ポートランド日記                                     スズキメディア

8月7日(火)(7日目)

 午前中、バスに乗ってダウンタウンへ。先日見つけたオフィスデポ(事務用品、文房具、パソコンなどの専門店、広い)で、スキャナーを購入。ヒューレット・パッカードの「scanjet 2200c」、79ドル。ポートランドは消費税がないので、買い物に割安感がある。ただし、所得税は高いのだそうだ。
 こちらでは、プリンターやスキャナーはヒューレット・パッカードのシェアが高いようだ。日本でも多いキャノンもけっこう見かけるが、エプソンはあまり目立たない。
 79ドルは安いと思ったら、解像度が600dpiとあまり高くない。ここ一軒しか見ていないので正確にはわからないが、日本のように、高解像度で小型の機種はないようだ。

 こんなに急いでスキャナーを買うのは、英語の紙資料をOCRで電子データにして、翻訳ソフトで日本語訳したいから。Cは、毎日山のような資料をもらってくるが、とても全部を自力で訳している時間がない。五か月弱という短い時間で成果を上げるには、OCRと翻訳ソフトをフルに使うしかない。
 翻訳ソフトは数年前にも、作家の松本侑子さんの「翻訳の世界」の連載で試したことがあるが、残念ながら、その頃は実際の利用に耐えるレベルではなかった。しかし、先月、松本さんがまた雑誌で取り上げるというので、おすすめの最新タイプを試してみたら、けっこう使えるレベルになっていることがわかった。英語を日本語に翻訳すると、意味不明になるところもあるが、ざっと意味をつかむのには、かなり頼りになる。渡米前そんなソフトを教えてもらったので、最大限に利用することにした。
 この翻訳ソフトの名称は「ロボワード」。http://www.a2001.com/に詳しい情報がある。これから使っていくので、そのうち詳細な報告をします。

 昼は、オフィスデポの帰りにダウンタウンでYakisoba(焼きそば)やTeriyaki Bowl(てりやき丼)のある持ち帰りの店でやきそばを食べてみた。鶏肉やブロッコリーのひと切れが大きくて、内容的には充実しているが、味付けが甘すぎるので持て余してしまい、残した分はドギーバッグをもらって持ち帰った。
 アメリカのレストランはどこも量が多いけれど、どこでも持ち帰りができるので(いやがるところはない)、お腹いっぱい食べずに、持ち帰ってあとで食べるのが得策だ。太らないためにもそのほうがいい。ドギーバッグ(doggie bag)とは、「うちに帰って犬にやるから」とい意味らしいけど、実は人間が食べる。

 12時頃バスに乗って帰り、寮でしばらく仕事。スキャナーも試してみたが、簡単に使えるようになった。ただ、やはりスキャンが遅いし、解像度も低いので、OCRはエラーがいくぶん多くなる。アメリカにいる間だけのことだから我慢するしかないけれど。

 夕食は、Cがこれからいろいろとお世話になる、キャシーさんに招待される。「ビューポイント」という丘の上から、ウィラメット川とポートランドしないが見渡せる絶景のレストラン。実は、Cは、前日にも他の先生に招待されて来ている。
 キャシーさんは、おそらく米軍にいたお父さんが日本に駐留していた関係で、高校時代の三年間を日本で過ごしている。もう日本語はほとんど忘れてしまったそうだが、こちらが英語が得意でないのをわかってくれて、つたない英語を一生懸命聞いてくれる。

 日本のこと、キャシーさんが当時行ったことのある、仙台や鹿児島のことなど話す。多少度胸はついているのだけれど、英語はさっぱりうまくならない。これから五か月アメリカにいて、少しは向上するのだろうか。
 食事はシーフード中心で、僕は、前菜にツナ(まぐろ)をとった。これはわさび(ただし練りわさび)も付いて、表面に火が通っていて「たたき」ふうだけれど、下にチップスが敷いてあったりと、ちょっと違和感がある。主菜は、マヒマヒ(ハワイの魚)。これはマカデミアナッツのソースでかなり甘くて、かなりつらかった。

 量が多いのでこれだけでお腹がいっぱいになったが、ポートランドにきた以上、デザートを食べなければいけないというので(アメリカ人は甘いデザートが大好きだ)、二人でタルトを取った、ラズベリーが入っていて、生クリームの上には、ライムが散らしてあるけれど、大量の生クリームと甘いタルトで、食べる終えるのは大変だった。これは残したので、持ち帰りになった。
 今日は、ポートランドへ来て一番の食べ過ぎ。お腹が苦しい。

スキャナー 外観はコピー機を薄くしたよう。書類や本や写真を画像としてパソコンに読みとる機械。正確にはフラットベッドスキャナー。

OCR オーシーアール。書類や本などの画像データを変換して、パソコンで使えるような電子データにすること。書類や本はそのままではパソコンに取り込むことができないが、OCRで電子データにすれば、パソコンで翻訳したり、ホームページに載せたりできる。



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