。編集担当はアンダーセルの大塚ギチ氏。アニメージュ連載分の対談のロングバージョンを載せるんだけど、その原稿作成作業をどうするかとかそういう話。ギチ氏とは初対面なんだけど、言うことが若いというか熱いというか。なるべく仕事しないですむように逃げようかと思ってたけど、なんかそうも行かなそうな気配。徳間書店の編集者間でも意思統一がないし、だいたい京極さんはどう考えてるのか。
 と思って電話してみたらだいたい予想通り。まあこれに関しては担当を放り出して逃亡したO野《アニメージュ》新編集長がいちばんわるものだね。いやまあ、こんな企画進めてるヒマはなかったにしても、もうちょっとしっかり根回ししとかないと。

 よくわかならい打ち合わせ終了後、アニメージュ編集部に寄ってW辺嬢と喫煙室で四方山話。最近人気のTVアニメとか言っても全然見てないのが情けない。『フルーツバスケット』ですか。見てるのは『ラーゼフォン』ぐらいだもんなあ。2話はけっこうよかったのでこれからに期待したい。

 西葛西にもどってから、3年前のアニメージュF.F.N.対談テープ起こしのデータをひっぱりだし、単行本の台割に合わせてロングバージョンを作成する作業に着手。AM連載バージョンのだいたい3倍ぐらいの分量に増やさなきゃいけないんですが、さすがに200枚の原稿を60枚に編集する作業から比べると、意外と労力がかからない。




【2月15日(土)】



 高田馬場の芳林堂に寄って書評用その他の本を買い込みユタ。『SFが読みたい! 2002年版』(→bk1amazon)のベストが主な話題。海外SFベスト5に関しては、『タクラマカン』『祈りの海』『20世紀SF』が(ふつうの選者は)ほぼデフォルトで入るので、残り枠2本になにを入れるかの問題。大森は『ネヴァーウェア』と『オンリー・フォワード』を選択したわけですが(尾之上俊彦と完全一致)、迷った代替候補は『オルガスマシン』『ハッカー/13の事件』で、その次の候補が『ゲーム・プレイヤー』かな。
 残り2枠に『フラッシュフォワード』と『過ぎ去りし日々の光』を突っ込む流派も存在するわけですが、オレ的にはこれが守旧派もしくは抵抗勢力(笑)。この2本を両方入れてる人とはSF観が共有できない気がするね。『キング・ラット』はともかく、作品社の『ナボコフ短篇全集』全2巻と講談社ノベルスの『スパイダー・ワールド』が20位内に入ってきたのは、選択肢の少なさの証明か。扶桑社のパトリシア・ハイスミス『世界の終わりの物語』は盲点でした。すっかり忘れてたよ。
 国内は『かめくん』『ΑΩ』『鳥類学者のファンタジア』『銀河帝国の弘法も筆の誤り』『ドッグファイト』がベスト5。まあこんなもんですかね。『ドッグファイト』や『ふわふわの泉』に比べて、林譲治の評価がやや低すぎる気もするが。野阿梓『ソドムの林檎』はかろうじてベストテン圏内に滑り込み。あと『黒い仏』の8位っていうのは……ベスト20作品ガイドの記述と合わせてネタバレ度が高い。どうでもいいけど、このベスト20作品ガイドには『ハサミ男』のネタバレまで含まれるので、殊能作品を未読の人は注意。そのへん、さすがに千街晶之の国内ミステリガイドはもっと気を遣って書いてるわけですが、こっちは微妙にSFの勘所をはずしてますね。とくに『スカイ・クロラ』の紹介とか。作品選択は順当なんだけど。
 海外編のベスト20作品ガイドでは、「渡辺英樹が書いた紹介の最後の一節を読んで、作品のタイトルを当てる」という邪悪なクイズを実施。
「SFを読んできて良かったと思える至福の瞬間が、ここにある」
「様々なレベルで楽しめる知的な娯楽作品である」
 あたりはかなり難度が高い。タイトルを聞けばなるほどねと思うけど、
「本書には原書のSFが持っていた未知の空間へと乗り出すときの胸躍る気持ちが鮮やかに再現されている」
「わかってはいても結末で涙せずにはいられない王道娯楽冒険SFだ」
「物語性よりも哲学性が強調されている」
 なんかも一発では当てにくいんじゃないでしょうか。(回答はこのファイル末尾に

 類書でも同じことだけど、この種の紹介はどうもあんまり読む気をそそらないので、「名セリフの引用」とか「一行キャッチコピー」とかをつけてみたらどうですかね。

 京極対談原稿整理のつづき。9本の対談・座談会のうち6本まではどうにかおおざっぱに分量を合わせ、アンダーセルにメール入稿。問題はここから先どうなるかなんだけど。どうなるんだろうなあ。




【2月17日(日)】



 横浜アリーナでハロー・プロジェクトのコンサート。総勢30人ですか。モー娘。五期メンバーの名前も全部は言えないのに。なんかますますおニャン子化してるなあと思うんだけど、こっちは会員番号がないのでさらにわかりにくい。カントリー娘。はいつのまにかずいぶん増えてるし、メロン記念日はひとりしかわかりません。ココナッツ娘。で顔に見覚えのある子は今日で卒業だし。ユニットの性格設定をもうちょっときっちりやったほうがいいんじゃないでしょうか。というか、今のタンポポだと、ほとんど存在理由がなくなってる気が。
 松浦亜弥は人気が爆発してますが、どこがいいのかよくわかりません。いや、死滅しかけていた80年代正統派アイドル路線の後継者、というポジションはいいんだけど……。

 オリンピックの途中でスカパーにザッピングしたらパルマの試合をやってました。後半の途中から中田が出てきてびっくり。しかし、ピッチにはいたんだけど試合にはほとんど参加してなかったような。チームメイトからよっぽど嫌われてるのかもしかして。ボール持てばそれなりの仕事はしてるのに、ボールが来ないパサーって……。はやくパルマを離れたほうがいいと思った。

 早川から送ってもらうのが間に合わなくて芳林堂で買った東直己『探偵は吹雪の果てに』読了(→bk1で注文amazon(送料無料)で注文)。名無しの探偵シリーズの最新作ですが、ほとんど東直己版『なぎら☆ツイスター』。ウォシュレットネタのギャグが爆笑。あと、女子高生とのコミュニケーションとか、タクシー運転手との会話とか。二十年ぶりだかに再会した十五歳年上のマドンナが今は六十歳っていうのもすごい。昔の女のためにハードボイルド・ヒーローががんばる話は山ほど書かれてますが、たぶんこれがマドンナの最年長記録では。しかもその性格がすばらしい。このへんのしみじみ感では、さすがに戸梶圭太もかないません。




【2月18日(月)〜20日(水)】



 冬季五輪を横目に新人賞の下読み作業。女子エアリアルの決勝で一本目1位だったロシアのふっくらしたお嬢さん、カロレワ嬢が異様に印象的でした。二本目で逆転されて4位まで落ちちゃったのはかわいそう。その後、ロシアは採点がおかしいと猛抗議したみたいだけど、二本目の出来からすると妥当な順位では。メダルをとるにはもう少し減量しなきゃね。いや、個人的にはあの体型のままがんばってほしいけど。

 男子ショートトラックでは疑問判定が続出。ホームタウン・ディシジョンもここまで露骨なのはめずらしい。いちばんひどかったのはスノボのハーフパイプかな。長野のときにもちょっと思ったけど、冬季五輪の国体化がどんどん進展しているのでは。「日本人はメダル気違い」と言い放ったのは千葉すずですが、日本人だけじゃなかったというか。
 ソルトレークシティに決まったときから予想されたこととはいえ、史上最低の冬季五輪の座を不動のものにしつつあるような。

 月曜はベストブックスの収録。『アラビアの夜の種族』(→bk1amazon)に三人が◎を打つ意外な展開。でもトヨザキ社長の見解では、「『アラビアン・ナイトメア』に匹敵する」というのは誉めすぎらしい。そうかなあ。ちなみにロバート・アーウィンの『アラビアン・ナイトメア』は、国書刊行会の《文学の冒険》シリーズの一冊で、若島正訳。今でも買えるので、トヨザキ社長の見解を検証したい人はご一読を(→bk1amazon)。

 なお、ベストブックスは大幅にリニューアルする予定らしく、次回収録は4月末〜5月初めになる模様。まあ、もうちょっとお気楽な感じにしたほうがいいと思います。




【2月21日(金)】



 距離の女子20キロリレー〜女子カーリング3位決定戦・決勝〜アルペン男子大回転〜女子フィギュアのフリーと徹夜でTV観戦。

 リレーではいきなりロシアとウクライナが欠場。「おや……ロシアが……いませんが……」「いませんねえ」「いったいなにがあったんでしょうか。あっ、どうやらロシアはスタートしなかったようです。優勝候補のロシアは出場していませんっ」みたいな実況がスリリング。抜き打ち血液検査で出走さしとめだったんだけど、事前にちゃんと発表しないのか。

 女子カーリングはひたすら守備的に戦う英国が優勝。戦い方が堅実すぎてあまり面白くない。やっぱりがんがん行かないと。

 いちばん面白かったのは女子フィギュアのフリー。ミシェル・クァンに金をとらせるのが全国的な総意って雰囲気で、SPの1位もそのおかげだと思うけど(公平に判定すればスルツカヤが1位でしょ)、あんなにジャンプが飛べないんじゃね。サーシャ・コーエンの逆転をひそかに期待しつつ見ていたところ、サラ・ヒューズ16歳(ミステリファンらしい)が3回転‐3回転を2回決める完璧な演技。それを見ていながらサーシャは4回転サルコーを飛ばず、クァンとスルツカヤもずるずると自滅。SP4位だったサラ・ヒューズの大逆転優勝に。ロシアはどうせ抗議するならSPの結果が出た直後に抗議すべきだったね。
 それにしても爆笑だったのは実況のNHKアナの狼狽ぶり。最終演技者のスルツカヤを残してクァンが1位だと(サラ・ヒューズを上回っていると)思いこんでいたらしく、スルツカヤの演技が終わってサラの優勝が決まると完全にウロが来た状態。スルツカヤに抜かれたら3位に落ちることぐらい、スルツカヤの演技が始まる前からわかっていたことなのに。
 この時点で実況に求められていたアナウンスは、
「フリーではサラ・ヒューズがミシェル・クァンを上回りましたが、SPの貯金がありますので、現在はまだクァンが1位。しかしスルツカヤのフリー順位次第では、サラ・ヒューズに逆転の可能性があります」
 でしょう。それを言わなかったおかげで頭が「?」だらけになった人も多いのでは。
 しかしスルツカヤも、フリー2位では金をとれないのがわかってたはずなのに、難度を下げたのは戦略ミス。3−3を飛ばなきゃいけなかったのに。表現力で勝てるって読みだったのかなあ。
 それにしても、フィギュアの採点はまだ冷戦が続いてるというか、笑っちゃうような結果ですね。ロシア、スロバキア、デンマーク、ベラルーシがスルツカヤ1位、ドイツ、イタリア、フィンランド、カナダ、アメリカがヒューズ1位。スルツカヤを1位にするのはともかく、ロシアとデンマークのジャッジは、なんとヒューズが4位。どう見てもこっちのほうがへんだと思う(スルツカヤを4位にしてるイタリアもへんだけど。村主とスルツカヤが表現力で同ポイントって……)。推薦入試じゃないんだからさ。

 というわけでサラ・ヒューズの金メダルは順当。村主の5位も大健闘。SPの順位は結局ほとんど影響しませんでしたね。SP5位で最終組に入って滑ってても、サーシャは抜けなかっただろうし。ブッテルスカヤはどうしちゃったんでしょうね。



《クイズの回答》
順に『過ぎ去りし日々の光』『ゲーム・プレイヤー』『ノービットの冒険』『バラヤー内乱』『エンダーの子供たち』



top | link | board | articles | other days