ポートランド日記                                     スズキメディア

12月3日(月)──125日目


 スピーチのクラスは今週三日間(月水金)がファイナル(最終)スピーチ。今まで三回に分けてやったインフォメーション(情報)スピーチ、デモンストレーション(説明)スピーチ、パースエイジョン(説得)スピーチのどれを選んでもいい。時間は八分〜十分。
 咳がひどくて今日は声が出ない、どうしようかと思っていたら、今日は当たらなかった。あまり準備していなかったのでひと安心。
 みんなそれぞれに、自分の良さを出してスピーチをしている。初めの頃のスピーチから考えると、みんなうまくなっている。場数を踏んだことと、クラスの雰囲気がうまく出来つつあるからだろう。
 戦争反対のスピーチや、実際にボールを使ったタッチフットボール(ラグビーを簡略化したもの)の説明や、風邪に効く漢方薬の解説(中国系の女性)、ホモセクシュアルを差別してはいけないなど、テーマはさまざま。日本で普通に生活していては、こんないろんな国のいろんな人の意見を聞くことはない。それだけで面白い。

 一番みんなを引きつけたのは、韓国人の女性で、彼女は、韓国の大学で韓国語の外国人への教育を専攻して、卒業後は実際に外国人に韓国語を教えていたそうだ。
 今は同じクラスで英語を勉強しているが、たぶん彼女が一番英語がうまいんじゃないかと思う(クラスには同じ意見の人も多い)。どうして、同じクラスにいるのか(もうひとつ上のクラスがある)不思議なくらいだ。
 スピーチは、こちらに来てわかった韓国と米国の文化の違いで、韓国は(日本よりもずっと)儒教(Confucian)の影響の強い国なので、今でも結婚には親の承諾が必要なこと、年上の人はファーストネームで呼ばないこと、など、いろんな例を挙げて話して面白かった。

 帰りに、明日のドライブテストのためにレンタカーを借りる。そのあと、Cと買い物へ。ビーバートンのフレッドマイヤーで、牛乳などを買ったあと、宇和島屋で、日本製の咳止め(ストナ咳止錠)を買った。アメリカのはどうも効かないようなので、日本の薬を試してみることにした。日本製といっても、輸入品なので、表記はすべて英語。でも、日本語の説明書も付いている。

 Cを寮で降ろしてから(三時半くらい)、DMVのほうへ明日のドライブテストの練習に行く。薬を飲んだので、咳は少し収まっている。
 前回のテストで問題だったのは、一方通行の道への左折。左折の場合は、曲がったあと一番左(手前)の車線に入らないといけないが、一方通行を認識していないと、右側の車線に入ってしまう(対面通行なら、一番左は対向車線だから)。
 右折の場合は、常に(一通でもそうでなくても)一番右側(手前)の車線に入ればいいから、問題はないが、左折の場合は、一通かそうでないかで変わってくる。日本での運転で左側通行が染み付いているからこれがけっこう難しい。
 つまり、左折するときには、右側通行右側通行と思っているから、意識的に右の車線を取ろうとする(日本では左車線に入るが、もしそうした対向車線だ。危ない!)。しかし、一方通行の場合は、あえて、一番左の車線に入らないといけない。
 これが頭で思っているよりずっと難しい。一番の左車線、一番の左車線と思っていると、恐ろしいことに両方通行の車線で一番の左車線(これは対向車線)に入りそうになったりする(正面衝突してしまう!)。右側通行に慣れるには、時間がかかるようだ。
 何度か、同じと思われるコースを走ってみたが、明日が心配だ。


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