昼寝岩を訪ねて・深山北面           

10番尾根  
二つ岩から10番尾根(手前から中央)を見下ろす 

■目的地:深山(790.5m)北面の昼寝岩
                <山域:北摂・大阪府能勢町・京都府園部町>
■日にち:1998年11月22日(日)
■天気:晴れ後曇り
■同行者:妻恋地蔵さん、矢問源氏さん、よっくん、キューブさん、
     ダンノ凡太郎さん。
■コースタイム:
 700m広場発(11:00)〜山頂(11:20-11:30)〜烏帽子岩(12:20)〜
 二つ岩・右岩(12:35-13:35)〜10番尾根〜音川〜天引林道・ガヤの谷出合着(14:45)

【深山】 能勢町・園部町にある北摂の最高峰。笹の山。
山頂には深山宮と雨量レーダードームがある。深山宮のご神体のまわりを周回すると
北摂・丹波の山々が良く見渡せる。
 今日は私のホームページにも投稿いただいている妻恋地蔵さん企画の昼寝岩オフ。
深山山頂から北の尾根へササヤブを下りて秘密の岩を目指す。北摂のバリエーション
がまたひとつ広がるのを楽しみに出かける。

【待合い】 心配していたが良い天気になった。能勢の集合場所に着く。すでに矢問
源氏さんとよっくん、キューブさんが到着。コンビニで昼食を仕入れていると、間も
なく妻恋地蔵さんとダンノ凡太郎さんも到着。自己紹介に続いて、山の話で盛り上が
りそうなところをグッとこらえて、深山へ向かう。
 篠山盆地の福住まで出てR372を天引峠を過ぎて天引林道に入る。直ぐの所で
堰堤の工事、妻恋地蔵さんによると旧篠山街道であったという。少しずつ歴史が
埋められていくようだ。 林道にはいると国道とは一変した静けさである。
 ガヤの谷林道の少し先に一台停めて、残りは700m広場へ。広場手前のガタゴト道が
修復されている。先客5台。

【山頂からの展望】 ゲートの鍵に鍵穴がないという話に頭を傾げつつ、舗装道を
山頂へ。話が弾みながらアッという間に到着。いつもの我が家のお手軽散歩とは
ペースが違う。(^^;
 今日は遠くまで見通せる。秋も深まった北摂山群は朱に染まっていつもよりめかし
込んでいるようだ。六甲連山、大野山、弥十郎、多紀アルプスや京都北山、比良と
みんなで素晴らしい展望を満喫。

【ササ】 山頂のお宮をぐるりと廻って、いよいよササの中へ。お宮の真後ろから
北尾根へはササヤブが林の中まで続くそうだ。少し東に廻った所に2本の踏み跡が
あるが、まず目指す11番尾根(妻恋地蔵さんの仮称)へはそのうちの東側を下りていく。
腰より少し上までのササヤブだが思ったより歩きやすい。林に近くなると、足元に
切り株が2箇所ほど出ているので、ひっかからないように注意。
 疎林に入ってもササが茂り、かえって踏み跡がわかりにくい。庭とされている妻恋
地蔵さんに付いて行くからいいようなものの、一人ならどちらへ進んで良いやら見当
がつかないだろう。
いご谷源頭付近  
いご谷源頭付近にて (妻恋地蔵さん提供) 
【烏帽子岩】 10分弱でササも終わり、鹿道を伝いつつ左手へトラバース。いご谷の
源頭部で微かな湧き水を賞味し、さらに巻くと高さ15mほどにそそり立つ烏帽子岩の
根元に着く。ササの山とばかり思ってやさしいイメージのある深山に、こんな険しい
岩があるとは。この辺りの林は斜面が落ち葉に彩られ、源頭部の苔むした岩が混じっ
た静かで素晴らしい雰囲気。北摂に居ることを忘れてしまいそう。
 岩は左側から巻いて登る。浮き石があるので落石しないように注意。以降も同じ。
烏帽子岩の上に立つと、黄葉がきれいないご谷の向こうに、天狗山北尾根が衝立の
ように広がる。その向こうに丹波の山並み。先端に立てば足元は切れ落ちていてなか
なかのスリル。苔が絨毯のようで、昼寝には丁度良さそう。でも、落ちたら大変。

【二つ岩・右岩】 烏帽子岩を下りて、さらに10番尾根を650m標高線付近でトラバー
スし音川源頭部。ふかふかの苔岩がきれい。しかし浮き石注意。音川の下りは途中
急なところがあって危険ということだ。暫くすると、またも20mほどそそり立つ岩が
現れる。二つ岩のうちの右岩。黄葉をしたがえていい感じ。左から巻いて登る。
 まずは昼食。腹が落ち着いて展望を楽しむ。烏帽子岩と同じくいい眺め。案内いた
だくと、こんな低山でもなかなか味わい深い奥行きを感じる。ポツリと雨粒が落ちて
来たが直ぐに止む。

【10番尾根】 暖かければ昼寝を楽しめるのだが...と惜しみながら岩の上を後に
する。音川源頭部に戻って10番尾根に入る。尾根伝いに明瞭な獣道を下りていく。
まるで人が歩いた跡のようだ。頭上は黄葉、足元は落ち葉。2度ほど傾斜が緩やかに
なったところで、右の支尾根に入らないよう読図しながら下りていく。といっても
読図は妻恋地蔵さん。腕の磁石と地図を見ながらの素晴らしい読みはさすが。シカの
道が横に誘っても惑わされない。
伐採地から天狗山北尾根  
伐採地から天狗山北尾根を見る 
【音川】 予定通り伐採地の頭に飛び出る。足下の斜面は丸裸で無惨だが、前方に
天狗山北尾根が開けて錦絵のようだ。暫く伐採地のヘリを尾根に沿って下りるが
おもしろくないので、適当なところから左の音川の谷に入る。林の急降下斜面である。
 音川と言っても沢だが、少雨で水量は少ない。下るにつれ飲めるほどの太さになっ
てきた。小休止。沢から見上げると常緑樹で覆われて薄暗い。夏でも下草が無く
同じ状態ということだが、虫は多いそうだ。
 さらに少し下ると、昔は仕事道があったという崩れかけた踏み跡をつめれば、天引
林道に出る。
 
【ガヤの谷出合】 林道を下って駐車地のガヤの谷出合へ。途中で、キャンパスを
立てて絵を描く人がおられ、暫し鑑賞会。奥山川の沢と紅葉を独特の色使いで描か
れていた。静かな山の中、一日をこういう風に過ごすのもまた一興。
 車に着くと、小広い広場で暖かいラーメンとお茶の会。沢の響きを聞きながらの
ひととき。天狗山北尾根の16番尾根の取り付きを教えていただいて、車に乗り
700m広場へと戻った。
 すでに我々の車だけが残り、ポツリポツリと雨。素晴らしい山行に感謝し、再会を
期して別かれた。

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1998.12.3. BY M.KANE