■私の読書の時間
●作画汗まみれ 増補改訂版<2001.12.24>
大塚康生著
徳間書店
ISBN4-19-861361-3
東映動画や東京ムービーの数多くのアニメーション映画、テレビシリーズで、作画、作画監督を手掛けたアニメーター、大塚康生さんが自らのアニメーション半生を語った本。作家ではなく、職人として、職業人としての考えやアニメーション制作現場の息づかいを語る。太陽の王子ホルスといった東映動画の長編、ルパン三世、未来少年コナンなど、私の子供時代に語り尽くせないほどの影響を与えた作品の制作背景、制作過程、テレビやスクリーンの前では伺えしれなかったことがらが興味深く語られる。
山本智矢著
CQ出版社
ISBN4-7898-2011-4
格言の本か、さもなければマーフィーの法則の類書のような表題にも思えるが、パソコンや携帯電話、そしてインターネットに関する著者のWEBサイト
www.tomoya.comで公開された日誌のいわば総集編である。1996年から2000年までのパソコンの技術の流れの一端が思い起こされて、時の流れと技術の行方が見えるようである。そういえば、ペンティアムってスロットだったなぁとか、そういえばAMDも一時CPUをスロットで出すことになっていたけど、実際に出たんだったっけとか、パソコン雑誌で見たことを思い出す。しかし、パソコン雑誌の上を行く実用度は、私のWEBサイトとは偉い違うは…。
トム・デマルコ/ティモシー・リスター著 松原友夫/山浦恒央訳
日経BP社
ISBN4-8222-8110-8
なかなか、考えさせられる本である。管理者はフォローのしかた、オフィスの環境について、人材、チームの構成、退職でのロス、などなど、会社社会では一般に常識と思われることでも実際はさまざまな問題を抱えていることを問題提起させた思いだ。かといって、この本の主張を100%安易にうのみにして実行することも問題があるようにも思える。ひとを扱う難しさ…いや、扱うという発想自体間違っているのかもしれない。
●エヴァンゲリオン volume 7 男の戦い<2002.2.6>
貞本義行著 GAINAX原作
Kadokawa Comics A 角川書店
ISBN4-04-713469-4
アニメ版のキャラクターデザイナーが描く。絵が巧いだけではなく、マンガもうまい。アニメでは描かれなかった細部やつなぎをさり気なく補完してあり、それもまたくすぐられる。さて、そろそろ物語はクライマックスに向かうのだが、アニメでは制作が追っつかなくなって、苦肉のラストとなった感があり、それはのちに映画で補正されるのだが、このマンガ版の終盤はどうなるのだろうか。
●アメリカ人の知らない英語 和製英語のすべて<2002.2.13>
山田正重著
丸善eライブラリー PDA版 丸善
世の中、カタカナの言葉が氾濫しており、その多くは英語のように思っているが、実際には英語として通じないものが多くあるということを認識させてくれる本。日常生活の中のなかでいかにも造語や略語とわかるようなものでなくとも、たとえばスポーツ用語として使われているものでも正しい英語ではないという事実は、ちょっと驚きかもしれない。
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