ポートランド日記                                     スズキメディア

9月27日(木)──58日目


 昼食は、CとOHSUのカフェテラスでとったが、僕は、ファヒータ(fajita:ファジータと言ったが通じなくて困った)というメキシコ料理。
 辞書によると、《長く切った牛肉または鶏肉を焼いてマリネにしたもので、トルティヤといっしょに食べる》だが、鶏肉を焼いてマリネにしたものと、トマトソースで炒めたライスと、チリビーンズを皿によそって、トルティヤが付いてくる。トルティヤにそれらの具を乗せて包んで食べる。鶏肉とライスは辛目の味付けで、それとチリビーンズの甘みが一緒になって複雑な味がする。おいしい。
 Cは、油っこいものは避けようと、サラダとケーキだけにしたが、ファヒータも少し食べて、同じくおいしいと言っていた。

 午後は、明日の英語の授業の準備で、テープに英文を録音した。これを先生が週末に聞いて、助言をしてくれるそうだ。黙読していると簡単に読めそうだけど、いざ声に出すと英語をすらすら読むのは難しい。発音、アクセント、イントネーションなど気にしながらだから、大変だ。何度も読んでいたら、のどが痛くなってきた。

 ワタナベさんという女性から、電話がかかってきた。「Cがマクドナルドハウスでボランティアをしたいという話を聞いたが、それについて話をしたい」と言う。「夕方までには帰ってくるので、電話をします」と言って電話番号を聞いたが、早いほうがいいと思って、Cのページャー(ポケベル)に電話をした。
 Cは、小銭がなくて、欲しくないコーヒーを飲んだりしたらしいが、まもなく電話がかかってきて、メッセージを伝えることができた。

 マクドナルドハウスというのは、ハンバーガーのマクドナルドが寄付をして作ったもので、アメリカ全国にある、病気の子どもの家族をサポートするための施設。病院の近くにあって、長期に入院している子どもの家族が泊まることができる。日本では、ファミリーハウスといったりするが、Cは福島にある「パンダハウス」という宿泊施設を手伝っていて、こちらに来たら、マクドナルドハウスについて話を聞きたいと言っていた。
 ワタナベさんは、OHSUの看護学部の博士課程にいる日本人の学生さんで、以前、マクドナルドハウスで、ボランティアをしていたことがあるそうだ。Cは、近々ワタナベさんと一緒にマクドナルドハウスに話を聞きにいくと言っていた。


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