b=kpとなる任意の解から、その解を含む恒等式を構成することができる。
個別解 m/P=1/A+1/B+1/C、B=kP(kは整数)に対し、
a, b, c, d, e, f, c', d' を以下のように定義する。
c := B/P
a := mk−1
b := a−(P mod a)
n := (P+b)/a
d := cn−A
e := gcd(c,d)
c':= c/e
d':= d/e
f := ke/(bc−ad)
このとき、式、
m/(an−b)=1/e(c'n−d')+1/k(an−b)+1/f(an−b)(c'n−d')
は恒等式であり、特に上記で得られたnについて、
P=an−b
A=e(c'n−d')
B=k(an−b)
C=f(an−b)(c'n−d)
となる。
詳細は略。恒等式の右辺について、
1/e(c'n−d') | = | 1/(cn−d) |
1/f(an−b)(c'n−d') | = | < td align="left">e/f(an−b)(cn−d)|
= | (bc−ad)/k(an−b)(cn−d) |
及び c=k なので、直接計算により示すことができる(証明終わり)。
さて、『5.b=kpとなる解を含むような恒等式の構成方法』では、
恒等式の探査にあたり、かなり条件に制約をつけた。
とても同値変形とは云えないものだった。
しかし上記定理により、任意のb=kpとなる個別解から、
恒等式を構成できることがわかった。
残るは、b≠kpの場合である。この場合も恒等式を構成することができるか?
結論を云うと、できる。
その方法を次に述べる。
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