ポートランド日記                                     スズキメディア

9月20日(木)──51日目


 ナイキタウンで、Cはバックパック、僕はサンダルを購入。
 Cは使っていたバックパックに穴があいてしまったので、急遽購入。ナイキのは背負った感じも良さそうだ。大学へ行くのにいろんな荷物を持って行かなけれなならないので、バックパックは必須だ。Cは、「こっちの資料はなんでこんなにかさばって重いんだろうと」こぼしていた。確かに、表紙の立派なバインダーに挟み込まれた資料が多いし、専門書も巨大な物が多い。もっとコンパクトにまとめればいいのにと思う。

 僕は、サンダルを購入。50ドルと高かったが、黒で、突っかけのように前が閉じている感じのいいのがあったので、それに決めた。前が閉じていないと、埃が入って足が汚れてしまう。これは大事にして日本に持って帰ることにしよう。ナイキのサンダルなんてあまり履いている人はいないんじゃないかな。

 ナイキタウンの買い物だけで、10時半頃バスで帰って。昼食はうどん。つゆは一昨日作った鶏肉の出汁《だし》のもの。
 夕食は、やはり一昨日焼いたサーモンをほぐして、きざんだ梅干しとかつおぶしと一緒にご飯に入れて混ぜたもの。日本でもよく作る簡単な料理。おいしかった。

 夜は借りてきた、浅田次郎原作のテレビドラマ「天国までの100マイル」ビデオを見る。
 さて、明日わかる英語のテストの結果はどうなっているだろう。授業はうまく登録できるだろうか。気になって、何となく落ち着かない。

 アメリカのブッシュ大統領が議会で演説するのをテレビで見た。同時多発テロ事件について、国民の結束を高め、アメリカがどんな方策をとるかについての演説だ。集中して聞かないと、英語の意味はなかなか頭に入ってこない。
 でも、(僕にとって)意味のわからない言葉をとうとうとしゃべり立てているブッシュの顔を見ていると、この人はテロ事件について胸がつぶれるような悲しみを感じているというより、今アメリカ人の結束が強まる状況の中にあって、自分がたまたまその中心にいて、演説していることに、心地よく酔っているんだろうなという気がしてくる。
 ワンフレーズ語るたびに言葉を切ると、拍手がわき起こり、時にはスタンディングオベーションになる。ブッシュの得意げな顔が何だか癇にさわる。こんな俗物が米国大統領になり世界を引っ張っていて、いいはずがない。こんな感じ方をするのはひねくれているだろうか。


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