ポートランド日記                                     スズキメディア

9月26日(水)──57日目


 昨日遅くまで起きていたので少し眠い。朝一度起きたあとまた寝てしまって、目覚ましで9時に起きて、あわてて準備して9時54分のバスに乗る。
 授業の前に、ウェイティングリストになっているこの授業を正式に登録する。先生の署名入りの書類を渡して、これで登録はOKだ。

 二回目の授業は、まずこれからの授業の進行の説明。
 10月8日(第3週)、10月22日(第5週)、11月12日(第8週)の3回、スピーチをしなければならない。それぞれ5分、7分、10分とけっこうな長さだ。ほかにも、中間試験のスピーチと、期末試験のスピーチがあるらしい。これはけっこう大変だ。
 最初の5分のは、「Information Speeech」で人に情報を伝えるためのスピーチだから、まだいいが、次は、「Demonstaration Speech」、何か主張を伝えるようなスピーチ。最後は「Persuasive Speech」、人を説得するようなスピーチで、これには図書館やインターネットなどでのリサーチが必要だそうだ。
 どの場合も、5日前までにアウトライン(概略)を提出しないといけない。けっこう大変なことになってきた。

 次に、ケネディ大統領のスピーチという「Let Us Begin」という原稿を渡されて、グループに分かれてそれを読む練習。強調する語、文末のイントネーションは書かれているが、実際に口に出して読むのは難しい。英語は日本語と口の動かし方が違うから、なかなか口がうまく動かない。
 練習が終わったあと、「Let Us Begin」を順に少しずつ読む。緊張してなかなかうまく読めない。今日の授業はここで終わったが、金曜日まで録音してくれば、チェックしてくれるというテキストをもうひとつ渡された。宿題でいろいろやることがあって大変だ。

 帰りに、OHSUのカフェに寄って、昼食。朝食べていないので、お腹がすいていた。今日のメインは、「ベントー」。
 ベントーと言っても、日本のしゃけ弁とかのり弁とか幕の内弁当ではなくて、焼肉弁当のイメージ。弁当というより、中華丼や牛丼のイメージに近い。Bentoではなくて、bowl(これはまさに丼。といっても、どんぶりでなく皿に盛られている)という店もある。
 ご飯と一緒に盛る具は、牛肉、豚肉、鶏肉の三種類から選ぶ。そのほか、中華丼の具のような野菜の炒め物も盛る。豚肉は汁はなくてチャーシューのような感じなので、鶏肉を選んでみたが、おいしくなくはないが、ちょっと甘すぎる。
 それに、アメリカらしい大雑把さで、野菜の炒め物に入っているエンドウ豆のスジが全然取られていない。ひとつだけ忘れたというのではなく、全部。確信犯だ。さすがに、エンドウ豆のスジは食べられない。

 そのあと、図書館のあるビルで開かれているコンピューターフェアに行ってみた。今日一日だけだ。フェア自体は、ソフトウェアが中心で、医療関係のものが多いから、あまり詳しく見なかったが、興味深く見たのは、入り口近くに展示されていたたくさんの古いパソコン。
 詳しく見てみると、アップルIII(スリー)とかLisa(リサ)とか、IBM-PCの最初の製品、コモドールやアミガなどの初期のパソコンなど、写真では見たことがあるが、本物を見るのは初めての歴史的なパソコンが並んでいる。もちろんさわることもできるし、ちゃんと動いているものも多い。さすがに、しばらく見とれてしまった。
 大学時代に先生が「これは100万円もするんだよ」と使わせてくれたパソコンの原型みたいなのものあった。記憶媒体がカセットテープという今考えると旧式のものだったが(当時は最新)、こんなところで再会するとは思わなかった。

 夕食の準備をしようと思っていたら、ホールにたくさんの人が集まり始めて、キッチンが使いにくくなったので、OHSUのカフェテリアへ夕食を買いに行った。
 夕食は、昼食と同じメニュー。Cには、ベントーで付け合わせを牛肉にたら、これは鶏肉よりおいしかった。
 僕は、ガーデンバーガーにした(9月19日参照。OHSUのカフェテリアのメニューにガーデンバーガーがあるのには今日初めて気がついた)。大豆を使っているといっても、豆腐ではなく歯ごたえがある。知らないで食べたら、牛肉のバーガーと思うかもしれない。あっさりしていておいしい。


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