丸太の加工6
最上段と二階(ロフト)床梁の加工

最上段を積むまでに、各通りのログ壁の高さをできるだけ合わせておきます。各通りのログ壁の差が大きい場合は載せる丸太の太さで調整します。またそれぞれのログ壁で考えれば、最終段の丸太の元側(太い方)がのる方は末側(細い方)より5?6センチ低い方が最終的に平面を出すのに都合がよいと思います。載せる丸太が決まったら、これまでと同様にラフノッチを切り、スクライブ幅を決定します。一番低くなりそうな場所である程度(15センチ?20センチ)の平面がでる高さを決めます。今回のログハウスでは写真の場所が一番低かったので、ここで平面の高さを決定しました。ここは、スクライブ幅が70ミリ、下から(ハーフログの下面)からスケールで2、860ミリの所で水平線を引きました。この丸太を加工すると、スクライブ幅分低くなりますから、この家の上部平面の高さ(これは一階天井高になります)は2、790ミリで仕上がることになります。

ノッチやグルーブのスクライブを終え、丸太の木口に引いた水平線を基準に最終段を加工します。

加工された最終段が載ったところです。平面の高さは2、790ミリで仕上がっています。

この平面上に、もう一度、仮基礎のときと同じ方法で芯墨を作りなおします。各々の丸太の平面に具合良く芯墨がおさまるように、全体を前にずらしたり、少し振ってみたりして調整します。ログハウスの平面は丸太にだした平面なので、端から端まで、同じ幅の平面がまっすぐでるわけではありません。左右に湾曲していたり、一部が極端に狭くなったりするのが普通なので、こんな風に芯墨を作り直すのです。

平面の芯墨が決まったら、必要な場所に棟木や母屋の束が立つほぞ穴を開けます。チェーンソーで開けても良いのですが、写真のチェーンノミを使うほうが楽でしょう。チェーンソーでほぞ穴をきれいに開けるのはかなりの技術が必要です。

チェーンノミで開けたあと、叩きノミで仕げます。写真のほぞ穴は縦180ミリ、横50ミリ、深さ100ミリです。

次は、二階(ロフト)の床梁の加工です。これはログ壁の最上段の平面と同じレベルで仕上げます。写真は床梁の丸太をラフで落としたところです。

最上段の平面にレベルを合わせるために水糸を張り、スクライブ幅と平面を出すところを決定します。床梁は下にはログ壁がないので、グルーブはありません。しかし、一階の間仕切り壁の真上にくる床梁の下には平面を出しておきます。

床梁を積み終わったところです。ログ壁最上段も床梁もレベルは2,790ミリでそろっています。手前の床梁は階段がかかるところになりますが1メートル以上も持ち出しているので、ノッチ部分の強度が必要になります。

強度が必要なノッチの内部はこのように丸太の残りを多くしておきます。