丸太屋のログシェル(丸太壁、及び小屋組)の価格


ここでは、具体的なログシェルの価格を考えたいと思います。これは丸太屋が扱っている国産杉材、丸太末口22センチ〜28センチ程度(ダグラスファーよりも3割近く高価)で考えます。

基本的な設計は9メートル*8.5メートル、田の字型(一階床面積76.5平米、約23坪)、小屋組はトラス構造ではなく、束立て構造とし、2階ベランダは一箇所、アウトリガー無し、ドーマーは小さめのゲーブルドーマー一箇所とします。

階段は欅厚板(60ミリ)折り返し階段とします。 

立面図

平面図

この設計は夫婦と子供一人の住宅、あるいは別荘を想定しています。

丸太本体価格を積算するには、まず、開口部が無いものとして、ログ壁総メートルを考えます。9メートル側ではログエンドが両方に50センチづつ出ますので、10メートルの丸太が必要です。ログ壁の形は田の字ですから、これが3列必要です。また、8.5メートル側ではログエンドも含めて9.5メートルの丸太が必要です。これも3列必要です。

ですから、一段積むのに、10×3+9.5×3=58.5メートルの丸太が必要です。ログ壁の高さ(一階天井高)を2700ミリ程度と考えると普通は10段積むことになります。すると58.5×10=585メートル必要です。これに床梁、小屋組にも丸太を使います。床梁、小屋組はデザインによって使う丸太の長さは違いますが、ここでは床梁20メートル、小屋組50メートルとしておきます。

原木代金と皮向き、加工費、一回目の塗装も含めて1メートルあたり約7,500円の工事費がかかります。

階段はこの欅厚板折り返し階段ですと約30万円です。

このログハウス一棟では(585+70)×0.75+30=約521万円、かかることになります(この家のゲーブルドーマーは小さめですので、取り合えず価格の増加はないものとします)。丸太屋のログサイトでの引き渡しならば、この価格になります。

 

丸太屋ログサイトで引き渡す場合の状態、小屋組部分も加工済

(注:写真は8×9メートル+2×2.5メートル、77平米、かね折階段、アウトリガー、シェットドーマー付です。上記図面のものとは違います。ちなみにこの写真のものをログサイトで引き渡すと、560万円)

なお、現場に持ち込んで、建て方までやるには、まだ費用がかかります。大型トラック2台分の積み込み運送費が約12万円(長野県内)、現場でのクレーン(5トン)が2日分で約10万円、建て方工事費68万円(一階部分ステージつまり、基礎の上の荒床を含む)
合計12+10+68=90万円程度かかります。

建て方の前にステージを組んだ状態、大引きや根太の上にコンパネが打ってある

基礎は設計により、価格が違いますので、この見積もりには入っていませんが、基礎工事が終わっていれば、521+90=611万円で9メートル×8.5メートル、田の字型のログ部分が現場に建ちます。

 

建て方を終えた状態

(注:上記図面のものとは違います。ちなみにこの写真のものをこの状態で引き渡すと、560+90=650万円)

アウトリガー、ドーマーを作る場合は屋根面積や外壁、窓などの増加により、内外装にかかる費用が大きくなります。