一人で、ひとつの場。これは、昨年夏の新高円寺のOil City以来であった。実に自然自然にやれた・・。それが、まず第一の感想だ。気負ったり、衒ったりするところがなかったということである。よくよく考えてみれば、一曲ごとにおしゃべりするのも何か変な感じがしたし、一曲ごとに解説をするようなものでもないような気がしていた。即興ということができる境地ではないのだけれども、だから、練習は欠かせないのだけれども、ひとつひとつの歌というか曲というか。それは、フレーズの寄せ集めというか、それでひとつのフレーズのようなものだ。
その時、その時の空気に自然に感応する。そういうことなのだろうと思う。第一部、第二部ともに、一区切りかなというところでおじぎはしたがしゃべりは入れなかった。それが自然だったような気がした。
ともあれ、とても自然にやれたのも、その場にいてくださった方たちの空気のおかげのように思われてならない。ありがたい限りである。
Music Frontierの水野さんと中村さんに来ていただけた。お二人と、中川とは相当の年の差があるように思うのだけれど、ことこの音、時空については、そういう心配もしないで済むようであった。ありがたい限りである。今後の活動の励みとしたい。
C とけてひとつ
D 天変地異(新曲)
E どう?(新曲)
@ 気配(新曲)
B 心ひとつ(新曲)
F 極北の歌
@ 備えあれば憂いなし
A エグゼクティブ・サマリー
B 歴史に関する考察
C シティ・ボーイ
D 情緒不安定
E 自動販売機になりたい
F やせ我慢の共同体
控えめなラブソング
押し付けアンコール
夢を見ない夜に
諸般の事情があって、笹山てるおが出発したのは、9月6日のことでした。その三日前、ひさしぶりに笹山と素面で、そして、さしで数時間話し込む機会がありました。「節目だね。」「流れだね。」「流れには竿ささない。」そんな言葉が去来し、あるいは、笹山が旅に出ている間に、「日本の代表的な歌を」と問われたら、「はっぴいえんど」だよね、ということで、はっぴいえんどの曲のコードを二人でギターを弾きながら追ってみたりと。
笹山とそのように時間をすごしたのは、実に20数年ぶりくらいのことかもしれないななどと思ったものでした。
ともあれ、笹山てるおが出発しました。その間、ぼくはどうしよう・・と迷ったところも少しあるのですが、笹山が旅に出ている間、ぼくはここにとどまり、去来するイメージや、湧き出てくる音や歌をつかみ、それを表明する・・やはり、その営みは、どれほど間隔が空こうと、やはり続けようと思った次第で、そういうことを続けることで、また、笹山が戻ってきた時に、一緒にやれるのだろう、などということを考えたのでした。
かくして、中川の第31回めのギグは、「地下から空へ」番外編その1としました。中川一人で、やります。思いっきりですね。深海の底のような時空を示現するべく、精進しています。
ぜひ、ぜひ、お越しください。
2000.6.5記す