「経営資本が 基本投入費の6倍を超える企業は危ない             

                               と考える安さん」 (歯痒末説 ver3.1)

 「株価の末説」にも 述べたように、安さんの考えた 経営指標では、基本投入費原理から 次の

ような関係があることが判ります。         《エンデ・ゲゼルへ 戻る》《末説一覧へもどる》


 経営資本利益率 = 基本投入(費)率 × 付加価値利益率 × 総合生産性指標(IPI)

      @              A               B               C


 ここで 各項目の内容は次の通りです。

  @ : 経営資本利益率 = 営業(経常)利益 / 経営資本 [ : 0.075 ]

  A : 基本投入(費)率 = 基本投入費(設備費+労務費) / 経営資本 [ : ? ]

  B : 付加価値利益率 = 営業(経常)利益 / 付加価値 [ : 0.150 ]

  C : 総合生産性指標(IPI) = 付加価値 / 基本投入費(設備費+労務費) [ : 3.000 ]

                                       《末説12.1虚業へもどる》 

 この それぞれの指標項目は、個別企業の指導実績や 経営指標のベンチマーキングなどか

ら、前記の @BCの項目の末尾に、[ : ○○○○ ]で示した数値が 目標化できます。Aの基

本投入(費)率は 安さんが誘導し策定した数値なので、前記の式に 目標数値を代入して求め

ると、Aは 「基本投入(費)率 = 0.166」になります。これは基本投入費を基準に「1」とし

たとき 式の形から、経営資本が基本投入費の「6倍」以上の場合に @の経営資本利益率が未

達になり、経営や生産方法の革新が 必要になることを示しています。

 

 つまり 最終成果の目標の@や、中間で確保すべき目標のBが 妥当であれば、技術的手段

に左右される目標の C[あるいはCOM:機械化係数={設備費/(設備費+労務費)}]を

選択すると、総合的な資金効率を表わす Aの目標値が策定できます。Cの選択は 一見設備

のハードだけの様ですが、実際には 在庫の持ち方や工程管理の方法などのソフト部分が含ま

れ、それが結果として Aの資金効率に影響する訳です。このようにして メーカー(製造業)が

健全な経営を続けるには、生産手段の ハード・ソフトの組み合わせを工夫し、Aの基本投入

(費)率を参照しながら 「経営資本を (流動する中でも 比較的に安定している)基本投入費の

6倍以内に抑え込む」必要が見えてきます。これは安さんが開発した 新しい視点です。

 

 この視点は 在来の経営指標に比べ具体性があり、在来指標と併用すれば 大きな効果があり

ます。経営資本を大きくする要因には 「生産工程の前後や仕掛品などの 在庫」・「売掛金・前

払金・貸付金」・「投資や権利を含む 不活動資産の保有」・「計画遅れ分の繰り延べ資産」・「割

引費用」などがあります。「割引費用」は その評価時点での金利で除した額が、評価的な 資本

への加算額になります。その他 当然に、「設備の陳腐化や 劣化」・「歩留まりや作業ロスなどの

非効率的な生産」も 経営資本を増やしますが、これは 総合生産性指標(IPI)で攻めるのが本筋

です。実例でも ここまで細分化して資本側に逓減余地がなく、思い切って 生産のソフト・ハード

の革新に踏み切って、意思決定を 適確かつ迅速に行えた例が多くあります。

                                            《末説一覧へもどる》

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