丸太の加工7
桁の加工

桁になる丸太を載せます。桁は加工する部分が多いので、なりの良い太めの丸太を使います。また、ログ壁の丸太より、屋根のけらばの出の分が長くなります。このログハウスでは前面に2メートル、後面に1、5メートル屋根が出ますから、家の長さ8メートルに加えて、11、5メートルの丸太が必要になります。また、今回は桁がログ壁の芯に載りますが、壁芯より外部に持ち出されて載る場合もあります。これをアウトリガーと言います。

これが、アウトリガーです。桁が壁芯より外に持ち出されています。このため家自体より大きな屋根が載ることになりますので、ロフト部分の居住性が高くなります。また、二階にシェットドーマーなどを作るときも、垂木を受ける都合上アウトリガーが必要になる場合もあります。

写真は3*3.3メートルの小さなログキャビンです。(展示用にすべて仮組みになっています)

今回製作中のログハウスは二階に部屋数がありませんので、アウトリガーはされず、桁は壁芯に載せます。壁芯に桁が載る場合の墨つけは下図のようになります。

桁の木口には4ヵ所ともこのように墨つけします。最上段の平面よりスクライブ幅Hだけ上に水平線を引きます。これが、加工後平面のレベルになります。つまり下の写真のL型の欠き取りのレベルです。また、最上段で墨をつけ直した(施工6参照)中心線を垂直に引きます。その十字の交点より任意に上げた点(4ヵ所の桁の木口を調べて、一番具合のよい高さを決める、今回のログハウスでは120ミリ上がりになりました。また、この高さが決まってはじめて小屋組みの正確な寸法がでます。)より8寸勾配の墨をつけます。

桁の室内側です。ロフトができる部分はこのようにL型に欠き取られています。また、妻壁の壁材の飲み込みの溝も突いてあります。

L型の欠き取りのレベルも床梁と同じ高さになっています。また当然ですが、吹き抜けになるところはこのような加工はありません。

桁の外側は屋根の勾配で平面が出されています。このログハウスの屋根は8寸勾配です。つまり、タンジェント0.8です。また、軒天井や、室内の天井板を飲みこむように両側がL型に欠き取られています。ログハウスの場合は相手が丸太なので、内外装の仕上げ材が飲み込まれるように加工しておくことが必要です。

これが、軒回りの仕上げになります。桁に垂木が掛かり、室内の天井板と軒天井の板が飲み込まれています。桁をこのように段欠きに加工しない場合は垂木を掛ける前に、天井板より少し厚い板(スペースボード)を桁に打ちつけておきます。