初項1、項差24の等差数列 an=24n+1(n=0、1、2、……)について考えてみる。
1、25、49、73、97、121、145、169、193、217、……
Excel でこのような等差数列をセルに入れるときは、
編集(E)―フィル(I)―連続データの作成(S)
を使う。
まず、A1にタイトルとして「24n+1」を入れる。
次に、A2に1を入れて、A2からA12ぐらいまで、マウスの左ボタンを押したまま引っ張る。
そして、編集(E)―フィル(I)―連続データの作成(S)、を選ぶと、
増分(S)を指定するところがあるので、そこに24を入れると、
初項1、項差24の等差数列が生成される。
nの値も知りたいので、B1にn、B2に計算式 =(A2-1)/24 を入れて、B3からB12までコピーする。
結果は以下のようになる。
A | B | |
---|---|---|
1 | 24n+1 | n |
2 | 1 | 0 |
3 | 25 | 1 |
4 | 49 | 2 |
5 | 73 | 3 |
6 | 97 | 4 |
7 | 121 | 5 |
8 | 145 | 6 |
9 | 169 | 7 |
10 | 193 | 8 |
11 | 217 | 9 |
12 | 241 | 10 |
A列を見ると2乗数が多く含まれているのが、目に付く。
A列の平方根をとってみよう。
C1をタイトルとしてpとし、C2に計算式 =SQRT(A2) として、C3からC12までコピーする。
結果は、以下のとおり。
A | B | C | |
---|---|---|---|
1 | 24n+1 | n | p |
2 | 1 | 0 | 1 |
3 | 25 | 1 | 5 |
4 | 49 | 2 | 7 |
5 | 73 | 3 | 8.544004 |
6 | 97 | 4 | 9.848858 |
7 | 121 | 5 | 11 |
8 | 145 | 6 | 12.04159 |
9 | 169 | 7 | 13 |
10 | 193 | 8 | 13.89244 |
11 | 217 | 9 | 14.73092 |
12 | 241 | 10 | 15.52417 |
1を除き、整数値になるときは必ず素数になっている。
では、このまま続けていくと、5以上の素数が全て現れるのか?
計算式をひたすらコピーして、整数になるものを捜してもよいが、ここは、マクロを組んでみる。
挿入(I)――マクロ(M)――モジュール(M) を選ぶとマクロ作成用のシートが挿入される。
そこに、以下のマクロを入力する。
Sub Record1() Worksheets("Sheet1").Activate Cells(1, 1).Value = "24n+1" Cells(1, 2).Value = "n" Cells(1, 3).Value = "p" i = 1 For n = 0 To 50 m = 24 * n + 1 p = Int(Sqr(m)) If m - p ^ 2 > 0 Then GoTo L1 i = i + 1 If i > 11 Then GoTo L2 Cells(i, 1).Value = m Cells(i, 2).Value = n Cells(i, 3).Value = p L1: Next n L2:End Sub
nはどのぐらいまで調べればいいかわからないが、適当に設定しておき、
10個見つかったところで打ち切るようにする。
最初の10個の整数値は以下のとおり。
A | B | C | |
---|---|---|---|
1 | 24n+1 | n | p |
2 | 1 | 0 | 1 |
3 | 25 | 1 | 5 |
4 | 49 | 2 | 7 |
5 | 121 | 5 | 11 |
6 | 169 | 7 | 13 |
7 | 289 | 12 | 17 |
8 | 361 | 15 | 19 |
9 | 529 | 22 | 23 |
10 | 625 | 26 | 25 |
11 | 841 | 35 | 29 |
素数でない数(25)もあるが、とりあえず、5以上の素数はもれなく出現しているようである。
さらに続けていった場合も、5以上の全ての素数が現れるのか?
答えは、yesである。それは、以下のように証明できる。
5以上の素数は 6n±1 の形で表すことができる。
2乗すると 36n2±12n+1=12n(3n±1)+1 。
n(3n±1) は、nが奇数、偶数いずれの場合も2の倍数となるから、
素数の2乗−1は、必ず24で割り切れる。
上の等差数列は、その構成方法より、24で割って1余るような数を全て含んでいるから、
ルートをとったとき、5以上の素数を全て含むことになる。
(証明終わり)
B列を眺めていると、以下のようなことに気付く。
これは、以下のように証明できる。
mod 5 で考える。
n=5k+a、a=0、1、2、3、4のとき、24n+1=120k+24a+1。
aのそれぞれの値に対する 24n+1の1の位の値は、下表のとおり。
a | 24n+1の1の位 |
---|---|
0 | 1 |
1 | 5 |
2 | 9 |
3 | 3 |
4 | 7 |
ここまでの議論を予備知識として、
こちら(
実験数学概論(大阪大、山本芳彦教授の講義録))
を眺めて見て欲しい。
もっとすごい世界が展開されている。
前頁 | 目次 | 次頁 |
---|