ポートランド日記                                     スズキメディア

12月4日(火)──126日目


 8時30分から、二回目のドライブテスト。7時30分頃寮を出る。
 早めに着いたので、もう一度コースを走ってみた。一方通行への左折は、一番手前の車線と唱えていたら、双方通行で一番手前の車線(対向車線)に入りそうになってしまった。風邪で多少熱もあるし、あまり頭がしっかり働いていないようだ。二回目も駄目だろうか。心配になってくる。
 前回と同じ手順で受付を済ませ、書類を受け取り、車を移動して試験官を待つ。早めに受付したので、15分くらい待っていた。
 前回と同じ試験官が来て、「ああ、今回も駄目かな」と思ったら、僕の書類を見て、違うという感じで去っていった。二度続けて同じ試験官は担当しないのかもしれないが、詳しいところはわからない。
 少しして、もう一人の女性の試験官が来て、ウィンカーやブレーキランプのテストが始まった。試験官が乗り込んで、前回と同じような説明があったあと、ドライブテストがスタート。今回は、英語が不得意だから、指示をよろしくお願いしますなど、細かいことは言わなかった。

 コースは、前回とほぼ同じ(たぶん全く同じではないと思う)。スピードを出すべきところはそれなりに出したし、一方通行への左折も車線の間違いはなかった。
 ただし、最後、フリーウェイから降りた右折専用車線で、右折の赤信号が出ていた。アメリカでは、交差点は、特に禁止がない限り信号が赤でも右折が出来る。これが日本と大きく違うところだ。日本は、左折可の交差点(それほど多くない)のみ、信号が赤でも左折が可能。それに対して、アメリカは、常に右折(通行車線が逆だから、日本の左折に当たる)は信号が赤でもOK。
 でも、さすがに、右折だけの赤信号がわざわざ出ているときは右折も駄目かと思っていたのだが、みんな右折していく。後ろからクラクションを鳴らされたが我慢して、青になってから右折した(もし右折が駄目なら、致命的なミスになると考えた)。
 DMVに戻って、駐車して、試験官は用紙に書き込んでいて、なかなか話をしない。右折のこともあるし、駄目かなと思っていたら、「……パス……」と言われた。
 やった!

 右折の赤信号はやはり、車が来なければ、すみやかに曲がらなければ行けないそうで、マイナス5点、ほかに、スピードが遅い、左右の注意不足、バックがスムーズでない、パーキングが適切でない、合計マイナス25点で何とか合格。合格ラインはわからないが、75点ならぎりぎりだ。
 スピードが遅いと言われても、前回よりは速く走ったし、これ以上早くというのでは、スピードオーバーしてしまいそうな気がする。必要以上に慎重な運転はかえっていけないということだろうか。
 バックがスムーズに出来ないのは、運転席が日本と逆で右に振り向いて後ろを見るのに慣れていないから。パーキングについては、どんな駐車方法がいいのかわからないのだから、何ともしようがない(開き直っていてはいけないが)。左右の確認については、前回、バックミラーの確認について言われたので、逆に左右がおろそかになったかもしれない。
 まあ、でも、取りあえず、ぎりぎりだとしても合格してよかった。
 免許は、受付で、お金を払って(54.50ドル)、写真を撮って、すぐに発行された。8年間有効だ。こちらでは、お金を受け取るのも、写真を撮るのも、目の検査をするのも、全部ひとりの係員がやる。日本なら、それぞれに係員がいる。このへん、日本の公安委員会は人員削減と経費節減について考えたほうがいいと思った。

 帰りがけに、ダウンタウンの「Marsee Baking」で、昼食にターキーサンドイッチとミネストローネを買って帰った。ここもチープイートに載っている店で、テイクアウトのみだが、サンドイッチもスープもおいしかった。
 無事免許を取って、レンタカーを返して帰ってきたら、さすがに疲れた。そういえば、今日は13回目の結婚記念日。何かと思ってチョコレートを買いに行ったが、時期が時期なので、クリスマスのチョコレートになってしまった。
 日本製の咳止め薬の効果で、風邪も少しずつ良くなってきた。


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