ヒカゲツツジ咲く丹波・向山と清水山      

レモン色  
 向山連山に咲くヒカゲツツジ   
  山を愛し、自然を大切にする人だけに入ってほしいと思います。
  地元の方がボランティアで登山道を整備されています。その心に応えましょう。
■目的地:向山(569.0m)・清水山(542m)
■2.5万図:柏原        <山域:丹波・兵庫県氷上町・春日町・柏原町>
■日にち:1999年4月24日(土)
■天気:曇り
■同行者:単独
■コースタイム:
  自宅 発(11:00)=氷上町石生・水分れ(みわかれ)公園 駐車場着(12:20)

  駐車場 発(12:40)〜分水界展望所登り口(12:50)〜分水界展望所(13:05)〜
  珪石山山頂(13:40)〜清水山分岐(13:43)〜清水山 山頂(13:50)〜
  清水山分岐(14:05)〜譲葉山への縦走路出合(14:15)〜蛙子峯562m(14:16)〜
  蛙子展望所(14:25-14:40)〜五ノ山(14:50)〜向山 山頂(15:00)〜
  四ノ山511m(15:20)〜亜炭展望所(15:30-15:35)〜三ノ山(11:38)〜
  岩座展望所(15:40-15:50)〜いそ部神社分岐(15:55)〜いそ部神社 着(16:15)


【向山】 むこうやま。むかいやま。氷上町・春日町にある里の山。
氷上町石生(いそう)は標高95mで加古川と由良川に水を分ける、日本で一番低い
分水界の地。。分水界の東に水分れ公園があり、向山はその奥に聳える。
 稜線のヒカゲツツジは先週が満開、見頃は今週までとのメールに誘われて出発。
篠山付近は小雨がぱらつくが、鐘ヶ坂を過ぎると期待通り雨は無い。

【登山口】 登山口は観音堂から北の尾根伝いと東へ水分れ公園から清水山方面など。
二つ繋いで周回出来る。先月は観音堂から登ったので、今日は水分れ公園から登ろう。
 雨はないもののいつ降り出すか微妙。昼も過ぎているので、車の中でラーメンを
摂る。支度をして、さて出発。と、駐車場の端から一人の男性出現。Sさんと判る。
続いて奥さんも。今朝、10時に雨が上がったことをメールでご連絡いただいたのだ。
実際に顔を合わせると感激モノである。しばし、向山の話など。残念ながら時間も
遅いので、また再会をと分かれた。

【水分れ公園】 途中の道路脇が工事中。大きないそ部神社("いそ"は、山へんに石と
書きます。)の前を通り、新緑溢れる分水界。俊一が幼稚園に入る前にここへ連れて
来て遊んだことが昨日の様に蘇る。その時はこの山に登ろうとは考えてもいなかった。
やがて砂利道に鉄格子の塀があるが、鹿除けのため元に戻して通行可とあるので従う。
「水分れの杜」の木柱を過ぎて、分水界展望所登り口に辿り着く。道標が右を指す。
見上げると森の上に向山連山が屏風のように聳えている。
向山連山  
  珪石山への尾根道から四ノ山を望む  
【分水界展望所へ】 山道へ入ると、植林の先に幅3mの道に出合うがこれではない。
その左側に幅1mの径があるのでここを行く。ウグイスの声が響き、スミレや野イチゴ
の花が迎えてくれる。小さな沢を渡って朽ちかけた木の階段を登り、雑木のつづら折
れが続く。2.5万図で318m点の尾根に取り付いているようだ。
 たどり着いた展望所は以外と素朴で良い。展望図に篠ヶ峰も描いてあるが、今日は
雲に隠れている。尾根の方へ「観音堂登山口」と指してあり、新緑の雑木の中を登る。

【急登】 最初は感じのいい若葉の尾根道だなぁと思いつつ登る。右に清水山、左に
向山、いずれも新緑が萌え立ち、谷に木霊する鳥の声もすがすがしい。時折、薄紫の
ミツバツツジが元気づけてくれる。
 やがて黄色と黒のトラロープが出てきた。あぁ、これがSさんの仰っていたロープ
だなぁ、と横目に登る。これが、すぐには許してくれない急登の始まり。だんだんと
ロープに頼っている自分に気付く。(^^;
 登りが緩くなったところで湾曲したようなヤセ尾根に見える所に出た。ここにも
ピンクのツツジが咲く。直ぐに「珪石山」の指標があった。松の中の小岩峰という
感じである。そして「硅石鉱山跡」。なるほど、この複雑な地形は人間の仕業か。
若葉の清水山  
 清水山分岐辺りから清水山を振り返る   
【清水山】 清水山分岐(鳳翔寺登山口)の道標があり、見送って歩きかけたが、
せっかくなので清水山へも寄っていくことにした。鉱山跡の崖を乗り越えて行くと、
丹波らしい雑木に囲まれて落ち葉の積もった尾根道となる。なかなか良い道だ。少し
登った山頂には大きな反射板が待っている。柏原の町が眼下に見え、播磨へと続く
山並みがガスをたなびかせていた。
 引き返して向山連山道へ。キツツキがいた。植林へ下りて登り返す。おばさん3人
組に出会う。今日、会ったのはこの人達だけ。

【レモン色】 見覚えのある譲葉山への縦走路へ合流し、左へ緩やかに登れば蛙子峯。
この先から待望のヒカゲツツジが現れる。薄いレモンの奥ゆかしい色である。今年も
会えることが出来た。既に落ち花も多い。
 蛙子展望所に登ると、眼下に水を張った水田が鏡のように並んでいる。妙高山には
雲が垂れる。足下には、薄黄色のヒカゲツツジが緑の中にばらまかれたようである。
いつもながら鳥のさえずりが響くのどかな所である。
レモン色三昧  
  蛙子展望所に咲くツツジ  
【ツツジが岡展望所】 レモン色のトンネルを抜けて急坂を登ると五ノ山。そして
静かな向山平。登山道以外には踏み込まないようにしたい。向山平展望所から望む
五台山も雲が懸かっている。続く向山山頂は相変わらず素朴な林の中。下界からは
地方選最終日のウグイスが聞こえてくる。
「ツツジが岡展望所」は西に開ける。この周りもレモン色の花でいっぱい。所々に
ミツバツツジのピンクが色を添えて華やかである。

【亜炭展望所】 雑木の中を四ノ山へ下り、さらに下ればミツバツツの咲きそろう
亜炭展望所に着いた。ここから、往路で登った急登の尾根が見て取れる。その上に
珪石山があり、右に清水山のピークが並ぶ。左側の向山西斜面には新緑とピンクの
花が綺麗。ここでは鳥のウグイスが、水分れの谷にのどかに木霊する。
ゼリーでエネルギー補給して下りに備える。

【岩座展望所】 三ノ山に登り返して、さらに雑木を下ると岩座展望所。ここは
何故か落ち着く。それ程高くはない。岩の上から水分れの谷と石生の町を見下ろせる。
先月よりも青くなった葉をつけたヒメヤシャブシの後ろに向山が聳え、清水山には
新緑が走る。スケッチしようかと思ったがやめました。最近、のんびりと山を楽しむ
気持ちが薄れてきているようだなぁ。反省。(^^;
清水山  
岩座展望所から望む清水山   
 
  中央の尾根が左に上り詰めたところが珪石山、  
  清水山はその右の少し低い尖ったピークです。   
【急降下】ミツバツツジがポツポツと彩る下りの先に、いそ部神社分岐の道標がある。
急な下りとの注意書き付き。先月登った観音堂へも急だし、今日は別の道にすべく
分岐に入ってみる。ここのルートには道標がないようだ。これが本来の丹波の山。
踏み跡は判るが、ここに至るまでに親切な道標に慣らされて来たためか、妙に心細い
感じとなる。(こんな楽しみな道は、このまま道標なしで置いていただきたいです。)
 最初は平坦な道、やがて緩い下り。なんだこんなものかと高を括っていたら、あり
ました。急降下の道。落ち葉も降り積もってまともに歩けません。ジグザグに枝に掴
まりながら下りました。やがて竹林となり、鹿除けネットの扉から出て、扉を元に
戻し、明るい方に向かうといそ部神社の鳥居に繋がる道。たぶん、公園が出来る前は
この道もよく使われていたのでしょう。

【藤】 神社にお参りして無事を感謝し、駐車場へ戻る。途中、八重桜が満開。
駐車場の横にある藤棚にはつぼみがたくさんぶら下がり、2分ほど淡い紫の花が開い
ている。観音堂へ寄ってみたら、登山口にある山桜が見事な満開でした。


  向山について   

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1999.5.1. BY M.KANE