映画を観たよ


メトロポリス<2001年5月>

 手塚治虫の初期の原作を『AKIRA』の大友克洋の脚本、『銀河鉄道999』のりんたろう監督でアニメーション制作会社のマッドハウスが中心となって制作したアニメーション映画。総作画監督は『ムーミン』の絵本などでも知られる名倉靖博、美術は『火垂るの墓』の平田秀一、CGテクニカルディレクターに『まんが日本昔ばなし』の前田庸生。作画スタッフには、小松崎和夫、野田卓男といった『マジンガーZ』世代には懐かしい名前も。

 オープニングのCGがふんだんに使い、さらに群衆シーン、巨大な飛行機械、そして、主役のひとつであるメトロポリスが、リアルな画像で観るものを引き込んでいくのは圧巻。レトロな感じでなく、かといって未来的な感覚でも、現代的でもない、リアルだが違う世界。そしてそこにいるのは、おなじみの手塚キャラである。手塚キャラの中でもレトロな感じがするケンイチくんがひげおやじとともに同情し、人造人間ティマのストーリーが展開していく…。これまで、手塚アニメのどれよりも美しく凝った映像、完璧な作画、…すべてがすばらしいと絶賛したいところなんだが、いまひとつ共感や感動を伝えられていないような気もする。

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チキンラン<2001年5月>

 グリコのCMやNHK衛星放送で放映された『ウォレスとグルミット』でおなじみのアードマン・アニメーションスタジオの長編クレイ・アニメーション。通常のクレイ・アニメーションの常識を越えた画面やセットの奥行きや、何体ものキャラクターが動き回るのは壮観だ。独特のデフォルメがされたキャラクターも親しみ深い。ニワトリなのにアードマンキャラの特徴でもある歯があるのは、致し方ないか。お話は、ニワトリ版大脱走。果たして、チキンたちがどんな手で養鶏場から脱出するか、ワクワクしながら観ようではないか。

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ダイナソー<2001年1月>

 冒頭、懐かしい『野生の王国』(昔、放送されていた野生動物を題材にしたテレビ番組)の恐竜版を見ているようなすばらしいドキュメンタリー然とした画面が広がる。その後は・・・ディズニー映画らしいヒューマニズム(?)溢れる映画となる。リアルなキツネザルと恐竜が擬人化され英語で会話し、隕石の落下で激変した環境の中、助け合い旅を続ける・・・。そう、これはディズニーアニメなのである。とりあえず、映像のインパクトはピカ一な作品。

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ゴジラVSメガギラス G消滅作戦<2000年12月>

 ゴジラ最新作。今回は、怪獣バトルがなかなかおもしろい。昆虫怪獣ということで、相手が軽量、しかも飛ぶということもあり、どう見せてくれるのかいささか心配だったのだが、近作で相手がやたら巨大だったり、三つ首で格闘戦はいまひとつ見せ方に苦しさがあったりしたのだが、ゴジラがフライングボディプレスまで繰り出さねばならないほど格闘戦に引き込んでくれるは、群体でトンボのはずなのにそれじゃまるで蚊じゃないのというツッコミを入れたくはなったが、これがまたなかなかゴジラを苦しめてくれるのだ。人間側も、戦うヒロインを中心にゴジラ消滅に向けて、活躍する。脚本は、ツッコミを入れたくなるところもあるけれど、とにかく引っ張っていってくる演出の勝利・・・かな。

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さくや妖怪伝<2000年8月>

 妖怪ものの映画というと大映の妖怪大戦争などの妖怪3部作を思い出してしまうが、それを彷彿させる妖怪退治ヒーロー(ヒロインか)ムービー。藤岡弘、嶋田久作、丹波哲郎、松坂慶子といった曲者で達者な役者さんに囲まれて、主役の安藤希の演技力の不足がちょっと目立つか・・・。ビジュアル的には、最後の土蜘蛛の女王の決戦など、なぜか懐かしいスクリーンプロセスを思い出させる画作りだが、圧巻だ。スクリーンプロセスっぽいのは、特撮担当の特撮研究所のカラーなのかな?巨大化しても妖艶なまでに美しい松坂慶子に大拍手。映画全体としては、テレビシリーズを何話かつないだような印象もあり(話のつなぎにキャッチ用のインサートカットがあったりするせいでもある)、中弛みももう少し何とかなったのではないかと思うところもあって、完成度は決して最高とはいえないが、懐かしい大活劇を今一度楽しませてくれる作品だ。

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