81は特別な数。
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今回は、2つの内容が紹介されています。
一つは、1/81を小数で表した時の循環節の特徴、
もう一つは、(1) 各桁の数を足す (2) その和を2乗すると元の数と一致する、という性質。
このそれぞれの性質について解説します。
まず、1/81を実際に計算してみると、
1/81 = 0.012345679012345679...
= 0.[012345679]
この「012345679」が繰り返されます(注:8は入らない)。
この12345679という8が抜けた8桁の数は、ひじょうに面白い性質を持っていますが、
いずれ「ゆるナビ」で紹介されるかも知れないので、今は伏せておきます。
循環小数についての解説は、『数学者の密室』 5章 循環小数に、書いてありますが、
ここで一点だけ述べておくと、循環小数の循環節の長さは必ず(分母の値−1)以下になります。
理由は簡単で、
「循環」は割算を続けていって余りの値が以前のどこかと一致したとき、それ以降が循環します。
余りの値は、割る数(この場合は分母)よりも必ず小さくなり、
これは、1から(分母の値−1)までの値しかありえません。
したがって、循環節の長さが分母の値以上となったとき、その中に同じ値が必ず存在します。
よって、循環節の長さは必ず(分母の値−1)以下になることがわかります。
上の1/81の場合、結果を知らなければ、循環節の長さは最大80となりますが、
この場合は、幸い8桁の循環となります。
81に関連して、
も特徴的な循環節のパターンを持ちます。
興味のある方は計算してみて下さい。
上の数は、9のベキ乗に関係する数ですが、9自体は3の2乗です。
この「3」のベキ乗が特徴的な循環パターンを示す場合があり、例えば、
1/243 (243=3^5, 「^」はベキ乗を表す)
は、特徴的な数字が並びます。
このように特徴的なパターンが現れる循環小数について、こちらでまとめて紹介しています。
もう一つの話題、
(1) 各桁の数を足す (2) その和を2乗すると元の数と一致する
について。
まず、これが成り立つ数は、1, 81 の2つのみです。これ以外にはありません。
これら以外には無い理由は、わりと簡単に説明がつきます。
(四角で囲っておきますので、退屈な方は飛ばして下さい)
まず、 4桁の数の、各桁の数の和の最大値は、9+9+9+9=36 ... 2桁。 よって、2乗したときの最大値は、2桁の数の2乗なので、最大でも4桁。 5桁の数の、各桁の数の和の最大値は、9+9+9+9+9=45 ... 2桁にしかならない。 よって、2乗したときの最大値は、2桁の数の2乗なので、最大でも4桁。5桁に到達しない。 よって、探査範囲は、1から9999まででよい。 また、調べるのは2乗数だけでよい。これは、1から99までの数を2乗することによって生成できる。 結局、探査対象はたったの99個で、全部調べると、1と81が条件を満たすことがわかる。 |
もっと一般化して、各桁の数の和をn乗して元の数と等しくなるような数を探して見ます。
やり方は上と同じ、各桁の数を足したときの最大値とそのn乗の桁数から、探査範囲を限定します。
3乗〜10乗の場合の結果は以下のとおり。
ベキ乗 | 解(かっこ内は) 各桁の数の和 |
---|---|
3乗 | 1 (1) 512 (8) 4913 (17) 5832 (18) 17576 (26) 19683 (27) |
4乗 | 1 (1) 2401 (7) 234256 (22) 390625 (25) 614656 (28) 1679616 (36) |
5乗 | 1 (1) 17210368 (28) 52521875 (35) 60466176 (36) 205962976 (46) |
6乗 | 1 (1) 34012224 (18) 8303765625 (45) 24794911296 (54) 68719476736 (64) |
7乗 | 1 (1) 612220032 (18) 10460353203 (27) 27512614111 (31) 52523350144 (34) 271818611107 (43) 1174711139837 (53) 2207984167552 (58) 6722988818432 (68) |
8乗 | 1 (1) 20047612231936 (46) 72301961339136 (54) 248155780267521 (63) |
9乗 | 1 (1) 3904305912313344 (54) 45848500718449031 (71) 150094635296999121 (81) |
10乗 | 1 (1) 13744803133596058624 (82) 19687440434072265625 (85) 53861511409489970176 (94) 73742412689492826049 (97) 179084769654285362176 (106) 480682838924478847449 (117) |
以下、100乗まで計算しても、それ程時間はかからないので、やってみました。
値が大きくなるので、n乗する元の数(=各桁の数を足した和)のみを示すと、以下のリストのようになります。
ふだん、ある数の100乗というのを目にすることはあまり無いと思うので、最後の1489の100乗を実際に書くと、
19474655111040951292001856858118067617714745393129451503478203719691593973808385
34552406802067666060289696960578498758238993858629429797817702000436888656662719
80080275941228958332132777322069482207651726576748098711809799154256534977294895
423823753611747218048307728215969833224967204826427956374553013884963900296001
という、318桁の数となります。この各桁の数を全部足すと本当に1489となります。
本当になるかどうか気になる方は、実際に計算して見て下さい。
ここで、新たな疑問。
1は、任意のべき乗数について解となっている。
では、逆に、解として1しか持たないようなベキ乗数は ?
これは、計算を続行するとすぐ答が出てきます。
105, 164, 186, 194, 206, 216, 231, ...
#0 数字を左右逆さまにして足す | 「ゆるナビ」サポート | #2 3ケタのゾロ目を斬るシャープな数 |
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